Designship 2020
2020.10.24 Sat. - 10.25 Sun. @Online
視聴しました!全ては網羅できませんでしたが、印象に残ったことを中心にメモ。
脱境界
ライゾマティクス・アーキテクチャー 主宰
齋藤精一 さん
- これからは様々な分野が組み合わさっていく時代
- IoT, インフラ, 行政, 自動車, etc...
- いろいろなことを知っていないといけない
- 境界を持たない(越境、ではなくそもそも境界がないという考え方)
- 今まで通りの方法でやっていたらダメ。疑問を感じたら発し続けること
- 世の中の価値観は「物の豊かさ → 心の豊かさ → 事・文化の豊かさ → 社会の豊かさ → 人の豊かさ(人間中心) → 命の豊かさ」と変化してきている
- これからは「いのちの豊かさ」が重視される時代
- 命の豊かさ = Well-being, etc...
- 印象に残った活動 = 「おてらおやつクラブ」
- 2018年グッドデザイン大賞受賞
- お寺は御供物でいろいろなものを頂くが、余ってしまうことがある
- お寺の人が、餓死してしまう親子の話を聞いて、なんとかできないかと思ってはじめた
- 「もったいない」という価値観と、困っている人の手助けができる取り組み、素敵だと思った
- 脱境界のためにはみんなが共通の認識を持つことが大事
- SDGs はわかりやすい共通の認識になり得る
- SDGs のガイドライン: デザインもここに向くとビジネスとして成り立つ
- SDGs に対するソリューション => 世界共通の問題の解決にもつながる
ヤフーのビジュアルデザインとは
ヤフー株式会社
岡 直哉 さん
- コーポレートカラーについて
- 当時は Web はグレーの背景色が中心だった
- そのグレーに映える色としてヤフーの赤を選んで今まで使い続けてきている
- イラストはトレンドを取り入れつつ長く使えることを意識
- トレンドにのりすぎると、トレンドが去ったあと使えない
- ❌ アイソメトリック(斜めの角度のイラスト)
- ❌ 強調されたシェイプ(人)
- ⭕️ 写実的な人
- ⭕️ 角の丸さなど
- ⭕️ 色でヤフーらしさを演出
- 安心と信頼を届ける
- 赤といえばヤフー
- 人目見ただけで、赤 = ヤフー = 安心、信頼 を届けられるように
ONLINE EVENTにおけるデザインの可能性と体験の未来
株式会社サイバーエージェント
佐藤 洋介 さん
- 広告
- 街頭広告 => 1:n(多くの人にリーチ)
- もうこれができなくなってきた
- 口コミで人づたいに広める(潜在顧客にリーチ)
- (SNS インフルエンサーもこれかなぁ)
- ライブ
- 自分のアバターでバーチャル空間に参加
- 「ライブを見た」 から => 「ライブに参加した」という体験に変化
- オンラインとオフライン
- 併用し行き来する
- オフラインがオンラインに置き換わるわけではない
- オンラインはオンラインで、人間にとって価値のあるものへ進化していく
世界33か国でのデザインリサーチの進め方 ~ Fjord Trends ができるまで
Fjord
大世渡 麻子 さん
- 普段のクライアントワークでは「問題解決」のためのデザインが求められる
- トレンドの予測はそれとは全く別の頭の使い方をする
- トレンドの予測というデザインをやってみて
- 普段のニュースとかみてても、「あれ、これってトレンドの兆しでは?」と思ったり
- 「これってどういう意味があるんだろう?」と深掘って考えてみたりするようになる
「よく幸せは転がっているけど気づかないだけ」と言いますが、それと同じでどれだけ意識しているか(アンテナを張っているか)は大事なんだなと改めて思いました。見ようとしていないものは見えない・・・
ウィズ・アフターコロナ時代における新しいファッションデザインと衣服の在り方
株式会社YUIMA NAKAZATO
中里 唯馬 さん
ソーシャルディスタンスが叫ばれるなかでの活動
- シャツを送ってもらってそこに手を加えてお返しする
- 物流を使って距離を乗り越えた
- シャツ自体は大量生産のものであっても、そこに宿る「記憶」によってオンリーワンのシャツになる
- その記憶を組みとって、その人のための1着にする
長く使える衣服をつくるために
- ユニット構造
- 着物、スペースシャトル なども同じ構造
- 古くなった部分だけ交換すれば長く使える
コロナ禍で、物流によってわれわれ消費者はソーシャルディスタンスを保ちながら生活できているわけですが、結局そこには人が介在していますよね。改めてありがたみを感じないとと思いました。
----- ここから Day2 -----
デザインを続けるということ
All Turtles
灰色 ハイジ さん
デザイナーとしての歩み
- もともと Web デザイナーになりたくて、京都造形大学へ
- そこで広告に出会う
- 制作会社に入社
- キャンペーンサイトなどのWebデザインを手掛ける
- すでに内容は決まっており、要素が決められたものを視覚的に整理することが仕事
- 企画から関わりたいと思い、広告代理店へ
- プランナーになる
- Web だけじゃなくて駅の広告や映像も手掛ける
- なかなか自分の企画が通らなかったり、アイデアがでなくてプランナー向いてないのではと悩んだ時期
- 直接人が触れるものをデザインしたいと思うようになり、SaaS 企業へ
- 興味はプロダクトそのものへ
- Libs CAREER で UI/UX デザインをする
- ユーザーインタビューを通してその人の人生に触れる体験をする
- その人の人生に自分がつくったものが関わっていることが嬉しいと思う
- このとき並行して個人でロゴや名刺デザインを行う
- ブランディングに興味を持ち始める
結婚という転機
- サンフランシスコと日本をいったりきたりの生活(旦那さんがサンフランシスコ在住)
- せっかくサンフランシスコにいるなら現地で働いてみたい => 移住
- 現実は厳しく、最初は無職だった
- とにかく英語が話せなかった(カフェでコーヒー頼めないレベル)
- デザインのことだったら話せるかもと思い、デザインの学校へ
デザイン学校での生活
- 【実践①】自分が改善したいアプリを選んで、デザインプロセスに沿って改善を行う
- ゲリラユーザビリティテスト:ペルソナ がいそうな場所にいって5人に実施する
- 【実践②】現地スタートアップのプロダクト改善(グループで実施)
- デザイナーの価値が高いのでいろんな業界から入学者がきていた(アニメーター、ジャーナリスト、etc...)
