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七色のポエジー(書きとめておきたい古今東西の詩句)
第301回 洛に赴く(陸機)
清露墜素輝 明月一何朗 撫枕不能寝 振衣独長想
(清露には素輝の墜ち 明月は一に何ぞ朗かなる
枕を撫して寝(い)ぬる能わず 衣を振いて独り長く想ふ)
※ 素輝は白い光
六朝時代の詩人、陸機(りくき、字は士衡、261~303)の「赴洛(洛に赴(おもむ)く)道中作二首」の最後の4句。陸は江南出身、晋の武帝の時代に仕官して洛陽に入った。長い道中の間、眠れない夜は遠ざかる郷里に思いを馳せる。
陸は父や兄とともに呉に仕えていた。280年、西晋が呉を攻め、兄弟は戦死し、呉は滅亡する。その後10年間、陸機は隠遁し、勉学に励んだ。その間に呉の滅亡を主題に『弁亡論』を書く。
289年、陸は晋朝から招聘され、入朝した。歴代の皇帝から重用されたが、内乱に巻き込まれ、最後は刑死する。
陸は六朝時代を代表する文学者であり、中国文学理論を述べた『文賦』は名作として名高い。
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