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今でもハッピーセットな彼

当時いた3人組のことを
周りはハッピーセットと呼んだ
そんなハッピーセットの中のポテトな彼の話

大学一年の終わり頃、私と同じ学科の人たちは、私達を見て「いつも一緒にいて、ハッピーセットじゃん」と言っていた。どうしてその3人で行動しだしたのかよくわからない。いつから仲が良いかとか、そんなこともよく理解してない。気づけば3人で一緒にいたのだ。

そんな中、ポテトの彼とはサークルの会長副会長を共にした。相性は最悪だった。彼のことを頭の中で何度刺したことか…。きっと彼も頭の中で私を何度か絞め殺していると思う。いや、断定できる。それくらい、相性が悪かった。私とポテトの彼(この後からは彼と書く)はハッピーとはかけ離れた関係になった。

ただ、時間の流れとは凄いことで、そんな彼との最低最悪な1年間も今となっては笑って話せる思い出になった。なんなら、今サークル内で一番仲が良いのは、当時最低最悪の関係だった私達だと思う。今でも役員前線で指揮を飛ばす私と、すでに役員を降りて細々と裏方に徹している彼は当時じゃ考えられないようなタッグになった。私が現場にいなくても、「彼さんが顔出してくれてます」と報告を受けるだけで、「じゃあ大丈夫だわ」と思える。心強い存在である。

夏休みを経て、すごく久しぶりにサークルに顔を出した私。一番奥の席に彼の姿を見つけた。軽く声をかけると、もうなんとも嬉しそうな顔をしていた。こんな素直に「嬉しいんですけど」と顔に書かれるとこっちも戻ってきて良かったなと思う。どちらかといえば「後輩たちに会いに帰ろう」と思ってたのに、そんな顔されたら「アンタに会いに来てやったよ」と言いたくなる。

「ずっと仲良しなんだと思っていました。」と
、とある後輩から言われたことがある。“ずっと”ねぇ…。ある意味ずっと仲良しなんだと思う。その中で喧嘩していた日々があって、お互いの嫌なところを時間が解決してくれて…。いや、これは綺麗事だな。仲悪かったわあの頃。

良い話になんかならない、彼とのあの1年間はある意味黒歴史そのもの。でもきっとそれは彼もそう。お互い経験が浅かったという形で完結させておこう。ほら、言うじゃないか。いやよいやよも好きのうちだと。じゃあ彼と付き合えるかって?そりゃあ無理な話だな!

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