書いてある通りに読む。

 「(理系のための)読み書きの教室」というシリーズを書いていきます。
 (理系のための)に括弧を付けたのは,文系の人にも参考になると思うからです。理系・文系関係なく,日本の大学を受験する場合に,最も重要なのは日本語(国語ではなく敢えて日本語と表現します)の能力です。
 僕の出身は物理学科ですが,慶應大学の法科大学院も修了しているので(司法試験は諦めてしまいましたが,1単位も落とさずに修了できました),日本語の読み書きはそれなりに正確にできると自負しています。高校生・受験生の方にも有効なアドバイスが可能だと思います。
 今回は,その1回目です。

 試験(に限らず)では,まずは問題文・設問の意図を精確に把握することが重要です。その際に,重要なことは自分の先入観を排除して,書いてあることをそのままに読み取ることです。これは易しいことではありません。理解できない部分があると,自分で補って読んでしまいます。しかし,これは決してやってはいけないことです。
 必要に応じて,図を描いたり,表にまとめたり,フローチャートを作って,文章の趣旨を整理しましょう。文章の内容を視覚化することにより,正確な理解を促してくれます。
 視覚化することも容易ではありませんが,一読して分からなければ,繰り返し読み直すことが必要です。その際に,単に文字列を目で追うのではなく,図式化しながら読み進めるとよいでしょう。

 次回以降は,例題も交えて,より具体的に話を進めていきます。

問 上の文章の趣旨を50字以内でまとめてみましょう。また,100字以内で要約してみましょう。

高校生,受験生に物理を教えています。