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形成される真実と、自分の耳と心

応援して下さっている皆様、いつも応援ありがとうございます。

今回は五輪メンバー選出に関して、皆様への感謝と、それに対する私の思いを少しでも知ってもらえたらなと思って書いています。

子供の頃から夢に見ていた舞台、そしてその素晴らしい舞台が東京、日本という一生に一度あるかないかというタイミングで、日本を背負って闘えることを嬉しく思います。

しかし、18人という数少ないメンバーに入れたことは、自分をいつも応援して下さる方々、サポートして下さる方々あっての結果であり、同時に今まで共に闘ってきた仲間との勝負の結果でもありました。

応援して下さる方への感謝の気持ちを忘れず、そして共に闘ってきた仲間の思いを忘れず、その覚悟を自分のプレーを通して多くの方々に伝えていきたいと強く思っています。

 

少し話しは変わりますが...、事象は同じでも、人によって見方が変わり、その人の事実が真実となっていきます。
情報量が多い今の世の中では、物事の本質を理解することが難しくなり、私達は自分の欲に沿って物事を解釈をし、真実を形成していきます。

例えば、あるアイドルグループのあるメンバーが陰で恋愛をしていたことがリークされる記事が出たとします。
まずこの情報が真なのか偽なのか、見極めることも難しいですが、グループやそのメンバーの事が好きな人であればきっと悲しい気持ちになり、嘘だと信じたかったり、誰かにはめられて撮られた記事なのかなと疑ったり、真実を模索するような形になると思います。でも、グループの事があまり好きではない人は、結局アイドルグループって裏では恋愛してるんだよなとか、この子はこういうことしそうだもんなとか、事実(真か偽かは置いておいて)に対して、自分のアイドルに対するイメージに沿って解釈をし、真実を形成します。

あ、私の心の中が少しバレてしまいましたね。ちなみに私は前者です。真実を知りたいと思うけれど、自分のレンズからでは真実が見えず、他人のレンズで見える真実は信用出来ないということで、真実はあえて形成しません。
分かりにくい例でしたね。

もう少しサッカー寄りで例えてみましょう。

試合に負けたという結果、事実が生まれた時、ある人は「負けたけれど良い試合が出来た」と考え、ある人は「良い内容だとしても負けたのであれば意味は無い」と考えます。
同じ結果でも、その人の感じ方や捉えたい意味づけの違い、結果が生まれる状況や環境の違いで、形成される真実が変わってきます。

こちらの方が分かりやすかったでしょうか?
ちなみに私は前者の時もあれば後者の時もあります。そうです。自分の解釈したいように解釈をし、真実を形成しています。

少し例えが長くなってしまいましたが、いかにして、自分のレンズだけで世の中を見ていることに気付けるか、自分が思い込んでいる真実は自分の解釈でしかないことに気付けるか、そしてそれが決して正解では無く他人に押しつけるものでは無いと気付けるかが大事になると思っています。

Pride Monthである今月6月は、世界各国がLGBTQ+、トランスジェンダーに対して様々なメッセージを発信していますが、この問題も同じです。
恐らく多くの人が身近に感じていない、知らないことから起こる怖さ、そしてその怖さから来る解釈と真実の形成によって、未だにこの問題が’問題’として世界に溢れているのだと思います。

これから私、そして多くのアスリートが大会に向かって行きますが、ここから、様々な記事、コメントが溢れると思います。注目度が上がるということは、同時にそれについての情報量が増えることであり、勝手に形成される’真実’、すなわちそれぞれの人の’真実’が増えることとなります。

暗い話をするつもりはさらさら無いのですが、皆さんにお伝えしたいのは、他人のレンズから見える真実を真実と捉えるのでは無く、アスリートの声に自分の耳を傾け、アスリートの闘う姿を自分の目で見て、皆さんがそれぞれのアスリートと向き合うことで、皆さん自身が形成する’真実’が必ず変わっていくということです。

きっと感動することもあるし、驚くこともあるし、嬉しいこともあるし、悲しいこともあるし、悔しいこともあるし、怒りたくなるかもしれません。
でも、他人のレンズで形成された真実で真実を知った気になる時よりも、あなたの心が大きく、大きく動くはずです。

是非、そんなことを頭の片隅に入れて応援して頂けたら、とてもとても嬉しいです。

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