三ノ香、焚きあがりました
∵第三夜∵
今夜は香りの話をしよう
時は昔高校2年のあくる日、
わたしは【モノノ怪】というアニメに出逢う
オムニバス形式の和製ホラー作品だ
各話和紙のテクスチャなのだが、それぞれ美術テイストが異なるのだ
素性不明な薬売りが、遭遇する怪を解く、というのが話の筋なのだが、
この作品の魅力を文字だけで表す術をわたしは持ち合わせていないのが心苦しい...
ストーリーの麗しさや切なさ、薬売りさんのかっこよさは勿論のこと、とにかくその世界観の虜になってしまうのだ
開花しつつあったわたしのアニメ好きを猛烈に加速させた作品であることは間違いなく、
元来和物好きだったわたしが、更なる和物好きへ導かれるのも想像に難くない
さて、先のアニメの中に、途絶えたと思われていた香道の流派を1人で守る姫の婿選びにあたり、組香を用いて決めることになり、各々が香を聞く描写がある
湯呑みくらいの小さな器に灰を均し、小さな板と香木の欠片を載せて温める
その流れるような仕草たるや
それまで薄墨の如く描かれていた色彩が、
香りを吸い込む度、鮮やかな色彩に染まっていく...なんとも素敵!嗚呼、素敵すぎる!
当時、初めて香道というものを知ったわたしは、感動のあまり習いたい!と思った訳だが
習い事にはお金が掛かるので、自分で稼げるようになってから習おうと決めたのだった
だがしかし自分で稼いでいる今、香道の教室を調べるも数は少ない上、平日レッスンも多い
カレンダー通りの会社員をしている身としてはそもそも日程を合わせられず、なかなか踏み切れない
でも絶対に習いたい....
本当は着付けも、茶道も、華道も、和歌だって....古来よりの和のこころが息づくことはなんでも習ってみたい...
葛藤の中、まずは1番やってみたいお香関連の仕事につけば、御月謝をまかないつつ、働いている時も勉強できて良いのでは??
と思い至った
仮に働いてみて、仕事にするのはなんだかしっくり来ないなと感じたとしても、やってみたいまま燻るより断然いい
きっとその経験はいつかの糧になってくれるだろう
という訳で最近はお香関連の職探しをしている
「そんな君にうってつけ!」という職を知っている方は是非ともご教授頂きたい!
そうそう、実に嬉しいことに、
モノノ怪は今Amazonプライムで配信されているのでこちらも是非
今日はこの辺で
香、満ちました
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