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第9話前編 印象の見える可

セクション1 第一印象

ファーストインプレッションを信じますか。

人は第1印象で9割が決まるらしいです。どうやら直観的な判断は当たるみたいですよ。青い時代はあとになってから見立てがハズレだったということもありますが、大人になると直感の精度があがっていくようです。

#009-1-01 初対面

という恋愛相談の話ではなくて、ひとの印象判断について考えます。「良い人そうだ。」「なんか胡散臭いな。」「ヤバい、このひとは近づいたらあかん。」こういうのが感覚的に分かるとか、第6感が働くとかいう人がいるようです。でもそれって本当に「感覚」という単語でしか表現できないものですか?

僕は内省することで、言葉や客観的な物差しで説明できるものがかなりあると思っています。ちょっと考えてみて下さい。さっき9割が決まると書きましたが、残りの1割とはなんぞや。経時的に交流を重ねるなかで印象が修正されていくとしたら、それはもはや直感ではなく言動や行動といった観察できるものに依拠しているのではないですか?

人間には理性があります。動物的な勘だけで社会では生きていけません。<セクション2>からは理性的に、もっと言えば論理的・客観的にひとの印象というものを考えます。

セクション2 偶然ではない印象形成

皆んな感覚的に合う人、合わない人っていうのがいますよね。どういうタイプの人と親和性が高いかという問題は議論を尽くせる自信がないので放置します。ですが私たちが相手の何を見ているのかは、一定の普遍性があると思います。

就職やら入試やらの面接がやたらに得意なひとがいます。彼らは偶然に面接官の好みにあったというのではなく、どこでも一定した評価を維持してしていて、幾度の面接を受け続けてもそれは変動しません。天性のものでそうなっているラッキーな人もいるかもしれませんが、人生をある程度生きていると法則が分かってくるのだと思います。自分自身がそのルールに従って振る舞うことを覚えたら、何度でもそのクオリティを再現できます。

こんな分かったような分らないような話ばかり続けるのは情報商材のやり口ですね。さっそく僕がみているポイントをいくつかバラします。

#009-1-02 初対面注目ポイント

まあ、パッと思いついたのはこんなところでしょうか。誤解なきように付け加えておきます。あくまでファーストコンタクトの話をしているので、2秒~59秒くらいのことを言っています。1分から先は見るポイントががらっと変わります。

いま挙げた6つのポイントについて、何をもってそう言ったのか<セクション3>で説明します。

セクション3 僕が見るチェックポイント

#009-1-03 初対面6つのポイント

説明は(1.)~(6.)に当てはまらなかった時に、僕がどう捉えているかを言ったほうが分かりやすそうです。

#009-1-04 初対面¬ならどうか

<セクション4>で補足します。

セクション4 チェックポイントの補足

#009-1-05 初対面6つのポイント

この6つは僕の経験則だけど、先の<その3>ではこれらのルール当てはまらない場合の危険信号を述べました。くり返し確認しますがファーストコンタクトに限った話です。

「(¬2.)距離が近い」とか 、「¬(5.)パーソナルな話を話し出す」とかに関しては、10分経った後ならむしろ効果的な場合もありそうです。

「(¬6.)自虐を口に出す」のは100パーセント悪い話というわけではないけれど、ポジティブな話に落とせるかどうかに依ります。ファーストコンタクトの59秒の枠で終わる話が不可能なので、そういう意味で自虐話は避けるべきです。ただしウケる1発ギャグをお持ちなら大歓迎ですよ!

