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【WALKMAN】今更NW-A300をレビュー

 WALKMAN NW-A307(64GBモデル)を購入したのでレビューします。

需要ないと思うけどスペック紹介

とりあえずスペック厨向けにスペック紹介。

スペック表

 スマホとしてみるとスペックはかなり低いです。
 SoCはQualcommのQCS2290というAndroidスマホに使われているSnapdragonシリーズとは違ってIoT向けのSoCとなっています。このSoCはモデムを内蔵していないため、少しでもノイズを削減したいウォークマンとは相性が良いのでしょう。

 メモリは4GB。今のローエンドか3,4年前のミドルエンドくらいですね。

 ストレージは64GB。どうせ楽曲しかいれないんだからこれで十分です。ですが32GBモデルのNW-A306はお勧めしません。なぜかというと、実際に使用できる容量は18GBだからです。OSや最初から入っているアプリのせいで使用可能領域が狭くなっています。さらに空き領域が2GB未満の場合、アップデートができなくなります。64GBモデルなら47GB使えるので、絶対に64GBモデルのNW-A307を買うことをお勧めします。

 なんで最近のAndroidはこんなに重いんだ… 昔は32GBでも余裕あったのに…

 ディスプレイは3.6インチのLCDディスプレイ。解像度は1280×720の16:9。Youtubeでも少し動作が重く、動画を見ることはほぼないので、これで十分です。

 カメラはなし。当たり前です。音楽プレイヤーにカメラという場所を取り、ノイズの原因になる物は必要ありません。

 バッテリー容量はよくわかりません。ソニー公式サイトを見ても書いてありませんでした。Device Info HWで見ると3300mAhと書いてありました。

 ワイヤレス充電はなし。理由はカメラと同じです。

 防塵・防水はなし。Xperiaと違ってありません。水たまりに落とさないよう気を付けてください。

 寸法は98.4×56.5×11.8mm。めっちゃ小さいです。Xperia 5 IIIより2,3回り小さいです。赤ちゃんみたいでかわいい()

 重量は113g。めっちゃ軽い。もうXperia 5 IIIが重く感じる。

 ちなみにウォークマンにスピーカーはありません。音楽プレイヤーなのでそんなのは必要ありません。

Xperia 5 IIIとNW-A307

実際の性能は?

 結論から言うと、信じられないほど性能低いです。てか音楽プレイヤーに性能を求めること自体おかしいと思いますが。

まずAntutu Benchmarkから
バージョンは10.1.7です。

Antutu Benchmarkのスコア

CPU:36,515点
GPU:12,982点
MEM:53,038点
UX:36,215点
合計:138,750点

 結果は驚異の138,750点です。現在のハイエンドSoCであるSnapdragon 8 Gen3の20分の1程度の性能しかありません。これではゲームはまともに動きません。僕の記憶が正しければXperia Z5と同じくらいのスコアです。

 ほかのベンチマークもやろうと思っていたのですが性能が低すぎて時間がめっちゃかかるのでやめました。

次に崩壊:スターレイル

 本当は原神でやろうと思っていたのですがインストールできませんでした。
 動作しませんでした。SoCが一般向けじゃないIoT向けのせいか、動作しませんでした。写真のようにピンク色になってしまって動きません。ロード中で落ちます。

次にプロジェクトセカイ カラフルステージ!feat.初音ミク
動作はしましたが、重くてできたもんじゃありません。遅延、無反応が多くノーツ抜けがあり、ストレスが溜まります。

「お前が下手くそなだけだろ」って思いましたよね?てことでSnapdragon 855のXperia 1でやった動画も載せておきます。

最後にMinecraft
動作はしましたが、一応プレイできるレベルです。ワールドの読み込みに時間がかかり、プレイ中はカクツキが多くてストレスが溜まります。特にチャンクのロードが入ると重くなります。


スマホとウォークマンで音質を聴き比べる

 ウォークマンのメインである音質をスマホと聴き比べていきたいと思います。イヤホンはWF-1000XM4です。

NW-A307とWF-1000XM4

とりあえず雑にわかりやすく感想を言うと、

(・ω・)←スマホで聴いてるとき
ヽ(; ゚д゚)ノ ←NW-A307で聴いてるとき

こうなります。ガチでこうなります。

 音質が良すぎて本当に驚きました。スマホでは聞こえなかった音が聞こえ、音のフォーカスは鮮鋭度が増し、立体的に聞こえます。力強い圧倒的な重低音の迫力、ボーカルのきれいな歌声、雑味のない音です。筆者が好きなギターの繊細な音がリアルになっていて、まるでその場で聴いてるような感覚です。

 今までは「スマホでも十分綺麗な音なってるからいらないだろ」と思っていました。ですがNW-A307で聴いてみて、今までの考えが180度…いや540度変わりました。ソニーストアにおいてある展示品でもいいので一回聴いてみてほしい。マジで考え変わる。みんな買ったほうがいい。生活水準あがる。もう戻れない。

