夏の物理

 間もなく前期(1学期)が終了します。今年度は学習の進み具合に不安を抱いている受験生も多いと思います。
 物理に関しては,夏の間に何をやっておけばいいか,今後の学習について何に注意すべきかを提案します。

 物理の入試問題を解答するための要素は
1 物理の知識
2 日本語の読解力
3 計算力
の3つです。
 1は,教科書の知識で必要十分です。2は,出題者の意図を理解するために重要です。特に,近年は長文の問題が多いので,重要度が上昇しています。理系科目は,最終的には計算力の勝負になります。それが3です。しかし,これは算数レベルの単純な計算力です。

 三要素のうち,最も優先度が高いのは1です。2も,1を前提とする読解力です。そこで,夏の間の到達目標を,教科書をしっかり読み込んで,センター試験の過去問を選択問題もすべて含めて60分で悩まずに満点を取れるレベルに達することに設定しましょう。このレベルに学習が進めば,9月以降の学習を通して,長文の問題に対応する読解力を習得することが可能です。
 3については,自分で問題を解き切るという経験を積むことが必要です。前期の間の復習(予習の段階で解けなかった問題を,改めて自分で解き直してみる)を十分に行うことで自然と養成できます。

 入試まではまだ半年以上あります。慌てる必要はありません。夏の間にやるべきことは,基礎力と計算力を固めることです。

高校生,受験生に物理を教えています。