【背景美術メイキング vol.1 - 1】「cirque le couer」C03 撮影前美術

画像1 とりあえず先日アップした美術です。撮影時にどういう処理をされるか分かりませんが、現時点ではこんな感じです。この美術のメイキングをしていきます。
画像2 ささき監督があげていた絵コンテ。今回はこの上から2カット目のやつ。尺は1+15(つまり1.5秒ほど)ほとんど尺が無いのであまり描き込まなくてもよさげ?
画像3 監督のレイアウト。キャラクターの位置が明確になったので、その周辺を描きこむ。book指定(簡単に言えば合成時のレイヤー分け)はないけど、手前の街灯はどう見てもbook扱いなので、そこは汲み取りレイヤー構成を検討。
画像4 ということで、事前にbook扱いのものはフォルダ分けをしておく。BGは基本アニメでは一番下の背景絵、bookはキャラの上、ここでレイアウトは監督からもらった資料とかテキトーにつっこむ。ついでに美術監督(これもささき監督)のイメージボードもフォルダ分けでいれておく。sample~というレイヤーは参考写真。
画像5 作業開始。とりあえず下塗り。下絵をベースに各パーツ1色に塗る。基本色。ぬりぬり。
画像6 で、まずは手前の街灯から色塗り開始。基本色の上に、1枚レイヤーを乗せて、ハイライトと陰をそのまま描く。基本僕は標準ブラシで大抵描きます。色塗りしたら、ゆびさきツールで延ばす。ハイライト1色、陰1色。
画像7 このとき、使ったブラシの解説。大体標準ブラシでなんとかなります。ただシェイプとその他の使い分けはきちんとしたほうがいいと思います。あとブラシ周囲のぼかし具合
画像8 ポイントは書いたとおりですが、光の原理を理解していると、大体美術は描けます。物理大事なの。因みに高校の頃物理が得意でした。大学の頃は光の研究もしてたので、得意です。こんなことを思いながら、街灯を描ききります。
画像9 続いて奥にある石壁。まずは石壁そのものの陰をグラデーションで表現。キャラクターが立つ位置を中心にして引いてみます。(因みにレイアウトに光源の指示が無かったので、気合でこのカットの意図を汲み取り影をつけてます。今回そこまで細かい指示がありません。)
画像10 続いて、影を描いていきます。こっちはどちらかというと太陽光からの直接光のイメージ。さっきのは間接光。ここはもう厚塗りです。ぬりぬり。
画像11 全体の雰囲気が決まってきたので、今度は詳細に入ります。石のディテールを少しカキカキ。因みにキャラクターに焦点を当てたいので、意図的にキャラ周辺のディテールを増やし、それ以外の部分は控えめに。この辺は背景美術特有かもしれません。因みに、現時点で描かれている石のエッジ部分は原図(監督からもらった下絵が透過しているだけです)のもの
画像12 続いてある程度詳細を描いたら、次に下絵で透過していた部分のエッジをカキカキ。ここでのポイントは線を描くではなく、あくまで影。ついでに石のディテールも上げていきます。
画像13 これで概ね終了!と思いきや大事な部分を描いてませんでした。道と壁の境界の部分は結構汚れがひどいものです。雨が濡れやすいとか重力の関係とかあるんでしょう。そんな日常の汚れもちゃんと描いてあげないと壁さんの苦労が伝わりません。壁さんいつもお疲れ様です。
画像14 はい、ということで、下絵もはずすと現時点でこんな感じ。1.5秒のカットなので、個人的にこれ以上描きこなくていいかなと判断し、次のパーツへ。長くなるので続きはvol.1-2へ

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