寝る前 お題 SF・ロマンス 朝

    、目の前に好きな人がいる所から始まる。彼女はとても透明な肌をしていて、僕を上から見つめている。この生活が始まって1週間、僕はとても混乱している。好きな人が目の前にいる。しかし彼女は僕を分かっていない。嬉しく思うと共に、涙がこみあげてくる。ぐっとこらえ、「おはよう、」そう言って今日が始まる。彼女がいなくなってしまうと思って。気持ちも事実も伝えないまま。どうやら嬉しそうだ。朝のニュースでK-POPでも流れたのだろうか。しかしまずは自分の事をせねば。


「おはよう。」彼に話しかけた。どうやら少しは寝れた様だ。情緒不安定だからな。明るい曲でも流さないと。K-POP、フフン…分からんっ!しかし流れると彼の口角が少し上がる。好きなのかな? とにかく顔色が悪いままではいけないだろう。余計に感覚が鋭くなる。そして私がこの場から逃げられない事も知られてはいけない。移動が出来ない今、私はこの家で過ごすしかない、彼に悟られず。ここから出てやり残した事をやるのだ。成仏のその日まで。


『生きたいと願うまで』

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