'23 ケンタッキーダービー (傾向と予想)
こんばんは。もはや海外レースしかnoteを書かない人になりました。ケンタッキーダービーの季節です。
昨年は今振り返ると恥ずかしいレベルの予想しか出さなかったので、今年はもう少し気合を入れてやっていきます。
起きられなかった時のために前日夜に馬券を買うつもりなので、その際にオッズなど見て追記すると思います。
例の如く、情報の正確性の判断や馬券の購入は自己責任でお願いいたします。
傾向
変則開催だった2020年を除いた過去10年で抽出。
好走馬
凡走馬
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血統
大きな好走要因として考えられるのは Storm Cat, Smart Strike の2つ。
特に2015年以降に顕著で、
①父or母父or母母父 Storm Cat 系→好走馬 13/23
②父 Smart Strike 系→好走馬 7/23
特に後者は2桁人気で好走した馬すべてが該当しています。
A.P. Indy 系も散見される (10/32) ものの、10頭中6頭が上記①、1頭が上記②に該当することから、それ自体が大きな好走要因ではないと判断。
逆に、凡走要因として考えられるのは Smart Strike と Fappiano の2系統を除く Mr. Prospector 系 (表の黄色)。
好走馬 10/32 に対して凡走馬 7/12 (しかも1~3人気) という比率から見れば何らかの適性のズレを生んでいることは間違いなさそうで、特に
➊父or母父 Mr. Prospector系 (Fappiano, Smart Strike 除く)
→好走馬 4/32 : 凡走馬 4/12
母母父まで広げれば 6/23 : 4/8。
となります。好走馬についても
12年1着 I'll Have Another
→サンタアニタD1着。
後に2冠目プリークネスSも連勝 (3冠目前で浅屈腱炎により引退)。
14年1着 California Chrome
→サンタアニタDを含め当時4連勝中。
後に2冠目プリークネスSやドバイワールドCを含めGIを更に5勝。
21年3着 Essential Quality
→2歳GI連勝を含め当時無敗。
後に3冠目ベルモントS・トラヴァーズSとGIを更に2勝。
と 3/4 が過去・その後の戦歴的に相当能力が高い馬。
残りの1頭は13年2着の Golden Soul で前にも後にも鳴かず飛ばずでしたが、好走要因で1つの傾向の区切りとして考えた15年以前であること、13年は不良馬場で異例の超差し決着となったことの2点を考えると、こちらも別の意味での外れ値と考えて差し支えないのでは。
Storm Cat の内訳 (e.g. Giant's Causeway)、A.P. Indy が好走と直結していないという仮説、Danzig が散見されることなどから示唆がありそうですが、絶妙に難解すぎて言語化できないので明言は避けておきます。
戦歴
戦歴的には前走GI好走 (特に1着) 組を中心視 (昇格前のブルーグラスSを含む)。
ただし、GIではないルイジアナD (GII) が好走数ベースで最も多く、かつ1着以外であっても絡んでくることは1つの鍵。
また、凡走馬も前走1着が多いですが、サンタアニタD1着馬が3頭 (近2年は連続凡走)、ウッドメモリアルS(GII) 1着馬が3頭 という分布は注目に値するでしょう。
前走1着→ 好走馬 22/32
前走GI1着→ 好走馬 16/32
前走ルイジアナD→ 好走馬 7/32
騎手
今年騎乗予定で、抽出対象年の中で3回以上、または2回 (うち少なくとも1回は5人気以下) 馬券に絡んだことのある騎手は以下の通り。
Prat (4回, 騎乗予定馬 Classic Empire)
Velazquez (3回; うち降着1回, 騎乗予定馬 Reincarnate)
Geroux (2回, 騎乗予定馬 Jace's Road)
J.Ortiz (2回, 騎乗予定馬 Kingsbarns)
調教師
今年管理馬が出走予定で、抽出対象年の中で3回以上、または2回 (うち少なくとも1回は5人気以下) 馬券に絡んだことのある調教師は以下の通り。
Pletcher (4回; すべて4人気以内, 出走予定馬 Tapit Trice, Kingsbarns, Forte)
Asmussen (3回, 出走予定馬 Disarm)
Cox (2回, 出走予定馬 Hit Show, Verifying, Jace's Road, Angel of Empire)
Mott (2回, 出走予定馬 Rocket Can)
脚質
血統の最後でも匂わせましたが、非常にざっくり言えば機動力も必要な舞台で、基本的に内の立ち回りが有利。
内逃・内先→ 8/32
内捲・内追→ 8/32
中逃・中先→ 7/32
外先 → 5/32
外捲 → 2/32
外差・外追→ 2/32
以上の好走馬の脚質分布からも 内>>外 / 前>後 という構図は見えてくるでしょう。
ただし、2桁人気馬だけで見ると追込が 4/6 を占めていることには留意すべきだと思われます。
予想
