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武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第8回 大橋 磨州さん 7月6日

7月6日、CL特論Ⅱの授業では、アメ横で「呑める魚屋・魚草(うおくさ) 」を営んでいる大橋 磨州さんを迎えました。
大学院で文化人類学を専攻していた大橋さんは、15年前の年末、修士論文の「フィールドワーク」のために、アメ横の鮮魚店でアルバイトをしていました。歳末販売でビールケースのお立ち台に乗って叫ぶ売り子のパフォーマンス、ものとカネが文字通り飛び交う異様な空間に衝撃を受け、1年後にはそのまま就職してプレイヤーになっていました。そして、6年の勤務経験を凝らし、独自の考えを込めて「呑める魚屋」というコンセプトで2013年にアメ横に戻り「魚草」をオープンしました。

「それぞれの居場所を見つけるところ」ーー自身のビジネスの存在意義、営む意味
「1000円、1000円、今だけ1000円! !」と色んなお店が並んでいる中で、人を呼び、人と繋がる風景がアメ横独自の風景になり魅力を感じました。誰でも簡単にできる仕事ではあるが、働いている人たちも、そこにいくお客さんたちも、それぞれの人生を抱えながらアメ横に集まりました。
この独自の雰囲気が作られた理由は、誰でもそこで働きたい・いたいと思えば、主役になることができる場が自然とできる仕組みだと大橋さんの話でわかりました。つまり、あそこで自分なりの居場所が見つかります。
特に大橋さんのような働く人にとっては、魚を捌くことが好きとか水産について詳しいというわけではありません。自身をその場に投げ込んで、その場の一部分になる同時に場の雰囲気を楽しむことが大切です。

それぞれの店とそれぞれの人が繋がってアメ横を魅力的な地域にさせました。地域文化を広げることは本来の狙いではありませんが、地域と人を分けることもできません。

地域に身を投げ、自分自身を生きることで地域をつくります。この相互作用によって、一人一人自分の生きがいを感じ、それぞれの居場所を見つけます。こういう願いは、大橋さん自身のビジネスの存在意義と営む意味ではないかと感じました。

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