(O-Advent Calendar)クロカンスキーヤーのフィジカルトレーニング&スキーO代表紹介
これはオリエンティア Advent Calendar 2019 21日目の記事です。
1. 自己紹介
こんにちは、アークコミュニケーションズスキーチーム所属、東大院1年の石原湧樹と申します。東大スキー部OB1年目で、東大OLK39期でもあります。北海道(旧)白滝村出身で、昔からクロカンスキーをやっていましたが、4年近く前にスキーOを初めてやって、それ以来スキーOの競技にも取り組んできました。夏はフットOのレースに参加したりMTB-Oの練習に混ぜてもらったりもしています。
今回スキーOについて寄稿する機会をいただきましたが、3日目に阪大の道坂君が「スキーOやろうぜ!」を書いてくれました。そこで今回はスキーO・クロカンスキーの立場からフットの皆さんに少しだけご利益があると思われることを紹介します。「スキーOやろうぜ」はいろんな人が言っているし私自身も「一回やってみたいんだよね」という声を幾度となく聞きました。これを読んでもう少しだけスキーOに興味をもって、一度やってみていただければこれほど嬉しいことはありません。
さらに後半ではつい先週決まったWUSOC2020の代表選手の紹介をします。ぜひ、最後まで読んでください!
2. クロカンスキーヤーのトレーニング:フットオリエンティア向け
皆さんは「フィジカルトレーニング」として何をやっていますか?ランニングに加え、体幹トレーニングなどをやっている人もいるかもしれませんが、(特に上半身の)筋トレなど、ストレングストレーニングと呼ばれるものには興味のない人もいるのではないでしょうか。我々クロカンスキーヤーは、全身を高強度で長時間動かすため、「走れるマッチョ」を目指し、一年を通して実に様々なフィジカルトレーニングを行います。ここではそれらのうち、フットOにも生きそうなものをつまみ食い的に紹介します。
どんなスポーツにも、全体的な身体能力が重要です。例えば不整地でスピードを上げて走るには、体が様々な動きに耐える必要がありますから、走るだけでなく、ストレングストレーニングを行うことが有効かもしれません。
①筋トレサーキット
・体育館やグラウンドなどの広めの場所で、5~10箇所くらいのポイントを設け、そのそれぞれに自重筋トレなどの種目を設定します。
・その場所ごとに、設定された種目を30秒間素早く全力で行い、10秒で次の場所に移動します。それを順番に繰り返し、周回します。
・1セット10分前後になるように種目数や周回数を設定し、3セットくらいやるのがおすすめです。
・設定する種目は、腹筋背筋腕立てなど、スクワットジャンプやバーピージャンプなど、ターキーステップや腿上げなど、をバランスよく割振るといいと思います。
・種目の割振りやポイントごとの移動距離で、強度を調節できます。例えば、ジャンプ系やステップ系を多めにして、ダッシュで移動しなければならない距離にすれば、誰もが嫌がる世にもきついトレーニングを誕生させることができます。
②Sprettende Skigang
「ポールランニング」とか「ポールジャンプ」とか呼ばれていますが人によって指すものが違う気がするのでノルウェー語で書きました。我々は下の動画のようにポールをもって行います。
ポールなしもあります
ゲレンデなどの坂で、1分くらいで登れる距離を設定し、10~15分間の往復をしたり、そこでダッシュを繰り返したりします。とんでもなく心肺がきつくなります。私は夏場のトレーニングの中でこれが一番きついと思っていて、これをやる日の朝は憂鬱さと高揚感の入り混じった複雑な気持ちになります。
③片足スクワット
ベンチなどに片足を掛けてスクワットをします。一般的に良く知られた筋トレですが、ポイントは2種類に分けることです。バーベルをもって10~15回やっても、自重で20~30回やってもいいと思います。絵がひどくてすみません。フットOの登りの速さに直結する気がします。
・裏を鍛える
膝をつま先より前に出さないようにして、尻を下に落とすイメージでやります。腿裏や尻が鍛えられます。
・表を鍛える
膝を前に曲げながら、尻を前に進めるイメージでやります。膝の上、腿前が鍛えられます。少し足の前後幅を縮めるとやりやすいです。
➃スキー!!
クロカンスキーやスキーOをやるのが一番です!クロカンスキーヤーの最大酸素摂取量 (VO2MAX) が非常に高いことはご存じですか?(Saltin & Astrand 1967) 登り下りのメリハリがあるのもフットOと似ているような気がします。
突然宣伝ですが、直近のスキーOイベントたちを紹介します。要項をリンクしました。石原も全て参加します。道具のレンタルもあります。聞きたいことがあれば何でも訊いてください。
・1/18-19 日光の初心者講習会:牧場とその周りのクロカンコースでクロカンスキーの練習とミニスキーOレースができます。関東からも近くて本当の初心者におすすめです。
・1/25-26 安比大会:ペンション街近くのなだらかな場所でスキーOレースが行われます。初心者向けの練習もあるので初心者からチャレンジしたい人までおすすめです。会場となるペンションのご飯は量が多くてめちゃめちゃ美味しいです。
・2/15-16 全日本スプリント・ミドル 体験会:スキー場の上のゴルフ場テラインです。圧雪車を使った幅の広いトラックもあり(たぶん)、スピーディーなレースを楽しめます。
3. WUSOC2020(フィンランド・ロヴァニエミ)代表選手紹介
2020年3月23~28日に、フィンランドのサンタ村として知られるロヴァニエミで第3回世界学生スキーオリエンテーリング選手権大会(WUSOC)が開かれます。12月14~15日に北海道留寿都村で選考レース(スプリント・パシュート:lapcenterにリンク)が行われ、5名が先行して選考されたので紹介します。
(男子)
石原湧樹(東大大学院1年)
↑やられた。
私です。自己紹介は上にあります。そろそろ欧州人をぎゃふんと言わせたい。
WSOC2017, WUSOC2018, 冬季ユニバーシアード2019, WSOC2019出場
道坂怜生(大阪大学3年)
↑熱い男。
深雪でも使えるポールが欲しくてスキーOを始めた(?)らはまったらしい。昨季からスキーOに参戦、今年はスキー部とオリエンテーリング部を兼部して活発に活動している。石原に勝つそうだ。
初日本代表
福岡悠生(北海道大学3年)
↑決め顔。
北海道出身。大学から始めたとは思えないほどスキーは速い。昨季はレース中にいろいろなところを冒険していたようだが、先週の選考レースでは割と安定していた。
初日本代表
(女子)
本間樹良来(京都大学3年)
↑「こんなの朝飯前だよ~」
札幌出身で幼少期からクロカンスキーに取り組む。昨年スキーOに参戦し、そのスキー能力を生かして急成長したりしなかったりしたが、選考レースではトップ通過。
WSOC2019出場
佐野響(筑波大学4年)
↑シベリアで出会った仲間。
オリエンテーリング歴は大変長いが、スキーOは大学に入ってから始める。レースは長い経験を生かして安定感があるが、たまに大爆発するようだ。
WUSOC2018, 冬季ユニバーシアード2019, WSOC2019出場
※このほか若干名が来月末の安比大会で選考される予定です。
4. 最後に
ここまでお読みいただきどうもありがとうございました。この記事への「サポート」はWUSOC代表選手で遠征費用に使用させていただきます。少しでも、応援をいただけると大変幸いです。
またこれを機にブログとしてnoteを書いていくことにしました。面倒になって辞めそうなのでここで宣言しておきます。
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