 少し熱が入りすぎました()。でも本当に音質がいいので一回でもいいから聞いてみてください。考えが変わりますよ。

 NW-A307(約5万円)とWF-1000XM4(約3万円)の合計約8万円の構成でこんなに音質良いのに、最上位モデルのNW-WM1ZM2(約44万円)とIER-Z1R or MDR-Z1R (約25万円)の合計約70万円の構成だと、どれだけ音質良いんだ…一度聞いてみたい…これがオーディオ沼か…

 ちなみにこのような音質にこだわったウォークマンができたのは、ソニーの社員である佐藤浩明さんが遊びでウォークマンを改造して音がどのように変わるか試していたことが始まりです。改造で得た知識を生かして今の音質にこだわったウォークマンの基礎であるNW-ZX1を作ったところから今の音質にこだわった路線に切り替わりました。

NW-ZX1

そのあと、今のフラグシップであるNW-1ZM2の基礎になるNW-1Zが生まれたり、95万円という良い意味で頭おかしいDMP-Z1というDAPが生まれました。もとは社員の遊びだったのに製品化して、一般向けに販売するソニーすごい()。

WM-1Z
DMP-Z1

ハイレゾ音源がなくてもハイレゾ級の音を楽しめるDSEE Ultimate

NW-A300シリーズはDSEE Ultimateという、圧縮により失われた音源本来の周波数特性とダイナミックレンジをAI技術で高精度の再現する機能がついています。(ソニー公式からコピペ)

 これはXperiaシリーズにも付いている機能です。 

 正直な感想、僕の耳ではわかりませんでした。音の立体感が上がってる気がしますが、これはプラシーボ効果だと思います。

 Xperiaで聴き比べした時はあまり違いがなかったので、「NW-A307では信じられないほど音質が良くなるんだろうな」と希望的観測をしていたのですが、がっかりしました。希望的観測はしない方がいいですね。本当のハイレゾ音源と比べるとやはり、圧倒的に本当のハイレゾ音源のほうが音質は上です。

 あまりこういう機能には期待しない方がいいと思います。まあ、付いてると「音質が良くなった」と思えるのでつける価値はあると思います。

USB-DACとして使えるウォークマン

 パソコンで曲を再生するときに、パソコン本体に接続したヘッドホンやスピーカーで聞くことができますが、パソコン内部のノイズの影響を受けることがあります。

 ウォークマンに搭載されているUSB-DAC機能を使うと、パソコンの音楽をハイレゾで楽しむことができます。

 またウォークマンは音楽再生に適したDAC(デジタルの音声データをアナログへ変換する機器)が搭載されているだけではなく、音を増幅するアンプや内部パーツも音楽再生に最適化されているため、USB-DAC機能を使うことで高品質な音楽を楽しめます。(ソニー公式からコピペ)

VAIO F16にNW-A307をUSB-DAC機能を使ってつなげている様子

 これは信じれないほど音質が良くなります。パソコン側につなげてるときは、ノイズが多くて、音がおもちゃみたいなのですが、ウォークマンをUSB-DAC機能を使って聴くと、ノイズがなくなり、めっちゃ音質が良くなります。(さっき音質については書いたからここでは書かなくていいよね…?)

 ただ、遅延が多く、動画やゲームをするのにはあまり使えません。

直接つなげているときの遅延の様子

NW-A307のUSB-DAC機能を介してつなげてるときの遅延の様子


 ちなみ、公式サイトでは「ウォークマンのUSB-DAC機能は、パソコン(Windows/Mac)との接続のみ対応しています。スマートフォンとの接続は対応しておりません。」と書いてありますが、無理やりやれば動きます(笑)。96KHz/24bit出てます。実際、めっちゃ音質良くなります。ですが取り回しはめっちゃ悪くなります。なぜ動くのかはよくわかりません。

Xperia 5 IIIにNW-A307をUSB-DAC機能を使ってつなげている様子

USB-DAC機能についてのソニー公式サイト

まとめ

 もう書くのめんどくさくなってきたのでまとめにします。

 箇条書きにするとこうなります。
・性能はめっちゃ低い。Xperia Z5程度。
・音質はめっちゃ良い。スマホに戻れなくなるほど良い。
・USB-DACとしても使える。音質はよくなるが、遅延が大きい。
・手のひらに収まるほどのサイズで取り回しがとても良い。
・あたりまえだけど、スマホとしては使えない。

 WALKMAN NW-A300は価格が安い(ハイエンドのウォークマンと比較して)割には音質が良く、コンパクトで取り回しが良いので、いつでもどこでも使うことがきます。

 実際に使ってみると、スマホに戻れなくなるほどの音質でオーディオ沼に引きづりこまれます。

 スマホとウォークマンの2台持ちをするのはめんどくさいと思いますが、それ以上に音質が良く、一生聴いてられる楽しさが秘められています。

 価格は最安で46,200円と手の出しにくい価格ですが、ぜひ買ってみることをおすすめします。本当にスマホに戻れなくなる。生活水準上がる。全人類買った方がいい。

 もし買うことを考えているのなら一番最初に言っていた32GBモデルのNW-A306はお勧めしないことを覚えておいてください。

NW-A300シリーズのソニー公式サイト

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