私選 #315な本 神速一魂編

今回は神速一魂です!

★神速一魂
  あの……お二人は「HiGH&LOW THE WORST」あたりに出演されてませんでしたか?
  鳳仙のスキンヘッドにコンビ技をお見舞い……してない? あらそう……。観たと思ったんだけど……。
  ヤンキーのいる高校についての知識がハイローか髙橋ヒロシ漫画なので、「オウケン高校、ヤンキーが集ってる割に校舎の落書きないし汚い紙くずも散ってなくてキレイだな……」と思ってる節があります。

よく見たら元々あった落書きを消してるっぽい?

  玄武くんが頭になって校内美化が進んだんでしょうか。屋上にソファとか置いてないしな……。

🔴紅井朱雀
16歳???(初見の純粋な驚き)
あっ猫ちゃんいる……
腹巻きから感じる古式ゆかしいヤンキーのにおい。
猫ちゃんいる……
「俺バカだからわかんねぇけどよ、」てセリフが似合いそう。
衣装が一緒に変わる猫ちゃん……
お年寄りに親切にして遅刻しそうになる。満点。
にゃこっていうのか……

松尾由美「ニャン氏の事件簿」(創元推理文庫)

つややかな黒とまぶしい白、やんごとない品種かとも思えたけれど、いっぽうでそのへんの野良猫の中に似たのが見つかりそうな気もした。

松尾由美『ニャン氏の事件簿』創元推理文庫 25頁

配送のアルバイトをしている佐多くんは、休憩をさせてくれた配送先のお屋敷に突然やってきた一匹の猫とその秘書だという男に出会う。実業家のA・ニャンと紹介された猫は、その屋敷で過去に起こった事件を解き明かす……けれども、ニャーニャー鳴いてるのを秘書が通訳してる……? 本当に猫が謎を解決してるのか?

どうしても猫に抗えなかった選書。
四角四面な秘書の丸山さんがニャン氏の通訳部分は語尾が「ニャ」(しかも大真面目)になるのがとてもかわいい。
そしてにゃこが探偵役(朱雀くんが通訳する)の学園もの日常の謎とか観たいな……と思ってしまった。

朱雀くんに似合うというか観たい1冊、というか1編を思いついたので紹介させてください。

一穂ミチ「スモールワールズ」(講談社)

からの1編、「魔王の帰還」の主人公・森山鉄二を朱雀くんでめちゃくちゃ観たい。
素敵なお話だし、コミカライズもされてるのでぜひ……読んでください見てください。

スモールワールズ、2021年に読んだ本の中でトップクラスに好きなのでねじ込みました。すみません。


🔵黒野玄武
「どくヤン!」で見た!!!(幻覚)

ポプマスで出会った時にも同じこと言ってる。

え、17歳???(初見の純粋な驚き)
イラストによって目の下に入る影が年齢不詳に拍車をかけている節があると思う。
分厚い本を読むのがお好きですか? なるほど、なるほど……。

七河迦南「七つの海を照らす星」(創元推理文庫)

「あの、海王さんてどんな人なんですか?」
わたしは大隈さんの後ろ姿に向かって訊いた。
「大きな人よ」
返ってきたのはその一言だけだった。

七河迦南『七つの海を照らす星』創元推理文庫 22頁

家庭では暮らせない子どもたちの施設・七海学園で起きる不可思議な事件。学園七不思議とはしゃぐ生徒たちを諌めつつ、七海学園の保育士・北沢春菜は児童福祉司・海王の力を借りながら事件の解明のために日々奮闘する。

  玄武くんの生い立ちの話を拝見してどうしても外せなくなってしまった1冊。一癖二癖ある子どもたちのことを「本当にいい子ですね」と称する海王さんの深い洞察力と、子どもたちと率直にぶつかり悩む北沢さんの溌剌さが爽やかで温かい。ミステリとしても本当にデビュー作?と驚く完成度の連作短篇集。

円居挽「さよならよ、こんにちは」(星海社FICTIONS)

本陣達也は踏み台なしで本棚の上段に手が届いた瞬間、自分の成長を実感した。

円居挽『さよならよ、こんにちは』星海社 6頁

母親を喪った復讐のために奈良県にある越天学園に進学した本陣達也。孤立した学園生活を送る彼に4年先輩の瓶賀流は「ドラゴンクエスト」のファミコンソフトを遺していった。その一本が、達也の青春を大きく動かしていく。

  同著者のデビュー作である「ルヴォワール」シリーズの登場人物である御堂達也の前日譚にあたる1冊なのですが、シリーズを読んでなくても単体の青春小説としてたまらない。

  ルヴォワールでは長身の強面の優男と評されていて、最初に玄武くんを見たときに連想したミステリ小説のキャラは彼でした。
  「さよならよ〜」では本に囲まれて知識という力を得ようともがく描写があり、更にオーバーラップするな、と個人的には思います。


おまけで追加1冊。ミステリにこだわらなかったらこれは忘れてはいけなかったなと。

三浦しをん「舟を編む」(光文社文庫)

「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」

三浦しをん『舟を編む』光文社文庫 34頁

神保町の玄武書房に務める馬締光也は、言葉に対する鋭い感覚を買われ、新しく編纂される辞書「大渡海」の編集部に引き抜かれる。軽薄な同僚やベテラン編集者に囲まれ、また自身の恋心と言葉に振り回されながら、馬締は不器用に辞書編集の海に漕ぎ出す。

  「趣味:分厚い本を読む」なら辞書の本!ありますよ名作が! と思い立って読み返したら作中の出版社名が玄武書房でひっくり返ったってわけなのよ。
  玄武くん、言葉を渡る舟を携えて生きる男だと思ってます。
  10年くらい経ったら馬締くんを演じてほしいけど猫ちゃんは共演できないか……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?