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高等教育に思うこと

 1.高校で、教えてほしかった

 私が、色々な所で、教育の話をしていると、普通高校を出てきた女性たちからよく聞く言葉。 高校のときに、専門分野の勉強(資格)を取っておけばよかった。 高度な数学や、漢文古文、会話で一般的にでない高度な英語など。 知っていれば、その価値を感じる場合もあると思います。

 しかし、いわゆる国公立大学や一部の難易度の高い私大に行く人でない場合、どこまでその内容が必要か、大きな疑問があります。 もっと言えば、中学は、3年生の高度な内容も、あまり必要性はない場合も、あるかと思います。

 私が、仕事で中国に行き来する中、現地で聞いた話。ある省ですが、極一部の生徒は、中学校の段階で、省のエリート学校に集められ、他と違う教育をしていく。 それ以外の学生は、専門職を多様な職種で学ぶ仕組みになっている。当然、若いが貿易手順や書類作成を含め、即戦力で働いていました。それは、90年以降に実施されたと思われ、それ以前の学卒は、残念ながら命令されて使われていました。 1例として、ある工場 会計担当兼副社長30歳前、なにかの間違いを起こした高齢の社員 私の目の前でかなり厳しい口調で文句を言っていました。それを繰り返してきた結果は、90年で中国が日本に並ぶなど、微塵にも思わなかったものが、現状並ぶぐらいの経済規模になった?とは思います。(中国の数字を私は信用していません)

2.中学校までの義務教育に思うこと

 教科の中に、教養を増やすものがあっても、仕事で使えるものはあまりなく、例として 簿記は教科にありません。 社会に出て、お金を計算しない職業はなく、簿記は、生きる中で非常に重要だろうと思います。 一方、医学は簡単でないかも知れないが、人の体について本格的に学ぶ教科はなく、体調管理に非常に重要な栄養(食生活)・食品の安全性を学ぶ、歯がどうなっていて、管理の仕方、薬学まで行かない家庭薬や、日々の体調管理方法などは、教科にありません。

 なぜ、実際に使えない教科を学ぶのか? 教える側の教員は、実社会に出たことはなく、多くの場合、祖父から公務員や教員などの公職で、一般社会のことは、知らない場合があります。 修正するべき事項は、文部科学省で、本来提言すべきでしょうが、外に出たことがない人間ばかりで討論しても、新しい何かが出るわけがありません。現状の費用対効果が見えにくい古文漢文・美術音楽を減らし、実学系を増やすべきだと思います。

3.高校の専門化

 文部科学省は、義務教育までとし、高校以上は、専門分野の省庁が管理監督する。現状高校卒以上でしか取得できない資格を、高校で取得できるようにしたり、大学につながる内容の場合、高校と大学(場合により大学院まで)一体化し、学ぶ期間を数年単位で短縮していく。

(1) 医療系

 一宮で言えば、一宮興道高校を、医療系の専門高校とし、厚生労働省が予算、管理監督。5年で、大学卒業と同等の資格。

1)医歯薬系 医師、歯科医、薬剤師を高校から学べる形にする。大学は、医療系統一試験で、合格すれば、何処の大学にでも行ける。

2)看護師系 看護師を、高校から学ぶ。後期では、保健師も取得可能。大学院分として、認定看護師の座学部分は、取得できるようにする。

3)介護士系 介護の各分野の習得をし、5年終了時には、社会福祉士も取得できるようにする。

4)技師系 臨床検査技師、医療機器技師、放射線技師、歯科技工士など 高度医療に、今後必要不可欠な職種で、手術の機械化が進むなか、手術は、基本技師が行う時期に備える。

5)歯科衛生士 歯科医より、徐々に重要性が増す歯科衛生士を、医療事務も合わせて学ばせ、5年で卒業できるように育てる。

(2)商業系

 名前からして時代遅れな、商業は、ビジネススクールとし、簿記は当然としても、各種業務に必要な国家資格を取得できるようにする。経済産業省管轄。

宅建、FP、貿易実務検定など、現状高校卒業以上でしかない資格を、5年間で学ぶ。その上で、必要な場合大学院へ進み、それ以上の高度な資格の取得もできるようにする。

(3)法律系

 一般行政職、警察、消防、自衛隊を目指す。総務省が管理監督。

 高校入学時から、法律の初級を学び、5年までに、各種行政職試験に合格できる学生を育てる。一部希望者は、弁護士、司法書士などの高度資格も目指す法科大学院などに進学。

(4)美術、音楽系

 既に、各地に芸術系高校はあるが、いわゆる芸術も含みながら、工業デザイン、ウェブデザインなど、今後も感性が必要な職種は、増大していく。工業系の一部と考えるのではなく、芸術の感性を持った工業デザインができる学生を大量に養成。 

(5) 工業系

工業も、様々な細分化があり、一宮市内で、2校あったほうがいいと思われる。名称も、工業ではなく、細分化した内容に近いものが良い。

土木、建築、設計 国土交通省管轄

化学・生物系 環境省管轄

この他にも、今後成長していくと思われる分野の専門系を構築していく必要はあります。

4.高校を専門化したら、大学は必要なのか?

 現状の大学は、上記高校までで終わっており、可能な場合、大学院を目指させる。日本は、大学院教育が、大きく遅れており、大学院の修士課程卒で、22歳、博士課程を終えても、24−25歳。

 修業年数を、減らし、その後の企業や研究室などに職務に就いても、若年である一定までのレベルに到達し、結婚や出産にかける時間を増やしていく。→結果として、少子高齢化の対策になっていく。

5.教員はどうする。 高校の4−5年の専門教育は、同じ高校でも良いが、現状の大学施設を可能な範囲で使用。 教員も、大学教員を使っていく。

 整理統合には、様々な問題が出ると思うが、5−10年で、徐々にこなれていき、当たり前になる。

(終わりに)江戸時代の藩校、明治の富国強兵の流れをほとんど変えることなく、教育業界は、90年のバブルまで来ているが、世界の潮流に全く対応できてきていない。日本を取り巻く、経済状況は、今後も変化していくと思われる中、教育の仕組み自体を、根本から見直し、次世代型日本経済の構築に、取り掛かるべきだと思う。



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