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京浜急行一日完乗チャレンジ

 こんにちは。以前東急の全線完乗に挑戦したのは覚えておられるでしょうか。知らない人は是非そちらも見てください。それに倣って今回は京急を一日で完乗したいと思います。


2023年7月13日@小島新田

 やってきました小島新田。大師線の終着駅で、川崎市川崎区にあります。この駅の目の前にはJR貨物の川崎貨物駅があります。

川崎貨物駅。このときは列車は来なかった。

 川崎区の南の方は居住地域と工業地域が入り混じった独特の雰囲気があります。また、多摩川を挟んで向かい側に羽田空港があるため近年発展が目覚ましい地域でもあります。さて、ここから京急の全線完乗がスタートします。

①普通京急川崎行き(小島新田12:38→京急川崎12:48)

大師線は現在工事中。
踏切が無くなる日はそう遠くないはず。

 小島新田駅の目の前にはセブンイレブンとタクシー乗り場があります。今ではは終着駅ですがその昔はここから更に塩浜まで路線が伸びていました。現在でも塩浜方面はバスの本数が非常に多く急行バスやBRTも運転される程です。市電を廃止せずにいたらどのような都市になっていたのでしょうか…

 大師線は普段はローカル輸送の4両編成が行き交う路線ですが、正月は川崎大師への初詣輸送で賑わいます。個人的には大師線の大増発のため他線区から応援に来た車両の写真が掲載されると年が明けた実感が湧きますね。

前衛的な車両だった600形

 小島新田を出ると早速地下へ潜ります。この先で県道6号東京大師横浜線をアンダーパスするためです。県道6号は産業道路とも呼ばれる臨海部の主要道路であるため大師線との平面交差は長年の懸案事項となっていました。大師線の立体交差事業はなかなか進んでいませんが、それでも少しずつ便利になってきています。

 電車はもう少し進み川崎大師に着きました。関東の厄除け・初詣でおなじみの平間寺(川崎大師)です。ちなみに明治時代に平間寺への参拝客を輸送するために誕生したのが京浜電気鉄道、のちの京急です。つまりこの辺りが京急のルーツということになります。さらには、先述した初詣の文化が生まれたのは京成や京急など寺社への輸送を目的とした鉄道会社のキャンペーンがきっかけであると言われています。

 さて、大師線の沿線にはもう一つ「文化の発信源」があります。進行方向右側に見える味の素川崎工場です。味の素の発展を大正時代から支えてきた川崎工場からは数多くの味の素、ほんだし、cookDoなどおなじみの製品が世に送り出されて来ました。そんな川崎工場ですが最近工場見学を再開したそうなので興味を持った人は行ってみてください。

 大師線は見どころ満載でこれだけでも記事が書けるのですが今日の目的はそれではありません。京急川崎で乗り換えましょう。

②快特京急久里浜行き(京急川崎12:50→金沢文庫13:26)

 ここからは最高速度130km/hの快特でぶっ飛ばして行きます。目的地は運行の拠点でもある金沢文庫です。

ウィング号でもおなじみ2100形2101F

 以前の京急は快特主体のダイヤでしたが、最近になって快特の半分くらいが特急に変わりました。所要時間はたいして変わらない一方で、停車駅が増えているので利便性は向上しています。

 京急川崎を出ると次は一気に横浜まで進みます。横の線路には東海道線のE231系が並走しようとしてきますが、相手にせずに置き去りにします。少しスピードが落ちると神奈川新町を通過。下りの12両編成の特急はこの駅で増結車4両を切り離します。

 しかしここからは少し線形が悪く、結局東海道線には抜かされていってしまいました。そのまま横浜駅の数多いホームの端っこに着きます。

 横浜は2面2線のホームですが、その昔は島式ホームであったそうです。しかしそれでは安全上問題があるということで現在の形になりました。小田急線の下北沢(地上時代)や銀座線の新橋も同じような経緯を経ての形でしたね。

