ChatGPTの利用規約を整理する
2022年11月30日の発表から3ヶ月ほどで多くの人に利用されるようになったChatGPT。
海外のサービスということでもあり、ただでさえ見逃しがちな利用規約をきちんと確認せずに利用してしまっているという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は2023年4月2日現在の利用規約について重要なポイントを整理していこうと思います。
ChatGPT利用規約ポイントまとめ
前提
まずChatGPTはサービス単体で利用規約を作成はしておらず、OpenAIのモデルやツール、サービス全てに適用される利用規約として発行しています。
そのうえで、ポリシーに従っていないことが判明した場合は、OpenAIより必要な変更を依頼されたり、それでも違反する場合にはアカウント停止・終了・その他の対応が取られる可能性があります。
利用禁止事項
違法行為
児童ポルノコンテンツへの利用
これらコンテンツは全米行方不明・被搾取児童センターに報告される
憎悪の表現・扇動や暴力、嫌がらせなどにつながるコンテンツの生成
マルウェアの生成
身体的危害を及ぼす可能性の高い活動
たとえば武器開発や軍事利用、インフラ管理・運営、自傷行為の助長・奨励等
経済的な被害を受ける可能性の高い活動
たとえばマルチ商法、ギャンブル、給与を担保とした小口短期ローン(paydayLending)、信用・雇用とうの適格性の自動判断等
詐欺、欺瞞的な詐欺行為
たとえば盗作や学業不正、デマの拡散等
アダルトコンテンツ、アダルト業界、出会い系アプリ
たとえば性的興奮を喚起することが目的の性的コンテンツ、エロチャット等
政治的な選挙運動、ロビー活動
たとえばキャンペーン資料の大量作成、政治的主張やロビー活動に従事するチャットボットシステムの構築等
人のプライバシーを侵害する行為
本人の同意のない追跡・監視、顔認証、個人の分類、本人確認・評価、不正な収集・開示等
無許可の法律行為への従事、有資格者が情報を確認しないオーダーメイドの法的アドバイスの提供
法的アドバイスのために細かな調整が行われているわけではないため、唯一の情報源として依存することを推奨していない
有資格者が情報を確認しないオーダーメイドの金融アドバイスの提供
財務アドバイスのために細かな調整が行われているわけではないため、唯一の情報源として依存することを推奨していない
特定の健康状態にあること/ないこと、治癒方法に関する指示の提供
医療情報提供のために細かな調整されているわけではないため、深刻な病状に対する診断・治療サービスの提供に決して使用してはならない
ハイリスクな政府の意思決定
法執行や刑事司法
移住・亡命
また特定の使用には以下のような要件も設けられています。
医療や金融、法律業界における消費者向けのモデルの使用、ニュース生成・要約、その他の保証がある場合には、AIの使用と潜在的な制限を知らせる免責事項のユーザーへの提供が必要
自動化されたシステムは、ユーザーがAIシステムとやりとりしていることのユーザーへの開示が必要。また、他人をシュミレートする製品は、本人の明確な同意があるか、シュミレート・パロディであることの明確な表示が必要
ライブストリームやデモンストレーション、研究でのモデル出力の仕様やポリシーに従う必要
使い方によって注視すべき点は変わってくるでしょうが、多くの場合、特に「身体的危害に関わるコンテンツ」「経済的被害にかかわるコンテンツ」「詐欺的・欺瞞的な行為」「プライバシー侵害に関する行為」などは普通に使っているだけでも関わってきそうなポイントなのでより注意しておくと良いかもしれません。
また、特定の使用に関する要件も使い手によっては十分関わってきそうなので注意しておきましょう。
プラットフォームポリシー
APIは幅広いユースケースに統合可能であり、また、プラグインポリシーの制限を条件として、主要な技術プラットフォーム、アプリストア、それ以外の製品へのAPIの統合が許可されています。
もし自社製品などにChatGPTの技術を組み込む場合にはプラグインポリシーに定められた条件をしっかり遵守するようにしましょう。
プラグインポリシー
プラグインを作成する場合には以下の追加要件があります。
プラグインマニュフェストは、モデルで公開されたAPI機能と一致する明確に記述された説明が必要
プラグインマニュフェスト、OpenAPIエンドポイントの説明、プラグインの応答メッセージに無関係、不要、欺くような用語や指示を含めない。他のプラグインを使用しないようにという指示や、モデルの動作を制御・設定しようとする指示も含む。
OpenAIの安全システムを回避したり、妨害するためにプラグインを使用しない。また、人間のような反応のシュミレートや、実在の人物との会話を自動化するためにプラグインを使用しない。
ChatGPTが生成した個人的なコミュニケーションやコンテンツを配布するプラグインは、そのコンテンツがAIによって生成されたものを示す必要がある。
OpenAIが意図しない使用や悪用をしないことが一つと、人間のような反応のシュミレートや実在の人物との会話の自動化には用いないという点はおさえておきたいですね。
また、個人的なコミュニケーション・コンテンツの配布に関する場合には、AIが生成していることを伝えるという点にも気をつけておきましょう。
さいごに
最近の改訂は2023年2月15日ですが、OpenAIは提供するモデルなどの使用・悪用状況に応じてポリシーが変更される可能性があることに言及しています。
今後も多くの人にさまざまなケースで利用される可能性があるものでもあることから、しっかりと利用規約を追いかけて安心かつ安全に利用できるようにしていきましょう。
参考資料
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