【IIDX】横認識の理解と習得



1. はじめに

皆さん弐寺で横認識やってますか。

上手い人のアドバイスやネット上でも横認識を身に着けろと言われていますが、結局のところ練習による感覚で身につける技術なので、中々理屈だけでモノにするのは難しい印象を個人的に持っています。

特に十段ー中伝ぐらいまでは縦認識でやってこれるので、中々認識方法を変えると言うのも勇気が必要で難しいと思います。

なので本記事では、認識方法の座学的な基本を抑えつつ横認識の実践テクニックをご紹介します。

読者ターゲットは十段-中伝-皆伝ホヤホヤあたりを想定しております。認識方法の知識はあって、横認識するためのテクニックが知りたいという方は前半すっ飛ばして、4章から読み進めてください。

2. 縦認識と横認識の定義

筆者なりに改めて両認識方法を文章で表現してみることにしました。これは筆者の独自解釈なので、なんとなく雰囲気を掴んで頂ければと思います。

2-1. 縦認識の定義

画面上に描画されている譜面あるいは事前の譜面確認により、ノーツ配置の全体関係から特性(トリル、軸、パターン)を判断して認識する手法。

2-2. 横認識の定義

譜面を"同時押しまたは単押しの連続"として捉え、その都度瞬間判断を行い認識する方法

2-3. 解説

まず縦認識の定義で触れた"全体関係"というのは、代表的なものに以下のような手法があると考えています。

表 : 縦認識における認識方法例

このように文字に起こしてみると、縦認識というのは譜面全体の形を捉えて処理する傾向があることが見えてきます。

一方で、横認識は全体像やノーツの上下はほぼ意識せず、ある瞬間のみを見て同時押しの連続として判断します。

図 : 横認識概要

具体的には、8分系の譜面のような見え方を16分譜面等の密度がある譜面に対しても実施することです。
例えば、EDENのような譜面では皆さん表のような縦認識のテクニックを使っていないと思います。降ってきたものをそのまま押すイメージですよね。あれを高密度でもやるのが横認識のイメージです。

ここで、改めて認識する際に意識するノーツの量に着目すると以下のようなイメージになります。

図 : 認識時に意識するノーツ量

上級者向けのテクニックでありながら、意識するノーツ量は横認識のほうが少ないことをご理解頂ければ良いと思います。

2-4. 余談

簡単に解説したところで余談です。筆者は例え話が好きなので、IIDX以外で例えてみましょう。
そこで"ケンケンパ"って遊びに例えてみましょう。あれ実は今回の両認識のイメージに当てはめられるんですよね。

図 : ケンケンパへの認識適用例

縦認識で左右分割認識を取り入れた見え方と、横認識の見え方はこちらになります。縦認識すると、右は一定リズムで左が単音でちょこちょこくるみたいな解釈ができます。まさにIIDXですね。

適当言いますが、ケンケンパで横認識している方はIIDXの横認識の才能あると思います。

3. 両認識のメリット/デメリット

いくつか評価観点を見繕って評価してみたのが以下の表になります。特にデータがあるわけでもなく、主観的な部分が多いですがご参考に。

表 : 両認識方法の比較評価

3-1. [評価]正規譜面

これは縦認識がオラつけるポイントですね。正規譜面は、決まった形が多い且つ譜面予習ができるので譜面の全形理解がしやすいです。なので、縦認識とは相性が良いと考えています。
一方で、横認識についても正規譜面だから出来ないということはありません。単に同時押しの連続として捉えるだけですので問題なく処理できます。
ここでは両認識の差はあまり生まれないと理解しています。

3-2. [評価]RANDOM譜面

縦認識をしている方が一番最初に躓く部分ですね。正規譜面の解説で記載したテクニックが使えないので、形から認識するためには無限大とも言えるパターンに対応できることが条件になってきます。
それに対して、横認識であれば7種類の鍵盤+皿の組み合わせを練習すれば良いだけです。もう一度言います。7種類の鍵盤+皿の組み合わせを練習するだけです。具体的には2^8=255パターンです。皿を抜くと127パターンです。横認識のほうが結果的に少ない練習量で成長できるといういい例ですね。

3-3. [評価]S-RANDOM譜面

これはどちらも駆使する必要がありますね。この記事を読んでる人にはあまり縁がない領域かと思います。
この場合は、横認識をベースにある程度の縦認識も必要になります。縦連の個数を把握する必要があるのと、都度判断では間に合わないリスクが高いからです。このため両者ともに△としています。

