セレスについての一考察

セレスは火星(個人意識)と木星(社会意識)の間の小惑星帯に位置する準惑星。

セレスはギリシャ神話の豊穣の女神・デメテルに当たり、デメテルは愛娘ペルセポネが冥府の王ハデスに連れ去られた際に、世界中の穀物を枯らして人類のみならず神々をも破滅寸前まで追い込んだエピソードで知られている。

セレスの一般的なキーワードは「母性」、「豊穣」。

火星(個人意識)と木星(社会意識)を繋ぐ意識を小惑星帯が意味するのならば、セレスは「目の前にいる他者も誰かにとってのペルセポネかもしれない」という意識かもしれない。

火星は男性的なエネルギーで、ある種、自己の外側へ向かう攻撃性とも言える。依存から抜け出すためにはこの火星の男性的エネルギーを利用して自立する必要があり、他者と競争しそれに勝つことで自己を証明するというのもその方法の一つだ。競争・闘争は火星の領分であり、当然、その闘争には勝ち負けがある。

負ければ、敗者は傷付くだろう。

火星は個人意識であるから、相手が負けようが傷付こうが関係ない。

「戦って自分という存在を証明する」「自立する」ことが重要であって、その意識は他者には向けられない。個人的なものだ。

そんな個人意識の火星から社会意識の木星へ意識を成長させるのがセレスならば、それは

「自分がそうであるように、他者も誰かに深く愛されている」

という気付きかもしれない。

戦場で兵士が敵と遭遇したとき、兵士は故郷のため、愛する家族のために敵を討ち滅ぼさんとするだろう。

しかしその敵にも愛すべき家族がいて、その人の帰りを祈っているのは間違いない。

そこでようやく、自己意識は鏡を覗き見るようにして他人の中に自己を見つけ、他者を尊重する意識を持つのではないだろうか。

聖書に「隣人を自分のように愛せよ」とある通り、セレスは「他者も自分と同様に尊い存在であり、愛される存在である」と気付かせ、他人を鏡に映った自分のように見させることで意識の矛先を自己から他者へと広げる役割を担っているのかもしれない。





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