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再・住所不定無職日記 1日目

先に言うと、正確には「まだ」住所不定無職ではない。有給消化により一ヶ月は会社在籍扱いだし、家賃光熱費日用品Wi-Fi込み3.5万の激安シェアハウスに荷物は預け、住民票は5キロ離れた友人宅に移した。つまり今ニュースになるような目立つ死に方をしても、「会社員」と出るはずだ。
そんな不穏な心配をするのは、昨日23時に最終出勤日として仕事を納め、たった今空港に向かっているからだ。帰りの日付けも決めてない。とりあえず友人のいるマニラに向かっている。
フィリピンは入国に帰りの飛行機が必要だから、その後どこに行くか決めないといけない。だけど、もうそんな余裕の無い、怒涛の数日だったので、ネットで誰かが言ってた飛行機のチケット予約に見せかけた証明を10ドルで作ってくれるサイトでとにかく適当に偽造旅券を作った。
始発の電車で空港に着いたら7時半の飛行機で国内乗り換え地点に向かう。昨日の昼にファミマのツイストドーナツとクッキー食べてから何にも食べてないから、まず飛行機着いたら飯食いたい。あと風呂入りたいから乗り換え空港の近所の銭湯を探してる。
その前にMacBook重くて持ち込み断念して、9000円で買った中古のfireタブレットに接続できるBluetoothキーボード欲しい。
夕方にはマニラだ。どこか知らんけど1500円のホテル取った。友達に勧められた配車アプリ入れないと。
他にもやることはいっぱいあるけど、怒涛の仕事納めで残してきた編集データのゴミカスぶりに後任が泣くのではないかと心配だし、まとめて有給消化したい私VS在職中消化じゃなきゃ有給抹消するとかいう謎理論で揉めた上司が、23時近くにバタバタ去ってく様子見て割と明るく見送ってくれてどうしてかほっとした(厄介払いできて嬉しいだけかもだけど)ことが、頭の中を駆け巡る。そして初期化する時間のなかったあのパソコンの履歴とデータを同僚が早急に消してくれることを切実に祈る。
一年半しかいないのに最後は先輩から花をもらったし、明るく辞めることができた。明るく辞められなかった頃の自分を思うと、これはすごい進歩だ。朝礼でいただいた花は残業してる間に全部萎れ、帰る頃にはぐったりしてた。

一年半前に就職したときのこのnoteの記事読み直して笑った。内定もらっては蹴ってを繰り返す転職モンスターが、未経験転職の技術試験でトラブって他社から落とされそうになってる最中にこの会社の内定を得たのだった。こうして中途半端に働いて辞めるなら、結局はタチの悪い内定辞退だよなと、虚しく思ってる。
というか、内定もらった頃はマジの住所不定でホステルで住み込んでて働きながら働いていた。
今日までどれだけの人が遠くに行くのを見送ってきては、どうしようかと悩んできたろう。

全然先のこと決まってないけど、こんな不安定な今に安心してる。
いつ帰るとも知れず何がいるかも考えられず徹夜で詰め込んだバックパックは4キロしかなかった。
書きながら搭乗ゲートまできた。40分後離陸だ。



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