3-4. [評価]地力譜面に対する汎用性

RANDOM譜面の解説で書いてしまった通りですが、縦認識は綺麗な譜面系であることがある種条件になりやすいです。例えば、皆さんmosaicに代表される隣接配置とか苦労しますよね。ちょっと特殊な譜面が来たときに対応しきれないのが縦認識です。
横認識であれば、結局のところ同時押しの連続と認識するしかないので、どんな譜面にも対応できうるポテンシャルを持っています。

3-5. [評価]習得難度

縦認識は見た印象をそのままなので、習得という言葉が適切ではないレベルですね。横認識はそれなりに訓練が必要なので、ここはこういった評価をしています。

3-6. [評価]精度の取りやすさ

縦認識は譜面の全形を理解するために、目線を上下させるのが一般的です。画面全体を見渡すための取り組みですね。これにより精度が落ちます。譜面を理解して鍵盤を叩くまでの時間がブレるのと、見ている位置から判定ラインの距離もブレます。当然、一定のリズムで叩くことが困難になることから、精度はバラつきやすくなり、安定したスコアを出せなくなります。
譜面密度が増えたときにFast/Slowが量産されるタイプの人はこれにハマっています。密度を理解するために目線が上に行くと、当然Fast傾向になりますよね。
一方で、横認識は目線を一定に保ち瞬間判断するテクニックなので、精度は比較的安定しやすくなります。

3-7. [評価]癖のつきやすさ

縦認識+正規譜面で癖がついたことない人だけが記事に石を投げてください。もう言わなくても良いですよね。縦認識は傾向やパターンで認識するので、正確なリズムや叩き方の意識が外れやすくなります。なんとなくで捌いてしまうことが多くなるので、癖が付きやすいです。

3-8. 評価まとめ

横認識贔屓をするつもりはないのですが、やはり縦認識よりも横認識がIIDXには適していると考えています。横認識が最強というものではなく、ある程度強み弱みはあるので、使い分けることが必要だと思っています。

4. 横認識を行うためのテクニック

いよいよ本番の結局横認識ってどうやるんですか?の部分です。
意識をすべき観点は以下です。
・目線の固定化

これだけ???と思いますが、ここが一番のキモです。
改めて本記事で目指す横認識の見え方を図示します。

図 : 目線固定による瞬間認識のイメージ

目線の固定というのは、具体的には以下を指します。
・認識エリアを定めて、そのエリアから目線を上下させないこと(左右はOK)

目線を固定することで次のメリットを生み出すことを目的としています。
・縦認識の回避
・瞬間的な情報量の削減
・視認エリアから判定までの一定化による精度向上

というわけで、この記事では誰でも横認識に挑戦できるような情報を書いてみます。

4-1. 誰でも簡単!強制横認識カスタマイズ!

理屈はここまでにして、テクニックの紹介を行います。
この記事では大きく4つのアプローチによって、横認識を強制的に行えるプレイスタイルを実現します。
①白数字増加による描画範囲の限定
②緑数字減少によるノーツ間スペース増加&情報削減
③判定文字を活用した認識エリアの固定化
④ボムサイズ調整による描画範囲の限定

① 白数字増加による描画範囲の限定

いわゆるSUD+ガン下げと言われる方法です。これを利用して目線が上下し辛い環境を作り出します。(図はLIFTついてますがご容赦ください)

図 : ガン下げによる目線上下の領域削減

そもそもIIDXはデフォルトで見渡せる範囲が明らかに縦に長いと言えます。これ即ち目線が上下する余地がありすぎるということです。なので、SUD+(人によってはLIFTも)を用いてノーツが描画される範囲を強制的に限定してあげます。

白数字が意味するのは表示エリアの広さ/狭さです。今回はLIFT+SUDの合計値が420程度になるよう調整してみてください。※筆者は480程度です。
設定してみるとわかりますが、レーンの領域が半分程度になる勢いで狭くなります。縦認識をしてた人はこれだけでかなり見え辛くなると思いますが、我慢して続けてください。

本記事で紹介するテクニックで一番重要なものはこれです。

② 緑数字減少によるノーツ間スペース増加&情報削減

緑数字を減少させることで、譜面の間隔を広げて同時押しの視認性を高めるのと、画面上に見えるノーツ数を削減します。
この手法は音ゲーマーにはあえて説明するまでもないですね。

横認識においては、緑数字をかなり極端に減少させてください。これにより、疑似的に8分系譜面のような同時押し譜面の連続となる見え方を実現します。

①のテクニックで白数字を調整した分、緑数字も調整が必要になると思います。合わせてガツンと下げてください。(※筆者は248です。)

