武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第3回 平井俊旭さん 6月1日

あという間に6月に入り、武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第3回の授業で、雨上株式會社の平井俊旭さんのお話を伺いました。

平井さんは、1993年に武蔵野美術大学 空間演出デザイ ン学科を卒業し、1インテリア設計事務所SUPER POTATOを経て、 株式会社Smilesに入社、スープの専門店「スープ ストック トーキョー」のアートディレクションを担当し、事業の創業期からブランディングに携わって来た後、2014年に雨上株式會社設立しました。

地域で培って来たその場所独自の価値を見出し、今の時代に応じた新しい地域の循環の仕組を、デザインディレクションを通じて創造してゆきます

雨上株式會社はこういう理念を元に、
1.地域ブランディング
2.商品開発ディレクション及びデザイン
3.コンペの企画書制作
4.イベントやツアーの企画、サポート
5.コミュニティー形成サポート
幅広く事業を取り込んでいます。

ブランディングとは

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多岐にわたるプロジェクトの中、例として挙げられた高島市のブランディングの実施にあたって、重視されるポイントは5つあるそうです。

① 小さく、数多く続ける
② 地域住民と同じ視点で見て話す
③ 共感のネットワークをつくる
④ 魅力を最大化するために要素を集めて編集する
⑤ いろいろな手段を重ねる

プロジェクトの成功に、最も重要なのは「地域住民の視点」と「共感」です。ユーザの立場に立って考え、その視点で欲しいものを見つかる、こういう努力は必要です。所謂平井さんが言った:作られたものがどうなってしまうのかを考えることが大事だとのことです。作られたものは決してデザイナーの自己満足ではありません。自分もユーザとして、ユーザになって自分が作ったものは本当に欲しいものなのかを考えるんです。

ここでは、聴講した滴滴出行(ディディチューシン)のブランディングを担当する方の話を思い出しました。
話によると、既定ブランドが市場を拡大する際に、無意識かもしれずに「文化傲慢」をしてしまう傾向があるそうです。初めに成功した市場でのブランドイメージをそのまま他の市場に持ち込み、「受け入れるはず」乃至「受け入れなさい」という思いは「文化傲慢」です。つまり、相手の文化を尊重していません。これは、国際ブランディングする時の話だが、国内においても変わりがないと思います。
平井さんのいう通り、ユーザの視点に立たず、地域住民の文化や習慣に耳を塞ぐと、共感を作れるわけがないと深く感じました。



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