或夜

∵第七夜∵

しとしとしと
雨音が静かに響いている

ここ最近暑かった気温もどこへやら
ひんやりとした風が開け放った窓から流れてくる

こんな日にお香を焚いて、ゆるゆると立ち上る煙を眺める
行燈の淡い光がぼうっと辺りを照らす
窓下にはモコモコとした紫陽花が咲き乱れ、
煙は細くたなびいて夜の帳に吸い込まれていく

こんな夜は実に風流だろうなと想像する

残念ながら、アパートの我が家には紫陽花は咲いていないし、お香もアジア雑貨のお店で買ったものしかないのだが、これは結構煙たい香りの方が強いもので、あまりずっと焚いていると喉が痛くなってきてしまう
焚き方がよろしくないのだろうか...

先日、とうとうお香の体験申込をした
前に1度京都旅行の際体験した時は、源氏香を一席という内容で、惜しくも1つ外してしまったが、とても楽しかった

今回予約したのは7月の日程だが今からワクワクしている
何より、今まで1歩踏み出せず予約するという行動に起こせないでいたものを
自分の意思で、その停滞を乗り越えて行動に移すことができた
それが自分を変えていく1歩のような気がしてとても嬉しいのだ

折角気合を入れて予約できたのだから、当日コロナの影響で中止にならないことを切に祈っている

でも、だんだんと世界が元に戻るということは週に5日、毎週毎週毎週...満員電車に詰めこまれてけたたましく電話が鳴り響くオフィスに缶詰にされる日常に戻るということ

会社によってはこのまま働き方改革としてリモート出勤ができる制度が出来上がっていくのかもしれないが、わたしが出向している会社はそうなりそうもない気がする
お偉いさんが年度の挨拶かなにかで働き方改革を進めていきたい、というような旨を話してはいたが...どうだか...といった感じである

現に今、在宅でもできる仕事をわざわざ週に2,3回、メンバーが半分になるようにわざわざ調整してまで出勤させているくらいだ

出勤しないと出来ない仕事があるのは仕方がないし、業務上無くならない部分もあるだろうが...必要な時だけでいいだろうと常々思うのだった...

不謹慎と怒られるかもしれないが、いつか近いうちにコロナが収束していき、元の生活が戻ってくることが恐ろしく思う
勿論これはコロナ禍にあっても変わらない収入があるからこそ言えることだとも重々承知している



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