夢の中 茶色の夢

明け方長い夢を見ていた


駄菓子屋とコンビニがくっついたような、ガラガラと音を立てて扉が手動で横に開くタイプの木造の古めかしい店の真ん中あたりにレジがある作りの店長含めて店員3人でやりくりしている商店の中。


店長はいい歳のオジサンで、店員はぼくの他にもう一人20代後半くらいの青年。


ド田舎の店らしくこの店以外に周辺に日常な買い物をする場所がなく、割と繁盛?している。


大半は年寄りか駄菓子を買いに来る子どもたち。あと、何故か群れをなして日用品を買いに来るおしゃべりなオバサン軍団。


子どもたちに駄菓子を売ったあと、世間話をしながら店の商品の補充をしたり、掃除をしていると夕方、一人の馴染みの茶色の羽織に着物を着た渋い年寄りが、〇〇さんの家に行くからと、店で一番きちんと包装された茶菓子を欲しいから、適当に選んで売ってくれと言ってきた。


大事な人に会うなら自分で選べばいいのに、と思いながら、ぼくは「煎餅がいいですかねー?それとも甘いものが先方はお好みで?」と8個入りと16個入りの最中の箱をのぞき、爺さんに尋ねながら選んでいた。


その客は緑内障で目が悪いから、代わりに選んであげよう、と店長ともう一人の店員もやってきて皆んなで選んだ。

その時他に客もいなくて皆んな他にすることも無く、つまりは暇だったのだ。

店の外では店先に茶色いベンチと適当にペンキを塗られた(子どもたちが塗るのを手伝ったため色々な色が混ざっている)ガーデンテーブルがあり、客がひと息つく為に用意されている。

放課後の子どもたちが駄菓子を交換したり、カードゲームに興じている声がしていた。早い時間にはじいさんたちがタバコをふかしながら囲碁や将棋で暇つぶしをしている場所だ。


店の中の少し奥まった辛うじてホコリをはたいてあるような棚で、ぼくらは懸命に馴染みの爺さんのために茶菓子を選んでいる。


ようやく決まりかけた瞬間に目が覚めた。


あの爺さん、結局何を選んだんだろうな?


(終わり)






公的サポートは受けられるほど重病でないものの、フルお勤め仕事ができない半病人の身、サポートしていただけるとマジでありがたいです。