緑数字は個人の反射神経や白数字との兼ね合いが強いので、ベストな数字はここでは説明しないですが、はじめは260~270前後が良いと考えています。
もしくは普段の緑数字から20~30減らす調整でやってみてください。
(※白数字ガン下げしてる上手い方は、緑数字が230~260あたりが多い気がします)

③ 判定文字を活用した認識エリアの固定化

①②により、目線ブレ対策とノーツの視認性向上を狙いました。次は認識するために見るべきエリアを決める手法をご紹介です。

図 : 判定文字を用いた視認エリアの確立

もう図がそのままズバリですね。判定文字を活用しちゃいましょう。見るエリアを決めたら、そこから絶対に見るエリアを上下させないようにしましょう。

デフォルトの判定文字であれば、かなり上部のラインがはっきりしているので擬似的なHIDDENラインのように扱えると思います。一方でスマートのような擬似的なラインを作り辛いものもあります。最初はデフォルトが良いと思いますが、お好みで変更してみてください。
ただし気をつけるべきは、判定文字にも高さの差があるという点です。例えば、デフォルト文字の上をみるのと、スマートの上を見るのでは、若干判定ラインとの距離が異なります。

図 : 判定文字毎の距離差分

主に精度に影響する部分になるので、判定文字をいじる際は注意してみてください。

④ ボムサイズ調整による描画範囲の限定

ここで紹介するテクニックは人によっては不要だと思います。なので、オプションとして捉えてください。
ここで目指すのは、目線が下がってしまう方向けの対策です。

図 : ボムを活用して隠す領域

最近のIIDXはボムのサイズを変更できるので、ボムサイズを大きくして極力描画が煩いタイプのボムで判定文字より下の部分を見えにくくしましょうという手法です。
見えにくくすることで目線が下がる癖を抜くことを目的としています。

ただし、これやると低速時に邪魔になるという別問題が発生するので、必要に応じて試してください。

5. 練習のポイント

4-1章で、強制的に横認識ができるようなテクニックをご紹介しました。
次は、そのテクニック下における練習方法の提案です。

といってもやることはシンプルです。
乱を常備して、中難易度も高難易度もひたすらブン回してください。

5-1. なぜ乱が必要なのか

IIDXには正規厨とかRAN厨とか色々歴史がありますが、それはさておき乱を推奨する理由は以下です。
・様々な同時押しパターンに触れられるため、横認識で扱える譜面の幅を広げられる

正規譜面は降ってくる譜面のパターンが限定されるため、2^7=127通りのパターンのうち触れることができるパターンはごく僅かです。
具体的には、白鍵4つ同時押しとか、147みたいな配置しか経験できないという意図になります。勿論正規オンリーで練習することをやめろとは言いませんが、必要な練習量及び効率が圧倒的に違います。
横認識は同時押しの処理をいかに素早く行えるかが重要です。なので、様々な同時押しパターンに触ることを念頭に置くと、練習において乱は必須オプションとなります。

5-2. 精度向上と物量能力向上

基本的に一般的な音ゲーの練習パターンと同様で問題ありません。
精度の向上と物量能力の向上は並行して取り組んで良いと考えています。

精度の向上には、Lv8の鳥埋めから着手してみてください。
Lv7以下だと単音が多く同時押しの練習がし辛いため、横認識の練習としてはLv8以上で取り組むことを推奨します。※個人的な感覚なので自身の能力に合わせてください。

物量能力向上については、まずは素直な地力系16分譜面を回してみてください。
[Lv12] Broken, F, GAIA 等々
[Lv11] Bluerain, quasar, SHADE 等々
[Lv10] AA, Neonlights, Zenius 等々

これらで横認識の感覚を掴めたら大体の譜面には対応できる実力になっていると思います。十段縦認識プレイヤーが苦手とするmosaic乱とか何も怖くないレベルになっているはずです。

6. おわりに

認識に関する座学的なお話から、テクニックまで色々書いてみました。
横認識はあくまでも見切るための手段でしかないので、どちらかの認識に固執することなくうまく両者を活用できるようになるといいですね。

あと、縦認識と横認識って言葉はなんだか対になっているイメージですが全然異なるものだと思うので、全形認識と瞬間認識みたいな感じで言葉を変えられないかなぁという気持ちをもっています。

この記事がどなたかの参考になれば幸いです。よいIIDXライフを!


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