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3 手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択

さて3冊目の紹介、の前に少しだけ2018年の夏の話を。

私は2018年の夏に「断捨離をしたい」「ミニマリストになりたい」という願望を急に持つようになりました。アメリカ遠征中だったのは確実に覚えているのですが、何がトリガーだったのかはハッキリと覚えておらず。けれど、英語の勉強も兼ねてYouTubeで見ていたアメリカ人のミニマリストに憧れを持ったから、ということが私に大きく影響を与えていたことは今でも覚えています。

そこからミニマリストがどんな生活をしているのか、どういう基準でモノを減らし生活しているのかをたくさん調べていたのですが、その最中に「ミニマリスト しぶ」さんを見つけ、この本に出会いました。

アメリカ遠征が終わって日本に帰国してから本を読み、自分に不必要だと思うモノは全て処分し始めました。いつか着るだろう、いつか使うだろうと思っていた洋服、文房具、いつの間にか溜まっているポイントが貯まらないポイントカードの山、過去のユニホームなど...「このメダルたち捨てて良いかな?」と言い始めた自分を親が止める始末。

それから今までずっとミニマリストでいたいという願望を持っていたものの、家族と住む場所を共有していたので自分の願望・要望を家族全員に強要することも出来ず、どこか中途半端なまま引きずってしまっていました。(私がいつもやり合う相手はマキシマリストの母)

しかし、日本を飛び出して海外を飛び回るようになり、「サッカーで世界を飛び回れる、旅が出来る身軽さが欲しい」と、より強く思うようになりました。

そんなタイミングでしぶさんの新しい本が出版されました。

ということで今回はミニマリストしぶさんの「手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択」をご紹介しようと思います。


前作「手ぶらで生きる」ではしぶさんの実際の生活や経験を分かりやすく、自分の人生を取り戻すコツとして50の方法として説明をされていましたが、今回の「手放す練習」ではミニマリスト(ミニマリズム)の語源の歴史から様々な実験結果など色々な事実やデータを元に書かれていたので、読んでいて腑に落ちていく感覚がとても強かったです。

特に腑に落ちたのは「余白を作る」という表現、考え方。

ここが良い意味で凄く引っかかったのは自分のミニマリストとしての生活の部分からではなく、昨年の期限付き移籍での4ヶ月間の、サッカー選手としての葛藤が重なったからでした。

私は昨年のオリンピックの後、アメリカのOL ReignというクラブからスウェーデンのLinköping FCというクラブにレンタル移籍をしましたが、そこで与えられていた時間は約3,4ヶ月、全11試合。私はこの期間を終えた後の理想の状態として、「チームメイト、スタッフ、サポーターから本気でチームに残ってもらいたいと思ってもらえるような選手」という状態を設定しました。

そしてそこから「具体的に何を達成していけばその状態を手に入れられるのか?」ということを具体的にしていき、日々のトレーニングへの意図や、トレーニング以外の過ごし方を決めていったのですが、その中で始めに意識をしようと思ったのが「自分のやりたいことを余白に置いておく」こと。

たとえば、毎月手取り15万円を自由に使える人が2人いたとして、
・家賃やローン・光熱費など固定費が毎月7万円で、旅行・読書・貯金など「自由に使える余白のお金」が8万円の人。
・家賃やローン・光熱費など固定費が毎月14万円で、旅行・読書・貯金など「自由に使える余白のお金」が1万円の人。
(P190より抜粋引用)

本書で分かりやすく(この場合はお金の)余白を紹介していたのが上記の例で、どちらの人生の方が自分にとって健康的であるか?と問いかけられていました。

では、どちらのサッカー選手(余白が大きい人)の方が選手として理想的であるか?と置き換えて考えてみると、そもそも選手として余白が大きい人ってどういう状態なのか?や、昨年の自分が意識した「自分のやりたいことを余白に置いておく」ことの意味、成長の定義という部分の言語化がどんどん深くなっていきました。

と、このままどんどんサッカーの話を掘り下げていこうと、色々な図を作って分かりやすく説明をしようと思ったのですが、ボリュームがかなり大きくなりそうなのでそれについてのnoteを別で書こうと思います(笑)


少し話が脱線しましたが、何が言いたかったかというと、余白は凄く大事であるということです。(ここに来て急に雑になりました)

しぶさんが本書のはじめに書いていた、「モノを手放すことで人生に”余白”をデザインする」という言葉は身に染みて感じている事であったし、自分の生活においても、選手としても、もっと余白をデザインしていきたいと思っています。

また、昨年森鴎外さんの高瀬舟を読んだときに「足るを知る」とはどういうことかを改めて考えましたが、一旦自分の生活を見つめ直してみると、モノは足りている、むしろ過剰であることに皆さんも気付くと思います。

人生において大切にしたいモノ・コトは人それぞれ違うものであり、優劣や善し悪しで測るものでは無いので、このミニマリズムという考え方を押しつけるつもりは一切ありませんが、もし少しでも興味が湧いたら是非読むことをオススメします。

閉館のお時間です。
本日もご来館ありがとうございました。

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