Bing AIの利用規約のポイントを確認する
Microsoftの検索エンジンBingに搭載されたチャット機能(Bing AI)。
この機能が登場したことでBingを使い始めたなんていう人もいるんじゃないでしょうか。
ということで今回はそんなBing AIの利用条件についてポイントを整理していきます。
BingスレッドエクスペリエンスおよびImage Creatorに関する規約のポイント
まずBing AIの使用条件について、Bing AIという表現ではなく、「Bingのスレッドエクスペリエンス」という表現が行われています。
また、この利用規約は同様にMicrosoftが提供している画像生成AI「Bing Image Creator」にも適用されます。
そしてこれらのサービスを利用する上ではこの利用条件に同意する必要があります。
参加資格と使用要件
利用にはMicrosoftアカウントが必要で、Microsoft Rewardsのユーザーとしてサインインする必要がある(今後不要になる可能性もある)
Microsoftサービス規約とこの利用条件で相違する内容がある場合、この規約の相違する内容が優先される
また、Microsoftのプライバシーに関する声明も適用される
サービス利用にはMicrosoftサービス規約を押さえておく必要性があるとともに、この条件と被るけど違う項目があるかなどを押さえることも必要になりそうです。
スレッドエクスペリエンスの順番待ちリスト
スレッドエクスペリエンスやその他の関連機能は、順番待ちへの追加を申請したユーザーのみが利用でき、追加の権利はMicrosoftが独自の裁量・方法で行うことができる
これは利用を始めたい人はみなさん通った道だと思うので、新たに確認することはなさそうですね。これから使いたいという人は、あくまでもどのタイミングで追加されるかはMicrosoft側が持っているということに納得しておきましょう。
オンラインサービスの使用
オンラインサービス利用時には、オンラインサービス行動規範を遵守する必要があり、サービス利用=利用者は使用条件・行動規範を読み、理解し、遵守することに同意したこととなる。
サービス・作成物は以下を遵守してのみで使用する。
合法的な方法で、すべての適用法令を遵守
本契約、行動規範、Microsoftサービス規約、またはサービスに関連するその他のMicrosoftドキュメントに従う
Microsoftの権利または他の個人もしくは法人の権利を侵害しない、または侵害しようとしない方法
作成物はユーザーごとに一意でない場合がある
反対に複数のユーザーに同一または類似の出力を生成する場合もある
スレッド対話の中には広告が含まれる場合がある
まず規約類を守りましょうというのは前提となります。
その上で、あくまでもAIが生成しているので全く同じものができない可能性もあるし、反対に他の人が似たようなものを入手する可能性もあるのは理解しておきましょうということが大切ですね。
あとはこれは検索エンジンの一部という特性上かもしれませんが、広告が含まれる場合があるというのは他と少し違うかもしれません。
違反
行動規範に対する重大・繰り返しの違反があった場合、各種サービスの利用が停止される可能性がある。
ユーザーは該当するサービスの利用停止に対して、ユーザーインターフェイスから異議申し立てできる。
Microsoftはサービスの利用を恒久的に停止する権利を留保する。
基本規約に違反した利用をしていなければあまり関わりがないかもしれませんが、もし身に覚えなく利用停止された場合でも異議申し立てはできるとのことです。
一時中断およびキャンセル
Microsoftは理由の如何を問わず、一部またはすべてのユーザーに対するサービスの全部または一部の提供・サポートを中断・停止できる権利を留保する。
Microsoftは以下を含むいかなる理由によっても法的要件に従い、いつでも予告なくサービスの使用を制限、停止、終了できる
契約に違反した場合
詐欺・違法行為に従事していると疑われる場合
MicrosoftまたはユーザによってユーザのMicrosoftアカウントが停止または閉鎖された場合
このサービスについてはいつでも予告なくサービス使用の制限等ができるようになっています。ですのでサービスに依存しすぎることによる問題がないかなど確認・整理しておくことが大切です。
Bing Rewardsの利用 - Bing Image Creator
Microsoft RewardsをBing Image Creatorブーストに使うことで、画像生成を迅速に処理できる。
これはMicrosoftサービスの一部であること特有の特徴かもしれませんね。
Microsoft Rewardsというポイントが貯まるシステムみたいなもので溜まったポイントをBing Image Creatorのブーストに利用できるようです!
作成物の使用
本契約、Microsoftサービス規約、コンテンツポリシーの遵守を条件に、オンラインサービス以外の場所で、個人の合法的な非商業目的のために作成物を使用できる。
この条件を見ると「非商業目的」という記載が行われているので、スレッドや画像生成の中で出力された作成物を商用利用はしないように注意した方が良いかもしれません。
コンテンツの所有権
Microsoftは入出力した情報の所有権を主張しない。
ただしユーザーは、サービスを利用しコンテンツを入力することで、Microsoft、関連会社、第三者パートナーに対して、その事業の運営に関連して作成物等を使用する許可を与える。
ユーザーのコンテンツの使用に関してはいかなる対価も支払われない
Micorosoftはユーザーが提供するコンテンツを掲載または利用利用無をおわず、独自の裁量でコンテンツを随時削除できる。
ユーザはコンテンツのすべての権利をユーザが有しているかまたは管理していることを表明し、かつ保証する。
所有権自体はユーザー側にある一方で、割とMicrosoftが自由にできる印象も受けるような利用条件になっています。
これを考えるとあまり重要すぎる情報や、独自の情報などをバンバン投入するのは考えたほうが良いかもしれませんね。
無保証、表明の禁止または免責、ユーザーによる補償
Microsoftがサービスの開発・改善を継続的に行うが、サービスの動作やサービス自体が意図した通りに機能することについていかなる保証も約束もしない。
サービスは娯楽を目的としたもので、エラーが発生しないわけでなく、期待通りに動作せず、不正確な情報を生成する場合がある。
サービスに依存するべきでなく、種類を問わず、アドバイスを目的としてサービスを使用しないこと。
サービスは利用者自身の責任で利用する。
サービスによって作成された素材が、使用できるコンテンツのその後の使用において、第三者の権利を侵害しないことを一切保証・証明しない。
サービスのいかなるコンテンツも、適用法令に従い、第三者の権利に準じて使用する必要がある。
ユーザーはサービスの利用に起因または関連して生じるいかなる請求、損失、および費用からMicrosoft、関連会社、従業員、およびその他すべての代理人を免責し、無害に保つことに同意する。
Microsoft自体がこのサービス群は娯楽が目的であるというのを明確に言っているのが一つ驚きですね。
ただだからこそ、正確性やサービスの安定性については確実でないことをちゃんと理解した上で利用してくださいということも割と強めに言っているようです。
また、Microsoftが責任を負わないことも相当明確に言っているので、利用する側は相応のリスクがあることを理解し、その中で問題ないと判断できるレベル感で使うようにしましょう。
居住地が米国の場合
ユーザーの居住地がアメリカの場合、Microsoftサービス規約第15条に記載されている拘束力のある仲裁と集団訴訟の権利放棄について内容を注意深く読む必要がある。
アメリカに居住している方は追加で注意が必要そうですね。
おわりに
今回はAIが搭載されたことで一気に利用者が増えているのではというBing AIの利用条件のポイントについて整理してきました。
個人的には他のAIサービス以上にこれらの条件をしっかり確認してリスク管理しておかないと、後々結構責任の話でごたつきそうな印象があります。
参考情報
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