個別に後述しますが、今年は上位人気想定馬がどれも懸念点を抱えている状況と考えます。
ならば捻りたいということで、◎Reincarnate。
血統面では父が Smart Strike 系で 18年6人気2着の Good Magic、母父が Storm Cat 系の Scat Daddy (18年1人気1着 Justify の父)。今年の出走予定馬の中で好走要因①②の両方を満たす唯一の馬で、この点は当然強調できると思われます。
戦歴面では3走前にシャムS (GIII) 勝ちがありますが、その時のハイペース前受けがかなり優秀。2走前レベルS (GII) はゲートで出遅れ+隣の馬にカットされて後方から、直線も前が壁になり不完全燃焼の3着。前走アーカンソーDは Angel of Empire が見た目にも強い勝ち方ではありましたが、人気薄の King Russell が2着に突っ込んできたように外差し決着の中で、前受けから3着。
アーカンソーD3着は18年18人気繰上1着 Country House、17年13人気2着 Lookin At Lee と同様で、穴馬としてはむしろ心強いステップ。
Baffert 厩舎から Yakteen 厩舎への転厩という点では22年2人気12着の Taiba が過りますが、本馬は血統傾向にマッチしている点 (Taiba は①②両方満たさない)、また騎手も抽出年で3回好走歴のある Velazquez という点が強調できます。
有力馬に差し・捲りが多い構成で内からスムーズに先行できる資格もあり、これだけ材料が揃えば本馬が穴を開ける可能性はあると見ます。
以下、上位人気想定馬を順に見ていき、その後に残る穴馬候補を挙げる形とします。暫定の印は最後に載せておきますので、そちらだけ見たい方は飛ばしていただいても構いません。先に言っておくと長いです。
【出走取消】
まずは恐らく1番人気になるであろう Forte。
血統的には父 Violence が Medaglia d'Oro ~ El Prado ~ Sadler's Wells のラインで珍しめ、母父 Blame も Arch ~ Roberto のラインなのでやや珍しめですが、母母父は Storm Cat 系の Forestry (16年1人気1着 Nyquist の母父)、かつ父 Violence の母母父が Storm Cat なので全体として Storm Cat 4×3。好走要因ベースでは一応①を満たし、まあ見逃すか……程度の感じです。
ただ、戦歴的には通算7戦6勝、2歳GI・3連勝とフロリダDでGI・4勝、間にGIIを挟んで目下5連勝中とほぼ文句の付けようがなく、1番人気馬は抽出年で 9/10 頭が好走 (唯一の凡走は19年 Improbable ですがこれも5着入線→4着繰上) と、相手には必須で仕方ないかと思われます。
隙があるとすれば外から捲り上げる脚質。4走前のブリーダーズフューチュリティでは内から逃げた Loggins を直線入口で捲るもかなりの抵抗に遭う場面が見られ、外枠から素直に外を回して横綱相撲をしようとすると (というかそうするしかないと思いますが) 何かに足元を掬われる可能性は十分に生まれるのではないかと思います。
正直ここから先の想定人気は適当ですが、次は Tapit Trice。
血統的には父Tapit, 母父 Dunkirk, 母母父 Orientate で Unbridled 3×4, A.P. Indy 3×4 が目立つ配合形。好走要因ベースでは①②を両方満たさず割引きたいところ。
戦歴的にはデビュー戦3着後、未勝利→条件戦→タンパベイD (GIII)→前走ブルーグラスS (GI) と目下4連勝中。18,21,22年と近年好走馬を多く輩出するブルーグラスS1着馬という点は強調に値するでしょう。
鞍上 Saez + Pletcher 厩舎というのも悪くないですが、本馬の懸念点も脚質。Forte 以上に追走に問題がありそうで、Forte よりも後ろから運ぶ想定なら更に外を回すと届かない可能性は濃厚。Forte を出し抜くなら枠の利で内からコーナーカットする択のみで、これが穴馬サイドで多い決まり手ではありますが、A.P. Indy マシマシで内を綺麗に捌いて来られるのかどうか。
Forte が捲って前が崩れるなら当然雪崩れ込んで来てもいいが……程度の読みです。
デルマソトガケは単勝ベースで3番人気ぐらいを想定していますが、海外レースで日本馬を買う気が基本的にない (応援はします) ので割愛します。次は Angel of Empire。
血統的には父 Classic Empire (17年3人気4着), 母父 To Honor And Serve, 母母父 Carson City。Miswaki のクロスが目に留まります。一応父の母父が Storm Cat 系の Cat Thief ではありますが、こちらも好走要因ベースでは①②を両方満たさずやや割引。
戦歴的にはリズンスターS (GII) とアーカンソーD (GI) の目下2連勝中。特に前走は見た目にも強い勝ち方でしたが、Reincarnate の際に触れたように展開が向いたことは間違いないでしょう。
