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44冊目. 私の財産の告白


あらすじ

「人生即努力、努力即幸福」を掲げる本田静六は、留学先の教授に「学者は経済的に自立しないといけない」と教わった。そこから彼は給料の4分の1を貯金する「4分の1貯金」を実行した。加えて、経済の発展段階では山や株を買うことが良いとも教えられていたため、それを貯金から実行した。そして、彼は多額の財を成したが、その多くを匿名で寄付するという奇行に走った。金を稼いだ先に彼が見たものはなんだったのだろうか。


感想

彼が財産を成した方法は時代が異なるため再現性が高いものとは言えない。しかしながら、お金と人生との向き合い方は現代でも通じる所が多いように思えた。人生を通して重要なのは、努力をすることという当たり前のことを再三唱えられるとやはり努力が重要なのだと感じる。人生即努力、努力即幸福とは彼が生涯を通していった言葉である。努力には即効性がないのではないかと思ってしまうが、彼は努力をすることそれ自体が幸福なことと捉えているのだろうと思う。そんな生涯を通して努力を重ねてきた彼が、着実に大学教授としてのキャリアを積んでいくと同時に財も成した。そして、人の上に立つ立場が多くなった時に彼が学んだことが一番実生活で活かせると思った。人を使う立場になりたいなら、まずは人に使われる経験をたくさんすること。部下には適度に信頼感を演出すること。人のことを絶対に名前で呼ぶこと。書けば、聞けば、なんでもないようなことだが、意外とできてはいないように思った。また、道楽化も重要だという点も読んでいて新しい発見だった


言葉
旗鼓堂々(きこどうどう)
 一般に隊列をなして行進するさまなどの形容にも用いる。 また、文筆の勢いの盛んな形容
使うには使われろ
虚心坦懐
先入観を持たず、広く平らな心。また、そうした心で物事に臨む態度。
傲慢不遜
謙遜でなく、おごりたかぶり人に屈することのないこと。
狭量 
人を受け入れる心が狭いこと。
錦上花を添える(きんじょうはなをそえる)
美しいものの上に、さらに美しいものを加える、よいものの上に、さらによいものが重なることをいう。
三昧教
渠成って水至る(きょなってみずいたる)
水が流れてくれば、自然に掘り割りができることをいい、深く学問を究めれば、自然に徳が備わることにたとえる。

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