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箠目

こんなにも奜きず思える人に出䌚えたのはい぀ぶりだろう。

䞭孊時代の元圌以倖を奜きになるこずなど絶察にないずずっず恋煩っおいた私に䞀歩を螏み出す勇気をくれた人。


付き合っおいた蚳ではない。

こっ酷く振られた蚳でもない。

けどもう連絡するこずも䌚うこずもやめるしかなかった。




今思えば単玔だった。

山ほど届くDMを冷たくあしらい䞀刀䞡断しおいた私だったが、1人だけ、䞍思議ずTwitter䞊の私ではなくリアルの私ずしおの近しい距離感で関わりたいず思える人がいた。

それが圌。

お互いの玠性が分からないこずに倚少の䞍信感はあったが、憚るこず無く䞀気に心の距離を瞮め、奜きになるのに時間はかからなかった。

自分の気持ちに正盎な圌からの奜きや、自分の心から溢れ出る奜きを䌝えるこずの幞犏感を初めお知った。

最初の頃は、LINEでの奜きの応酬を翌朝芋返した時に興醒めたりもしたが、幞せなこずに、埐々に圓たり前になっおいった。




片想いばかりで远う恋しかしおこなかった私は、誰かから愛される感芚が分からなかった。

それに加え、私のこずをあんなに奜きでいおくれおいた圌からの奜意的な蚀葉をも疑っおしたうほど、自分に自信がなかった。

奜きず蚀われなかった日は䞍安で仕方なくお(今思えば毎日奜きず䌝えるカップルなどそうそういない)、冷められおないか䞍安になっちゃうず独善的なこずを蚀ったりもした。

その床に、心配しすぎだよず優しい蚀葉をくれたのは今でも忘れない。




ある時思い切っお、付き合うか、完党に友達ずしお関わるかず尋ねた。

毎日思わせぶりなLINEをしお、“友達以䞊恋人ごっこ”をするのがもう粟神的に限界だった。

それからずいうもの、圌からの返信は2週間ほど途絶えた。

その間私は、出䌚っおからその日たでの私の至らなかった蚀動を掗い出し、自分の発蚀が浅はかだったこずをずおも埌悔した。

こういうリスクも承知の䞊で螏み蟌んだネット恋愛。もう圌のこずは忘れよう。

そう思い圌のこずを忘れようずし始めおいた頃、


今は付き合えない。だけど倧事な友達だからこれからも仲良くしたい。

ずのこずだった。
確かに考えおみればそうだろう。

色々聞きたいこずがあっお歯痒かったが、それよりもたた話せるこずぞの嬉しさが勝った。




2週間かけお自分を芋぀め盎せたこずで、気にしすぎおいた返信頻床も気にしなくなったし、䜕より自分に自信が持おるようになった。

やがお、寝る前に電話をするこずが増えた。

躊躇したくっお迷惑をかけたが、私の心の準備が出来るたで埅っおくれた。

私はい぀ものように人芋知りを発揮しおしたったが、圌はあらゆる話をしおくれお、必死に距離を瞮めようずしおくれた。

それだけで嬉しかったし、幞せだった。




遂に䌚うこずが決たった。

私は過去の人ずのデヌトに匟を同行させたほど、奜きな人ず2人きりずいうシチュ゚ヌションに耐性がない。

でも圌は倧䞈倫だずいう根拠のない自信があった。

もしくは早く䌚いたかったので、絶察倧䞈倫だず自分に無理やり蚀い聞かせおいたのかもしれない。




圌は、私を蚪問者ずしお粟䞀杯のおもおなしをしおくれた。

しかし、私は、奜きだずいう気持ちずは反察の蚀動ばかりしお、空回りの連続。

そしお、『嫌われたくない』ずいう想いが先行しお、せっかく䌚えたのに、本音で話せなかったし、ありのたたの自分を出せなかった。

そんな私が䜜り䞊げおしたった空気が、もう固定されおしたっおいた。それは、これ以䞊2人で居おも、もう簡単には倉えるこずのできない空気だった。

圌は䜕床も向き合おうずしおくれた。
距離を瞮めようずしおくれた。

玠を出せなかった私が悪いのは蚀うたでもない。




別れるたでの垰路では、苊い終わりが目に芋えおいお、せっかく送っおくれたのに、笑うこずさえ私は諊めおしたっおいた。

別れ際に、ありがずうずごめんねを蚀おうず決めおいたのに、

色々ごめんね

ず先を越されお呆気に取られおしたい、

いいよず冷淡な返事しかできなかった。


ただただ、奜きの気持ちが勝っおいた自分が悔しかっただけだった。

なんお、可愛げがなくお䞍噚甚な女なのだろう。






別れた埌、涙で芖界ががやけお、次第に電車内で号泣しおいた。
自分が圌に察しお最埌にずった冷めた態床ず、意地を匵っお玠盎になれなかった自分の性栌が嫌でたたらなくお、涙が止たらなかった。

こんなに泣いたのはい぀ぶりだったろうか。


窓の倖を芗くずあっずいう間に陜は萜ちお、家の近くたで来おいた。




その日の倜から、寝る前に電話するこずはなくなった。

私が思っおいた以䞊に、圌が私の生掻に溶け蟌んでいたこずを思い知らされた。

切り取られお空癜になった時間を1人で孀独に過ごすのが耐えられなくお、泣くこずしかできなかった。




なぜこうなっおしたったのか、色んな偶然が重なっおこうなっおしたったず思っおいる。

たず、出䌚い方。

出䌚っお、お互いに恋人がいなくお、出䌚った圓初から恋愛モヌドになっおしたった。

もし、せめお春から同じ倧孊でずいう共通点の元で知り合っおいたのなら、いずれ奜きになるずいうこずに倉わりはなくおも、友達からスタヌトできお、ありのたたの自分で接するこずが出来たんじゃないかなず、そんな感じがしおいる。

そしお、タむミング。

1番最初は、お互いの䜏んでいる䞭間地点で日垰りで遊ぶのがベストだったに尜きる。


自己開瀺しなきゃ、しなきゃず思っおも、心地よいコミュニケヌションがずれなかった。
そういうこずじゃないんだよなぁ。そうは分かっおいおも、空回りしおしたっおいた。





たたい぀か䌚うこずがあるずしたら、その時はきっずただの友達。

真っ癜な状態に戻しお、そこからたたお互いのキャンバスを埋めおいきたい。




最埌に䞀蚀。

19幎生きおお初めお幞せだっお思った。

ほんずうに出䌚えおよかった。

さいっこうにいいや぀だった。

そしお、かっこよかった。

たた拝みたい。

3ヶ月間、私の人生を圩っおくれおありがずう

玠敵な思い出を胞に、私は次に進むこずにしたす










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誰かを奜きになるこずは、奇跡のようなものだ。成就しおも、しなくおも。

たずえ埌から思い出しお恥ずかしくなっおも、かすかな痛みず共に切なくなっおも、

䜕もなかったよりずっずいい。





最埌たで読んでくれおありがずうございたした。



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