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レジ袋有料化はなぜ

 最近ネット上で、レジ袋有料化を元に戻す話が出て居ます。
一番多いのが、小泉の息子がやった。 この方針を決めたのは、前環境大臣原田義昭氏で、退任前日発表。その日でしか発表できない内容でもありました。 今後の事を考慮した、大英断だったお思います。 小泉の息子では、なぜ実施しなければいけないかを理解できていないので、突っ込まれてきた。要は、理解する知恵がなく、説明不足。


 1.環境教育 

 大人の消費行動を、徐々に変化させるために、一番身近で、効果が高い手法としての、レジ袋有料化。 過去、東京杉並区で、あらゆる手法でPRをしても、30%程度が限界で、効率的に運用するには、全体に進めるしかない。 それが、レジ袋有料化。
 市町で行った場合、隣の町に消費が流れることがあり、行う場合、県単位で動かないと意味がない。愛知県の一般廃棄物の担当者と、このような話をして、準備ができ次第、県全域での実施が年末で決まりました。 大事な準備は、いきなりレジ袋を有料化するのではなく、一般の人が馴染みやすい、何かを全市で実行し、皆さんの目が環境に理解が進む状態で、レジ袋有料化を行う。
 一宮市では、私の団体が中心となり、一宮市環境基本計画推進協議会の実行部隊として、一宮市地球温暖化防止隊を作りました。ヒマワリの種を一斗缶3−4本以上購入し、3年程 ユニー全店、ジャスコ、理容美容の多くのお店などで協力頂き、全市にヒマワリが咲いていました。 ヒマワリに、環境の効果が何処までと言われると、当時協力頂いた女性からの提案で、まずは皆さんが幸せを感じることをやりましょうと。

 一宮市のレジ袋有料化の会議も、事業者からの反対意見が述べられる中、市内女性団体の多くが集まり、意見が色々出る中、長屋さん(年長者であり、女性団体の頂点に立つ方のひとり)は、最初、私のような若輩者が、申し上げることは、と言って次の方にマイクを渡されましたが、全部の意見が出た時点で、議事を進めていた私から再度、年長者としての意見をお願いしますとしたところ「長い間、私達女性団体が、望んできたことが、今日これで決まることは、大変に喜ばしいことです」と話があり、全員からの大拍手が起こり、その場で一宮市のレジ袋有料化が決まりました。

 その結果、レジ袋辞退率は、最初から95%程度が出て、以後も大きな変化なし。現在の国内平均7割程度は、事前の準備が、足りない結果だと思います。

2.ゴミ(一般廃棄物)の削減。

 レジ袋有料化を実施する前、一宮市の焼却施設は、24時間365日3機のうち2機ある炉に投入しても、ごみピット(ゴミを回収するパッカー車が、ゴミを入れる場所)が、上限近く迄来ていました。 当然、焼却灰は、毎日大量に出るため、それは何処かに留置が必要です。

 一宮市の場合、138タワー周辺の木曽川河川敷(2重堤の外側)に、置いています。その設置も、限界が近くなっており、ごみ減量は早期に行う必要がありました。この場所は、旧市街(市役所近隣の最初の一宮市)の水源地で、木曽川の伏流水を、市の井戸で使っています。もし、焼却灰から染み出した汚染物質が土中に入ると、永遠に取り返しのつかないものになります。 当時の県技術職高官(10年以上前に退官)の話では、私が過去に設計しました。ここから汚染物質が染み出すことはないと思います。 一方、今後の技術進展で、焼却灰を何かに転用できる処理技術ができるまでの、仮置き場だと思ってください。とのことでした。

 レジ袋有料化後、炉は時期により1機の操業になり、ごみピットは、底部分が見えるほど減っています。 一方、一時的に減った状態からのリバウンドもほとんど無く、10年近く経過した今も同じだろうと思います。 今は、県が作った東海市のアセック(各市の焼却灰を入れる施設)ができて、今後も留置に一定の目処はついています。

 3.レジ袋有料化の差額

 当時、レジ袋の有料にしても、実際の金額とは差があり、その収益金は、会社により市に寄付をする形を取っていました。 初年度、ユニー6店から60万円近くのお金が入ったものの、市役所がちょうど利用できる対象がなく、困ったときに 七夕まつりの際に、水をまく。ついては、柄杓と桶、ハッピで全額使うと言い出しました。 いくらどうでもいい加減にしろとなって、私と大喧嘩。 当時のユニー 利益がどんどん上がるほどでもなく苦しんで出している金を、もっとしっかり使わないかと。 もめにもめて、その使途は、最終的に市の意向になりましたが、その後、単年度で使い切る必要の寄付では限界があり、特別会計 一宮市環境保全基金を作成。ここに、各方面の寄付は入り、市が、環境教育予算で必要な場合、予算計上すればいつでも使える仕組みを作りました。

 実際に出来上がると、ユニー各店の袋の販売金額(差額ではない)毎年合計60万円、ジャスコは、意図を聞き、2万円だったものが、10万円、豊田合成などの企業からも、基金への寄付が始まりました。

 同時進行で進んでいた 緑のカーテン。これは、学校教育で、環境教育を進展。 そもそも、板橋区の小学校が、当時の環境大臣 小池百合子氏より表彰を受けた内容を、私が所要で行った日本環境協会で見つけ、その年に、一宮市内の小学校で、4校実施。始めた時期が遅く、問題点は捕捉できたので、翌年、市内61小中学校で、耐震補強工事の関係で出来ないところを除き実施。3年後、全校実施になりました。

 当然、一宮市の金庫にそんな金はなく、県の各部署で関係予算計上の必要性をお願いし、環境省にも、間接的に連絡を取り、確か5億円(うろ覚えです)ぐらいあったような。 県も、各部署で数千万円の予算が付き、一宮市も恩恵を受けることが出来たと思います。

 その予算でも足りない場合も出るので、その際 一宮市環境保全基金が、重要になります。 今は、委員ではないので、知りませんが、何年も前、元職の課長と道で立ち話をした際、本当にあの基金で助かった。と御礼の言葉を伺っています。

4.もとに戻したい方

 レジ袋有料化を、以前に戻したい方は、焼却灰の件を、理解されているかどうか? もし理解の上であれば、焼却灰を、反対されている方のご自宅に、毎週お届けしたほうがいいと思います。当然、徐々にたまり、家を占領していくと思います。その上、何処かに捨てれば、不法投棄で、警察の世話になれます。 一般の皆さんが、徐々に環境に不可を少なくする生活をしていただくためのエントリーでしかないレジ袋有料化。ここで大きな違和感を感じているとしたら、メディアや各地方行政の努力不足です。

 安易に、民意を扇動した、自民党 桜田義孝衆院議員は、少しぐらい調べてから発言したらどうなのか? この程度の内容、地方自治体の環境担当部署で聞けば、即答してくれる内容で、地域により差があるものの、都道府県技術職に聞けば、迷うことなく回答してくれると思う。 あまりに稚拙。しかし、もっとひどいのは、大臣でありながら、ほとんど環境を理解できなかった小泉の息子だろうと思う。だいたい、大臣ポストが欲しい人が成る環境大臣。自民党、もう少しマシなの居ないのか。

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