私選 #315な本 FRAME編

今回はFRAMEです!


★FRAME
  2020年の10月頃にやってたNHK WORLDの番組で観たのが初対面でした。つまり先にキャストのお三方を観たことになりますね。
  当時はシャニマス目当てに家族と観てて、なんだか優しそうなかっこいいお兄さんたちが一緒に「Spread the Wings!!」をしてくれてるぞ、と第一印象が大変によかったのを覚えてます。
  そして資格の大原あたりとコラボしそうだと思ってたら、想像より更にガチなところとたくさんコラボしててたまげる羽目に。

🔵握野英雄
  TLのフォロワーさんに彼のPがいらしたのでSideMの深みにはまる前からお名前だけは知ってた。そしてそのフォロワーさんの影響で名字呼びをしてしまう。
  顔が怖いと言うけれど、先にポプマスの絵で見てたので言うほど怖いか???と思ってました。

爽やか好青年。あと6th衣装みがある。
恒常Rでなるほどね?目つきのことかなと納得。

  高卒からの警察官でそこそこ働いて転身したのか、大卒からの警察官で早めの転身をしたのか、そこそこ謎ですね。

加藤元浩「捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書」(講談社文庫)

「犯人を捕まえた者が勝ちだ!」

加藤元浩『捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書』講談社文庫 262頁

幼い頃から人の悪意が黒いモヤモヤという形で視える七夕菊乃。大学進学費用のためのアルバイトとしてご当地アイドルになったが、グループの仲間をかばってアイドルを辞めることに。大学卒業後は警察官となり、念願の捜査一課に抜擢される。元アイドルの経歴のせいでお飾り扱いされるが、口の悪い天才捜査官と捜査に協力する心理学者の頭脳戦に巻き込まれながら新人刑事「キック」としての一歩を踏み出す。

  全部入り。「理由あってアイドルから警察官」と因果は逆とはいえ、全部入りすぎて世間に数多ある警察小説の中からこちらを選出。
  著者はもともと「Q.E.D.」などの推理漫画を描いている漫画家なので、画を想像しやすい描写が特徴的。

有栖川有栖「幽霊刑事」(幻冬舎文庫)

やるぞ。俺は幽霊になっても刑事だ。

有栖川有栖『幽霊刑事』幻冬舎文庫 93頁

婚約者との結婚を間近に控えていた刑事・神崎達也。夜の浜辺で上司に呼び出され撃ち殺された彼は成仏できず、1ヶ月後に幽霊となって現世に戻る。家族にも愛する人にも認識してもらえず失意に陥る神崎だが、霊媒体質の後輩刑事・早川篤だけは彼を視認しコミュニケーションがとれることが判明した。かくして幽霊と霊媒の刑事二人は、協力して神崎射殺事件の真相を探り始める。

  握野英雄に演じてほしい刑事No.1。
  幽霊になったと気づいてから誰にも認識してもらえない悲哀が迫るシーンから、唯一自分を視認できる後輩との出会いとコミカルな会話を観たい。早川刑事は木村龍でお願いします。
  ロマンが溢れるラストシーンを握野英雄が演じるのを観たらきっと泣いてしまう。

🔴木村龍
あんまりの(漫画的な)不運体質にそもそもよく無事に試験受けられて消防士になれたね……という気持ちになる。サイスタのホーム画面で出てくるじゃんけん300連敗の話は誰かひとりの人が面白がって長時間付き合ってくれたのか、不特定多数の誰かとじゃんけんするたび敗けを密かにカウントしてたのか少々気になる。

そういえばポプマスのFRAMEはユニットアピールがカッコいいじゃんけんでした。

ポプマスでは全体的に色素薄めな配色で少年ぽく、モバエムの元絵がより健康的なお兄さんに見えたのはいい思い出。
あと初めてサインを見たときのインパクトもすごかったな……。

福田和代「火災調査官」(創元推理文庫)

――あの、見る者の心を吸いつくすような、彩りも様々に語りかける炎を。

福田和代『火災調査官』創元推理文庫 25頁

目黒区の空き家で放火が発生。現場には放火犯の遺留物と思しき天使の絵が残されていた。その事件を皮切りに都内で同じ絵が必ず残される連続放火事件が頻発する。火災の現場を見ただけで火災の一部始終の見当がつく有能な火災調査官・東は、高校時代の部活の先輩で正義感の強いポンプ車小隊長・白木と共に事件の謎を追う。

  警察官が題材の小説はたくさん出版されているものの、これが消防士になるとぐっと数が減ってしまうのがなかなかの悩みどころでした。
   更に315な本を選ぶ際の個人的なコンセプトは「取次会社のコラボである以上、できるだけ新刊書店で手に入る本」だったので、この点でも難儀することに。
 
