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のりたま物語 かごんまのやま 第五話

この物語は、フィクションです。

入院生活も6ヶ月が過ぎた。

のりたま は左足にギブスをして、松葉杖を突いていた。

のりたま「オラオラ〜。」

看護師「のりたま くん、いよいよ退院ね。」

のりたま「え?そうなの?残念。」

看護師「残念じゃないよ!まったく!早く荷物まとめなさい!あ、いや、もう、私がまとめる!お母さん来る前に綺麗にまとめる!早く出て行ってほしいからね!」

のりたま「え?いいの?やったー。」

看護師「せいせいするわ!」

のりたま「ありがとう!」

看護師「じゃあ、また、あとでね!大人しくしときなよ!言っても無駄だけどね!」

のりたま「うん!分かった!」

スタスタ…

看護師(ん?今、ありがとうって言ったな。なんだよ。まったく…。)

退院の時間。

母が迎えに来て、のりたま は退院して行った。

看護師「もう戻ってきちゃダメだよー!」

母(出所か!)

それだけモンスターだったということだろう。

家に着いてから、のりたま はやろうと決めていたことがあった。

のりたま「ちょっとお散歩してくる!」

のりたま は、母の返事も待たずに外に出た。

近所だし、良いと思ったのだ。

母「あ!今度轢かれるときは、分かってるわね!…あら…もういない…」

T字路の先の大通りを渡ったところ…着いた。

南さんの家だ。
南さんの家のずっと先の方には、桜島がそびえ立っている。

ピンポーン。ピンポーン。

のりたま「ピンポーン!南さーん!退院できたよー!もう大丈夫だよー!」

のりたま(あれ?なんか、誰もいないというか…)

いつの間にか後ろに母がいた。

母「引っ越したよ。…南さんなら引っ越したよ。」

のりたま「えー!そうなんだ!退院したから、大丈夫だよー!って言いたかったのに。」

母「何言ってんの!向こうは、そんなの喜ばないよ。もう、南さんのことは忘れなさい。あんた、迷惑かけすぎ。」

のりたま(?よく分かんないな。)

のりたま「南さんに、もう退院したから大丈夫だよって、電話で連絡しといてよ。」

母「連絡先も告げづに引っ越したんだよ!あんたや私達とはもう関わりたくないってことよ!今、忘れろって言ったばっかりなのに、本当に馬鹿だね!」

のりたま(…なにを怒ってんのかな。んー。)

違和感を感じながら退院の日は終わった。

エンディングテーマソング

かごんまのやま - 2024 Remastering -
KeepWalking
作詞 のりたま
作曲 のりたま

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