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ヒマワリへ
ボクはヒマワリの一部しか知らない。
彼女は黄色いって言うけれど、鉄格子のついた部屋の中からは見えない。
ボクにとってのヒマワリは、固くて、白黒のシマシマなやつ。
彼女が手渡してくれる、それがボクにとってのヒマワリ。
それを噛み割ると、中から白い柔らかいやつが出てくる。
ちょっと甘くて美味しいやつ。
食べすぎると太るからって、彼女はたまにしかくれないんだ。
いつか彼女の手のひらの上で、頬袋いっぱいに食べたいなぁ。
そんな日を夢見て、ボクはヒマワリへ想いをはせる。
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