もう1段階、それらしい説得力を持たせますね。


(2.)1.5メートルの距離を取っていること

- これは「パーソナルスペース」という言葉でも知られているので、僕の経験則だけではなくて、一般的に当てはまりそうです。45センチ~1.2メートルが「パーソナルディスタンス」、1.2メートル~3.5メートルが「ソーシャルディスタンス」というので、1.2メートルが「友人」と「知り合い」が切り替わるラインになります。

3.)目の位置を同じ高さに近づけようとしていること。

- 直立しているのと、かがんでいるのと、しゃがんでいる様子。この3つの絵をそれぞれ想像してみて下さい。小さな子どもや車いすのひとにどのように話しかけますか?それが誰に対してもできるなら「おぬし、なかなかやるな」と思います。

さて唐突ですが、<セクション5>ではまず僕の愚痴を言わせてください。

セクション5 ネガティブな語り

「僕ってチビじゃないですか?昔からず―っと身長が低かったんです。運動部でめちゃくちゃ練習していたのに50メートル走が遅かったし、バケツを運んでても『力ないやろ。運ぶから置いといて。』と言われて、頼んでもいないのに弱くみられて辟易とした。チビだから服も合うのもなかったし、大学受験の時も周りの皆が受けた大学校に、体格の基準に届いてなくて受けることさえ出来なかった。本当に損ばかりで嫌だった。」

#009-1-06 チビ

「でも大人になってくるにつれて、周りと比べてどうも可愛がられているようだと気づいたんです。すーっと人と和やかに話せた実績にも手ごたえを感じてきたし、例えば街中で道を聞かれることも多くて、それも実は当たり前のことではなかったんじゃないかと思えてきました。威圧感を微塵も醸していないからこそ、僕に話しかけるハードルがすごく低かったんだろう。人は最初は無関心の他人同士だった訳だけど、僕はコミュニケーションのスタート地点に着ける。だから、か弱く見られるのは実は人間関係で大きなメリットかもしれない。のっけから人を低いとこから見上げているし、小柄な女性や子どもに対してもちょっと腰を折るだけで高さを合わせられる。しかもそれが日常に溶け混んでいる。」

「こういうことの全部を振り返ったらやはり得してたんだと思えてきた。よくよく僕自身が人生において何を重視しているのかと考えみた。カッコつけることや敷居の高い専門家然とするよりも、より多くのひとに親しみや近さを持ってもらえたほうが自己実現がスムーズにいく。だから本当に『チビ』で良かったんだなあ、っと。」


これがぼくの語りの尺です。何を聞かされたのか。<セクション6>で釈明します。

セクション6 自虐は難しい

先の<その5>で話した僕の「身長低い」語りです。

「低身長への文句をつらつら」→「気づき!」→「チビでよかった!!」

前半は自虐のような感じだったんですが最後はそれを覆したつもりです。最後に着地させる場所をある程度は決めているからマイナスから話し始めました。いや、そこまで計算してたというよりは、途中でただただ卑屈になっている自分に気付いて、話の軌道を変えたと言った方が正確かもしれません。

こういう話は全部を伝え終わらないうちに途切れていたら最悪ですね。しかし話し切るとか切らないとか以前の問題として、冒頭3分の1で完パケしてる話なら最初からするべきではない。聞くに堪えません。

(6.) 自虐を言わない。

充分な尺と着地点がないなら自虐はダメですよ。だからファーストコンタクトでは地雷です。ちび、でぶ、ぶすのコンプ。印象を考えるならどれも絶対に言わないでください!

ところで今回の記事の趣旨にずれるけど、自分の存在までを貶める場合は、当人も周りのひとも注意を向けてあげて下さいね。心配になるから。

僕の6つの観察ポイントを紹介しました。<セクション7>でまとめます。

セクション7 客観的なルールの作り方

<セクション2>から<セクション6>までは、僕が最初にひとのどこを見ているかという話をしました。

第1印象というのは感覚的なものばかりではなくて、客観的に分析したり言語化できるものが相当あります。

当たり前のこととして、ひとの良い部分も嫌な部分も後あとになって確実に滲み出てきます。そしてその芽の部分は最初からあったことを、後付けのように口にします。「あのひと最初からなんか胡散臭かったんだよね。」

