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40冊目. 人生教習所 上巻


あらすじ

この物語は元ヤクザ「柏木真一」と引きこもりの東大生「山田一郎」、そして「対人恐怖症の女性フリーライター森川由佳」、「定年退職後の人生を歩んでいる社交家の竹崎」の主に4人が同じ「人間再生セミナー」を通して感じたことをそれぞれの視点が描かれている。1次セミナーでは「人生の確率」「経由点と着地点」「認知=心持ち」の講義が実施された。年齢も経歴も異なる3人がセミナーを通して、何を感じ、どのような変貌を遂げるのか。そのスパイスがこのセミナーには散りばめられている。


感想

もし、自分の生き方に自信がない場合はどうすればいいのだろうか。人生とは何だろうか。自分とは何だろうか。そんな答えのない問いを自らに立てた人間は気が済むまで自分を掘り上げていき、自分なりの自己認識の結論を出すしかないのだろう。

僕たちは人間はいつだって答えを求めている。その答えは教科書に載っているかもしれないし、インターネットにあるかもしれない。でも。誰1人として「あなたの人生の歩み方」なんて問いに対しての答えは教えてくれない。それは自分で見つけなければならないし、きっと終わりがないと思う。ただ、そんな終わりなき問いと向き合う上で大切な前提条件や思考方法を知ることが大切なのではないだろうか。人生とは今ままでと違い、必ず答えがあり、成功することが当たり前ではないこと。自分と向き合い、目標に向かって努力しているうちに、本来の目標を見失ったり、誤ってしまってしまうこと。この本はそんなことを登場人物の4人と一緒になって考えることができる。




文章

中身の無い愚かな人間ほど自意識過剰に陥る

18p

人間というものは、本人がその気でいる限り、いつまでも成長するものだと思います

85p

「努力をすれば必ず報われる」と言うわけではない。正確に言えば「ある事柄に対して努力をすればするほど、その成功の確率は上がる」というこ。逆に言えば「どんなに努力しても失敗の確率は残っている」ということです

91p

出発点→経由点→到着点を考える。わかりやすく言うと手段と目的をはっきり区別することが大切です

118p

将来の希望が持てない人生であるなら、せめて日々を笑って楽しく暮らすことが、彼らの生きていく着地点だったのかもしれない。つまり、着地点とは、その距離を遠くに置けば人生の目標になり、近くに置けば日々の心持ちになる

145p

人間の自意識は現在の精神状態と過去からの体験蓄積でできている

166p

基本的に(自分が)無意味だと気づいてしまった人間は、気が済むまで自分を掘り上げていき、自分なりの自己認識の結論を出すしかない

179p

自分の感情に正直な者は、そのほとんどの悪党を見る者への愛嬌を変えてしまう

188p

何も抱えてない人間なんて居ませんよ。その時々の本人の状況で、それが表面に浮かび上がってくるかこないかの違いだけで。そして、もし何も抱えていない人間がいたとしたら、それは人間ではない。多分人のカタチをした獣でしょう

195p

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