かつて幸運が訪れた家

この家は私たちが住み始めるより前にツバメが巣を作っていた。
それはとても幸先のいいことのように思えたし、フンで玄関が汚れても何も気にしなかったものだ。
実際に幸運にあったのかはわからない。辛いこともたくさんあったし、本当の幸せは何かもわからない。
ただ今もこの家で暮らせていることは幸運なことなのかもしれない。
数年前の大雨で一度巣が崩れてから、ツバメはこの家を訪れなくなった。
幸せでなくなったかというと、必ずしもそうとは言わない。
この家では相変わらずヒトとネコとインコが暮らしている。
またツバメもくるといい。