でもそれって全くの後付けではなくて、少なからず一定の意識レベルでは気づいていたのが事実です。

では具体的にはどのように客観的なルール化をするのか?自分が他人を見て感じた印象を、教師にも反面教師にもして自分の振る舞いに生かしてみる。また立場を逆にして自分の振る舞いが、どうやらこんな印象を与えているようだと覚えておく。それっていうのは特別に難しいことではなく、その後しばらくすれば自分がどう思われたのか分かりますから。

感覚的に受けた印象と意識的に与えた印象の両者が一致してきたら、それが印象形成のルールだと思うよ。全人類に普遍的とまでは言わないけど、自分自身や周辺の人間の範囲では適用できると思います。

#009-1-07 相手と自分の印象

印象の多くは客観的にルール化できると主張してきましたが、なぜルール化する必要性があるのでしょうか。<セクション8>からは複数の面を見てみます。

セクション8 素早く判断

僕は第1印象で判断する、つまり59秒までで即断できることには重大な意味があると思います。

1つ目のポジティブな面としては、「この人は気が合いそうだから仲良くやっていけそう。」と予測を立てやすいことです。

とは言っても、自分の周りに好きな人間だけを置けるわけではありません。社会では好き嫌いに関わらず、人と付き合っていかないといけない場合もあるでしょう。また、第1印象でその人を悪いほうに割り振ったとしても、今後より良い印象に変わっていくこともあります。

そこに関しては「第9話後編 本音を隠して口角をあげる」でも触れていく予定です。

最初の印象がよくなかった人たちを完全に振り落としてしまっていいのか、それとも良くないのかについては一考ありだとは思います。

<セクション9>では良い印象ではなくて、人の悪いところをみます。

セクション9 穏やかではないですが…

では即断が重要な2つ目の理由はなんでしょう。それは、「絶対に近づくべきではないひと」に気づくことだと思います。

そういうひとは「あなたを騙そう、搾取しよう」と心の中で思っています。あるいはそこまではいかなかったとしても、「自分の利益になるから近づこう」というのが根底にあります。

#009-1-08 騙されるチンピラ

人間の振る舞い、つまりその人の行動面は取り繕うことが比較的に容易です。他方で通常は言語化しづらい印象面というのは、パーソナリティといった根っこの部分が出やすいです。こちらは、よっぽどやり手の詐欺師でなければ徹底できないでしょう。

危険察知、危機回避の能力というのは「なんとなく危険な匂いがするから」では余りにも心許ないです。だったら明確な基準があった方がいいのは言うまでもありません。


なんか嫌な話を続けてしまいました。とにかくは、きな臭さを感じたときにハッと我にかえって、ルールを当てはめて危険察知の精度をあげるというのが良いのかと思います。

でも普段は、「気の合う人を探しやすい」というプラス面でワクワクしながら外を歩きたいものですね。

<セクション10>で今回の記事全体のメッセージを再確認します。

セクション10 客観化のすすめ

回りくどい情報商材化するのが嫌なので、具体的な僕なりの6つのルールを示しました。

あくまでも例示の目的ですし、中身も誰が読んでも完璧にマネができるものに限定しました。そしてもちろん、あなた自身のルールとも多少の差はあると思います。

でも「直感的な印象にも客観的ルール化ができるものがある」ということ。そしてそれができたら、「相手の良い面」も「自分の良い面」も気づきやすくなるのは素敵な話だとは思いませんか?

#009-1-09 相手と自分の良い面


今回の記事では僕がこんな風に見定めているとか、意識的に振る舞っているとバラしました。それでも僕はこれらの同じやり方は続けます。誰も損しないので。

#009-1-10 初対面初印象6つチェック

でも言葉に書き起こせていない7つ目8つ目がきっとあって、それは僕にとってもまだ『直感』の段階なんだと思う。

印象シリーズ第1部

第9話前半 印象の見える可

おわり//

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