鞍上は近年好走を続ける Prat で抑えは必須と思われますが、本馬も後ろからの脚質。Forte の1枠内側には入りましたがほぼ変わらず、先に仕掛けて Forte を凌げるか、溜めて差し切れるか、あるいはどこかで内に入れられるか。Prat は基本的に先行馬で好走しており、昨年の Zandon は 10番枠から最内に入れて道中じわじわとポジションを上げる競馬でしたが、14番枠からそれが出来るかどうか。願わくば Tapit Trice と枠が逆なら……。
続いて Kingsbarns。
血統的には父 Uncle Mo, 母父 Tapit, 母母父 Kingmamboで、好走要因①②は両方満たさない形。
戦歴的には今年初めのデビューから3連勝でルイジアナDを圧勝しましたが、ドスローを逃げた恩恵は相当大きいもので、強調材料には欠けるように思われます。
J.Ortiz も買えない騎手ではないですが、やはり前走騎乗していた Prat が Angel of Empire を選んだという点は示唆を含んでいるかと。Pletcher 厩舎という点も怖いですが、無敗馬ということもあって人気はするでしょうし、オッズは注視したい1頭。
人気想定サイドからは Practical Move 辺りまで書いていましたが、回避したので代わりにマンダリンヒーローについて書いておきます (そこそこ人気する気もするので)。
父シャンハイボビー、母父フジキセキ、母母父 Green Forest で、好走要因①は満たす形。ただこの父に加えて母の In Reality 4×4 も考えると距離に若干の不安は感じなくもありません。
ただ戦歴的には前走のサンタアニタDが目立つ内容で、外枠から4角前で内に入れてコーナーカット、あと数十m あれば勝っていたという競馬。前走だけ見れば距離が延びた方がよさそうな気配もあり、ここの取捨は難しいところ。かなりの外枠ではありますが、前走を見れば騎手の内意識も高そうで、どこか馬群がばらけた所で内から進出できればワンチャンスも。
以下、残る穴馬候補としてまずは Mage。
血統的には父 Good Magic, 母父 Big Brown, 母母父 Silver Ghost で好走要因②に該当。また、母母母父 Summer Squall が Storm Cat と3/4同血というおまけつきで、今年のメンバーでは比較的強調できる構成。
戦歴的には今年デビュー、2戦目のファウンテンオブユースSは Forte にだいぶ離されましたが、3戦目＝前走のフロリダDでは早めに捲り上げて Forte に差を詰めての2着。キャリアが浅いのは1つ懸念点にもなりえますが、その中で成長を見せているのは強調できる点。
鞍上戻りはマイナスにも見えますが、前走の出遅れ+早仕掛け+大外ぶん回しは本番でやられると流石に厳しいので比較的フラットに考えられるのではと思います。
また Verifying は父 Justify で好走要因①に該当、内先行想定、前走 Tapit Trice に最後まで抵抗など、無視できない要素は多め。Skinner も抑えたかったですが取消とのこと。
以上を総合して、暫定の印は以下の通り。
暫定
◎7. Reincarnate
○15. Forte
▲14. Angel of Empire
☆8. Mage
△2. Verifying
注22. Mandarin Hero
(以下5,6)
前日追記
取消馬の追加などを踏まえて内容を一部差し替えました (前日17:10頃)。
→ Forte 取消およびオッズを踏まえ印を以下のように変更しました (前日23:15)。
前日確定
◎7. Reincarnate
○2. Verifying
▲14. Angel of Empire
☆8. Mage
△22. Mandarin Hero
注5,6
買い目は以下。
翌朝の買い足しはしないかと思いますのであとは祈るのみです。
単勝◎○
馬連◎○☆
三複◎○☆ー◎○☆ー印 (13点)
意外にも（？）過去一気合が入っている回かもしれません。
日本馬の好走と無事は祈りつつ、馬券は美味しいところを狙って掠らせでもしたいところ。
それでは良い週末を。
レース後追記
☆→無→▲ 決着ということで、昨年よりは見えていたかなという感じでした。ただ Two Phil's を当ててこそだと思うのでそこは見直しが必要ですね。▲☆双方なぜか日本オッズではだいぶ売れており、過去走の脚質と Forte 取消も踏まえればここが本線というのは難しかったですが、◎○は先行叶うも結局ハイペースで潰れ、▲☆が外から差して絡んでくる結果で節穴でした。
参考にしてくださった方がいたら申し訳ないです。
1着 Mage, 2着 Two Phil's は舞台が向いていた、3着 Angel of Empire は地力的に上位だったという見立てで良いのではないかと思われます。1,2着は血統的な共通項もあるので、来年以降に向けて得るものもありました。
デルマソトガケ6着は頑張りましたね。日本勢が無事に帰国することを祈っています。
という感じで、来年以降また馬券が発売されたらお会いしましょう。それでは。
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