 それから横浜上大岡と横浜市内の主要都市を進むと金沢文庫に到着です。向かいには接続の普通列車が待っていますのでこちらに乗り換えです。

③普通逗子・葉山行き(金沢文庫13:20→逗子葉山13:31)

 京急川崎の発車標にもある通り快特のあとにエアポート急行の逗子・葉山行きがありますが、快特で金沢文庫まで進むとそれより10分早い普通列車に乗り換えることができます。実は京急は「羽田空港からエアポート急行に乗るより、隣のホームの快特で京急蒲田に行き、そこで快特に乗り継ぐ方が早い」ようなことがよくあるのですが、それを教えては貰えません。自分で調べましょう。

オールステンレスの1000形1469F

 ステンレスの1000形です。京急といえば全面赤の塗装のイメージですが、こちらのほうがスピード感があって好きです。もっとも京急社内でも色々意見があったようで、この後登場した車両ではステンレス車体に全面赤のラッピング、更にはステンレスなのに塗装を施す…と迷走しています。

 そんな車両たちの生まれ故郷は隣駅金沢八景の横にある総合車両製作所です。ここで製造された車両は今通っている逗子線の線路を経由して京急線、あるいは貨物線を介して横須賀線の逗子へ運ばれ、そこから全国へ旅立ちます。

個人的には新逗子駅の名前のほうがしっくりくる

 さて逗子・葉山駅に着きました。ちなみにここは逗子市にあり、少し歩けばJRの逗子駅です。駅名にある葉山へはここからバスに乗り換え。以前この駅は「新逗子」という駅名でしたが葉山の玄関口であるというアピールでしょうか?

京急がかつて鎌倉の開発に野望を抱いていたころの名残でしょうか?

【ワープ】普通久里浜行き(逗子13:55→久里浜14:15)

 乗りつぶしをしている人にとって末端区間はどこも頭を悩ませる所です。せっかく此処まで来たのですから横須賀線を完乗しておきます。

東京でもおなじみの行き先

④特急三崎口行き(京急久里浜14:30→三崎口14:42)

 京急のメインルートも京急久里浜から先の区間はとうとう単線になります。しかも終点の三崎口行きは終電が早く(品川22:50発)、その後は一つ手前の三浦海岸までしか行くことができません。その名の通り三崎口は三崎の入り口であり、ここに何かがあるわけではないのです。

特急(各駅に停車します。)1000形1065F

 ただの末端区間にしては高架設備に対向式ホームとずいぶんと豪華な仕様です。愛知県の知多半島にある名鉄線のローカル区間も同じような豪華設備で有名ですね。でもここからは都心の品川まで10分毎に優等列車が出ています。

"先"を予感させる終点。延伸計画はありましたが、もう長らく眠ったままになっています

⑤快特青砥行き(三崎口14:54→京急久里浜15:05)

 三崎口に着きましたが、あくまで鉄道とバスとの結節点といった感じで、駅そばとコンビニがある以外は人の滞留を考えている街の作りではありません。ですから改札を出入りして乗ってきた電車で帰ります。ここから先の観光はみさきまぐろきっぷで来たときにしたいと思います。

ただの終点駅ならホームを2つに分ける必要がないんですよね

⑥快特品川行き(京急久里浜15:06→堀ノ内15:12)

 あの。さっきの電車乗ったばかりなんですがもう降りました。なんかこっちの当駅始発の快特品川行きが先発らしいです。なんで?

2100形2157F

 まあ、またすぐに降りるんですが。

⑦普通浦賀行き(堀ノ内15:14→浦賀15:20)

 そして浦賀までもすぐです。乗っては降りてを繰り返して落ち着く暇もありません。本当は京急は浦賀から三崎へ向かいたかったようですが、三浦半島の強固な地質がそれを阻んだとのこと。三崎口へは周り道をしています。そんな経緯から実はこっちが本線です。三崎口方面は久里浜線という別の路線になります。