  そんな中でまず1冊選んだのがこの「火災調査官」。消防士というとどうしても現場で消火と救命活動を担う人達をメインに思い浮かべるけど(木村龍くんもそうだし)、火災の原因やどう燃え拡がったかを調査する担当の人もいるんだということを知れる小説でした。なお実際には「火災調査官」という役職はなく(ドラマのタイトルにはある)、あくまで火災調査の担当になるとのこと。

市川憂人「グラスバードは還らない」(創元推理文庫)

「……あんた、あたしを天変地異か何かと思ってない?」

市川憂人『グラスバードは還らない』東京創元社 60頁

希少動物の密売ルートを追うマリア・ソールズベリーと九条漣の刑事コンビ。捜査線上に不動産王であるヒュー・サンドフォードの名が上がり、彼の居城がある72階建て高層ビルに潜入捜査を試みるが、潜入の途中で爆破テロに巻き込まれる。ビル炎上の緊迫したシーンと、ビル内の密室状態の区画で科学者たちが次々と殺されていくサスペンスシーンが交互に語られ、パニックアクションとミステリが融合するシリーズ3作目。

  柏木翼くんに似合う本の追加分で紹介しました、架空の80年代アメリカを舞台にした「ジェリーフィッシュは凍らない」のシリーズ3作目となる1冊。
  「ジェリーフィッシュ〜」と同じく架空の科学技術が盛り込まれたミステリも面白いのですが、今作は特に爆破テロによるビル炎上からの脱出シーンの印象が個人的に強く、おすすめに選出。


この2冊を選んでリストにした数日後に、書店の文庫新刊棚で「これは!!」と思う本に出会ったので、追加で紹介します。

長岡弘樹「119」(文春文庫)

消防官の返事は常に「よし」と決まっているのです、と説明した。

長岡弘樹『119』文春文庫 17頁

和佐見市という架空の市にある、消防署漆間分署の署員たちを巡る9つの物語。ヒーローとしての側面というより、消防という仕事に向き合う人間の心の動きや悩みを、各人が抱えているものを浮かび上がらせてくる連作短編集。

  消防士ものの小説として今一番入手しやすい1冊。    引用したような消防士の業界ならではの小ネタも色々含まれていたり、二十歳同士の署員が「誕生日は俺のほうが先だから先輩だ」という和むやり取りもあったり。
  文庫の解説には他の消防士ものの作品の紹介もあるので、関連作品を読みたい方も是非。


🟡信玄誠司
はじめに眼鏡のお兄さん(キャストのほう)を観たものだから立ち絵の筋肉にビックリしてしまった。いい体すぎる。絶対Tarzan的な雑誌の表紙にちょいちょい写ってる。
お家にちゃぶ台があるってことはデカい人があぐらかいてご飯食べてるのか……いいな……。

深緑野分「戦場のコックたち」(創元推理文庫)

僕らの任務は、隊員に糧食を配り、食材と時間と場所に余裕があるときは調理をし、食中毒にならないよう衛生指導しつつ、仲間たちの胃袋を管理すること。

深緑野分『戦場のコックたち』創元推理文庫 26頁

生来の食いしん坊で祖母のレシピを見るのが好きなティム(キッド)は同じ部隊のエドに誘われ、アメリカ合衆国の特技兵(コック兵)に志願する。軍隊内におけるコック兵の評価は低いものだったが、個性的な仲間たちと共に戦闘に参加しながら炊事もこなすハードな戦場生活を送る。そんなティムの心の慰めは、戦場という非日常におけるささやかな「日常の謎」をエドと共に解き明かすことだった。

  自衛隊が舞台の本がね、更に輪をかけてないんですよ……。
  というわけで軍隊における後方支援、特技兵の物語を1冊選出。全体を通して戦争の辛さがしっかりと重苦しく描かれている中で、キッドたち青年兵の会話や食べ物の描写、非日常の中での日常の謎の解明が小さな灯りのように照らしてくれる。

古処誠二「アンノウン」(文春文庫)

確かに自衛隊のカレーのうまさは尋常ではなかった。

古処誠二『アンノウン』文春文庫 138頁

静岡県の自衛隊レーダー基地。その隊長室の電話機に仕掛けられた盗聴器を巡るミステリ。元不良で高校中退の隊員・野上三曹と、盗聴器事件の調査のため中央から派遣された防衛部調査班・朝香三尉はタッグを組んで犯人を追う。

  自衛隊ものでぱっと思いついたのだけど、選んだ時点でどうも品切だった1冊。厳密には航空自衛隊の話だけれども、自衛隊ならではの独特な価値観や隊員の日常、周辺の住民との軋轢や苦悩も含めて全体的にユーモラスに描かれている。20年以上前の作品だけど、自衛隊ものとして貴重な小説だと思う。

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