追悼:上田知華

【追悼:上田知華】
上田知華さんが亡くなっていた事を一昨日知りました。
2021年9月17日没
検索したが追悼の記事は朝日新聞くらいで関係者の追悼も僕が見つけたのは一件のみでした。
彼女のライブは未見でテレビで観る事もありませんでした。
ラジオでのスタジオライブとレコードだけ。しかもカリョービン期のみ。
それでも訃報はかなりショックでした。プログレとハードロックばかりを聴いていた高校生の時、NHK FMでスタジオライブを放送していて偶然、上田知華+カリョービンを知りました。
恐らく洋楽の新譜か何かを録音しようとオープンリールを回したテスト時に録音したのだと思います。
ピアノとヴァイオリン2台とヴィオラ、チェロのポップスのグループとしては珍しい編成が新鮮でした。
歌声は声量は無いけど魅力的な声質。歌唱力で勝負するグループではないので、楽曲と演奏に魅力がなければ聞き流していたと思います。
曲はプログレ風ポップスというか、歌謡曲に通ずる分かりやすさを備えた不思議な曲調だと感じました。
ドラムが無いからスカスカなのだけど、ピアノが時に打楽器の様に力強く鳴ります。
 録音したライブでは数曲にゲストとして元スペクトラムのベースとドラムが参加していて弱点のスカスカが解消された演奏もありました。
特に「スクール」という曲は前述のベースとドラムが参加していて、後に聴いたスタジオ版よりも完成度が高く感じました。
スタジオ版が収録されたアルバム「song」は上田知華+カリョービンのラストアルバムであった事を考えるとピアノと弦楽四重奏の編成に限界を感じていたのかなと思いました。
 1980年代にカリョービンは早すぎたのかも知れません。その後、彼女はソロ活動と並行して楽曲提供でヒット曲を次々と世に出したが僕にはピンきませんでした。
弦楽四重奏とピアノの制約の下で繰り出される数々の楽曲の方が不完全な良心回路のキカイダーみたいでカッコよいと感じました。
長らく廃盤だったカリョービンのアルバムは2018年に限定のBOXで発売されました。
上田さんもアメリカからの帰国後、年に一回程度のライブをなさっていて大阪にも来て頂きたいなぁなんて思っていました。
ところが新型コロナが蔓延しはじめた2年程前からHP、ブログなどの更新が一切なくなりました。
元々更新は年に数回の方なのであまり気にかけていなかったが2年以上となると少し気になりました。
そして一昨日、2021年に逝去されていた事を知りました。64歳。早いです。
ご遺族の悲しみは察する事すらできない程深いと思います。
しかし、優れた音楽家は私達に素晴らしい作品を残してくれました。
僕はカリョービンをこれからも聴き続けます。
そしてひとりでも多くの方に上田知華+カリョービンの楽曲を聴いて欲しいと思います。
追悼文が少なくて残念だけど、僭越ながら僕が一件追加致しました。
上田知華さん、ありがとうございました。どうぞ安らかにおやすみください。

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