1000形1465F

 末端区間ではありますが非常に乗客は多く相席となります。1両当たりなら横浜辺りの普通よりも乗ってますね。

 浦賀からはバスで横須賀へ向かうことが出来るようです。どこがどう繋がっているかわからず、段々地理に自信が無くなってきました。

⑧普通品川行き(金沢文庫で車両交換)(浦賀15:24→堀ノ内15:29)

 さてお察しの通りここも住宅地の玄関の駅。大きな商業施設などはありません。駅の中の自販機でパンを販売していたのがすべてを物語っています。となれば戻るのみ。同じ車両に乗り込み引き返します。

堀ノ内へ戻ってきました

⑨快特品川行き(堀ノ内15:32→京急蒲田16:13)

 さらにここからは来た道を一気に戻ります。お察しの通りこの後ろに逗子線からエアポート急行が来ますが、快特で京急蒲田まで逃げると一本前のエアポート急行に乗り継ぐことができます。またいつものパターンです。

1000形1049F。1分の乗り換えで羽田へ

⑩エアポート急行羽田空港行き(京急蒲田16:14→羽田空港16:24)

 空港線の朝夕は快特が無くエアポート急行ばかりなのもあって何かとお世話になるエアポート急行です。空港線とは関係なく京急川崎方面↔品川方面を進む列車はありませんが、空港線とは関係ないところで完結する列車はあります。おーん

 横浜方面のエアポート急行は都営や北総の車両が閉じ込められていたり、都営線に入ることのできない2100形や4両編成を2本繋げた8両が運用されたりとバリエーションに富んでいます。さてさて、私の乗る列車はというと…

前の4両は1000形1893F

 俗にL/Cと呼ばれるロングシートとクロスシートのモードチェンジが可能な座席を装備した4両編成です。京急の最新型ですが2本しかありません、さらにその車両でクロスシート形態に乗れる機会はまずありません。ちなみにこの車両にはトイレもついています。通常のロングシートより着席定員が少ない上にトイレで場所が潰れており混雑に対応できません。そういう曲者であるだけにエアポート急行に閉じ込められているのかもしれません。

Le Ciel
この車両がブルーリボン賞に選出されたときは
賞の前例にない存在で話題になりました。

 この車両のもう一つの特徴は、同型2本を繋いで貫通幌を渡せば地下鉄に直通できることです。避難誘導などに難があることなどから全国的な傾向として地下鉄に直通する車両は中間に通り抜けのできない先頭車を挟まない貫通編成が増えています。しかし、きっとこの車両も後ろはもう一本の1890番台を繋いでいるはず!

後ろの4両は600形655F

 違う車両でした。クロスシートが変形するという登場時のコンセプト自体は一緒なんですけどね。この組み合わせでは地下鉄に入れません。

⑪快特品川行き(羽田空港16:52→品川17:10)

 食事を摂るとラストスパートです。羽田発の快特では珍しく品川止まりです。実際品川で降りそびれそうになった外国人が数名いました。

1000形1009F。

 ちなみにこの編成はこのあと快特で三崎口にいき、折り返しで快特印旛日本医大行き、さらに折り返して先述の三崎口行き終電の特急となり一日を終えます。まだまだ忙しいですね。

⑫エアポート急行印旛日本医大行き(品川17:13→泉岳寺17:15)

 京急線はあと一駅だけ残っています。乗り換えノ列車は先程平和島で追い抜かしたエアポート急行です。

京成3000形3033F

 現在、品川周辺は連続立体交差事業が進行しており完工の暁には品川駅は高架から地上へ下りることになります。そう遠くない将来、この景色は見納めになると思うと寂しくもあります。

完乗

 というわけで完乗です。東急よりは楽でしたね。次は京成辺りを挑戦したいところです。今回はPASMO限定のフリーパス「京急全線1日フリーパス(2,000円)w」を利用しました。元をとるのは難しくありませんが、このフリーパスは有人窓口のみでの発売です。それに気が付かず券売機と格闘してしまいました。

 ほかにも京急にはおとくなきっぷが沢山あるので、それらを使ってぜひ京急沿線に出かけてみてください。

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