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青空を睨んだ

空の青さがこんなにも気に食わないのは
人生史上今年が最初で最後……でありたい

いつも通りAM7時のアラームより少し前に目が覚めた。シャーっとカーテンを開けると眩むほどに鮮やかな青が広がっていた。

「今日も晴れか……」とわたしにしてはめずらしく心の中で残念がった。

それもこれも全部あの新種の感染ウィルスのせいだ。仕事のイベントは尽くキャンセルになり、楽しみなミーティングも通話にての参加、華の新社会人への出端を挫かれてしまったのだ。

晴れているのに自粛……。こんなにもキラキラと外の世界は輝いていて、わたしを招いているというのに。

あの公園だって、ここのイベントだって、あそこのカフェだって行きたかったのに……。

晴れた日を憎く思うなんて贅沢なことだってわかってる。でもどうせ家から出られないのならば、雨でもよかった……と思ってしまうのはわたしのわがままだ。

自粛自粛と言われているが、晴れた日は散歩も兼ねて外に出ている。口元にマスクをへばりつけて、すっぴんに部屋着。家の近くにあるGEOにふらり。

ずっと部屋にいるし、時間も山ほどあるし、読んだことのない諦めていた長編漫画を読んでやろうと息巻いて、結局借りたのは20巻にも満たない漫画たち。そして、今まで手をつけていなかった映画DVDだった。

不要不急かと言われると、ごめんなさい。全然急ぎではありません。ただ、わたしは深刻な活字不足であり、音が枯渇している状態なの。これが続くとわたしの感性の泉が枯れて……。なんてね。

外に長時間滞在できないこのご時世。晴れも雨も関係ない部屋に戻り、惰眠を貪り、活発な四肢を投げ出し、脳を微睡ませるのにはまだわたしは若すぎる。

吸収して吐き出しての行為がどれだけ大切なものだったのか、時間だけの自由がどれだけ苦しいものなのか、今回はよく感じることができた。

来月からは本当に元通りなんて期待はしていないけど、できる限りの対策と安定は欲しいなぁなんて、青空を睨みながら今日も思った。

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