私はこれまでの人生で、非常に影響を受けた方が何人かいらっしゃいます。その中のお一人が、今月初旬に逝去された出井伸之SONY元会長です。私は、2000年にSONYから米国のSONY CORP of AMERICAに赴任したのですが、その赴任のご挨拶の時に、CEO室で出井さんから約20ページの資料を渡されました。この資料は、彼がCEOに就任する前の数年間に渡って、当時のCEOの大賀さんに定期的に渡していたレポートでした。一番古いものは1993年のレポートで、主に、情報通信社会がSONYに与えるインパクト、その時のSONYのあるべき姿、それまでにSONYが行うべき事、2010年のSONYの技術ポートフォリオ等々、多岐に渡っています。これを何故出井さんが私に渡したのかは、ここでは触れませんが、2000年のその時に読んでもインパクトはありましたし、今だからわかる事ですが、1993~4年にGAFAの出現すら予測していました。
私には、引越しの度に整理できずにその中身が少しずつ増えていく箱があります。所謂、捨てられないもの箱です。古くは、藝大入試課題曲のVOGELのコンチェルトの試験前日の録音、入学後のおさらい会、学内演奏会、卒業演奏会のテープ、卒業演奏会でジョリべのコンチェルトを演奏した時のリード、SMEからSONYに出向面談の時のプレゼン資料、赴任先、出張先での写真等々、そしてこの資料です。東京、ニューヨーク、北京、クアラルンプールと持ち歩いています。
久しぶりに、出井さんからいただいた資料を読みながら、献杯をし・・・・、ご冥福をお祈り申し上げます。
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