- デザイナーの需要も高いけど競争も激しい
- 英語ができないのが壁となり、とってもつらかった(毎晩泣いていた)
あるとき周りの人も苦しんでいることに気づく
- 周りができなくて困っていることを、自分はとくに苦もなくできていた(たとえば問題の優先順位をつける、とか)
- なんで? => いままで積み上げてきたものがあったから
- プランナー時代、プロダクトが世に出た後の未来を考えていた => これが役立ったと振り返って思った
- 手を動かすことだったら、自分もチームに貢献できると思い、描いて伝えたり(言葉は補助)、プロトタイプを作ることを率先して行った
- たくさんの UI デザインを収集してきて、たくさんのパターンを知っているから頭の中で組みわせて素早くアウトプットできる
意識してなかったけど積み上げてきていたものがある
- 当時は自分は何もできない中途半端で、周りにはもっとすごい人がいると思っていた
- でも自分の強みって、無意識にできていることだと気づいた
- 自分では気付きにくかったりする。他人と比べるものじゃない
- 言葉が通じないリセットされた環境に行くことで初めて気づけた
- 自分の得意なことに気づいてからは、チームのために使おうと思えるようになった(周りに共有するようになった)
- 教えていると、こっちも聞きやすくなったり教えてもらえたりする
- リセットされたように感じても、積み上げてきたものは消えない
- 英語の環境になっても、職種がかわっても。
- いまやっていることを続けていいんだろうか、どの道に進んだらいいんだろうか、と悩んでいる人も、これまで積み上げてきたものは無駄じゃない
「このデザインでいこう!」事業を推進する意思決定のやり方
クックパッド株式会社
宇野 雄 さん
話した内容はこちらにまとめてくださっているということでリンクを貼らせていただきます。
お話に集中できるように、との心遣い、ありがたかったです...!🙏
お話を聞く中で感じたことは、「削ることの大切さ」です。
メイクとかファッションでもそうだけど、引き算が大事ですもんね。。。引き算するのって、足していくより難しいと思うのですが、伝えたいことを伝えるためには盛り盛りじゃなくてポイントを絞ることが大事、ということを改めて肝に命じなければと思いました。
それから、「スピード」についてです。
開発のスピードを上げるために、「後戻りできない変更でなければ判断を現場に任せる」ということと、それで生じるクオリティの低下を回収するために「専用の改善のための時間をしくみとして設けている」そうです。
なるほど、こういう方法でスピード感を持ちつつサービスのクオリティを保てるのか... と勉強になりました。
医学生としてデザインに取り組んで見つけた、医療とデザインの接点
Ubie株式会社 / 慶應義塾大学医学部医学科6年
大木 將平 さん
- いまの医療は持続可能ではない
- 日本:主治医制(担当医師が責任を持つ)
- 海外:チーム制(チームが責任を持つ)
- 日本は担当医師がいないと回らない、そのせいで過労死ぎりぎりの働き方を容認している
- 海外はチームで回しているので融通がきく一方で、きちんと引継ぎするためにカルテの記載量がどうしても膨大になるという課題がある
- Ubie では
- デザイナーも医療を学ぶ
- Ubie のデザイナーは 1年で 10冊?くらいの医療本を読んだけど、それでも医大生や現役医師の知識には全然届かない
- 医師もデザインを学ぶ
- 大木さんも Figma でプロトタイプを作ったりした
- 課題の解決のために、今後はデザイナーも医師もそれぞれの分野を「越境」していく必要がある
感想
灰色 ハイジ さんのお話で、サンフランシスコではデザイナーの価値が認められている(高い)から、競争が激しいという話がありましたが、いいデザイナーが育つためにはデザイナーの価値を高めることが必要ですね。日本でもデザイナーの価値は上がってきている様子。( https://lp.redesigner.jp/design-data-book-2019 )
そして、これまで積み上げてきたものは消えない、という言葉に背中を押されました。いろいろ悩んでも、やってきたことは無駄にならない。そう思えるようになれたらいいなぁ。
それから一番印象に残ったキーワードは「脱境界」です。
最近だと、エンジニアリングもデザインもできる人や、プロダクトマネージャーのようなビジネスまで包括して見る人、など1つの領域を超えて活動する人も当たり前になってきたように思います。今後はさらなる広く・深い知識が必要とされていくんだろうなと感じました。ひえ〜。。。
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