Frogs episode1

俺の名前はレン。都内の法律学部に通う大学4回生だ。
特技は何も無い。あるのは平均的な思考と平均的な見た目。そして、常識人である事だけだ。
ここでは俺たちが巻き込まれたある事件について書こうと思う。楽しみながら読んでくれたら嬉しい。

あれは4回生になったばかりのある日。スマホの画面をのぞきながら、いいねボタンを連打していると、突然後ろから声をかけられた。
「おう！また、依頼か！相変わらずだな、法学生なら法律守れよ」
この、低い声だけでリョウだとわかる。
「うるせーよ、儲かるし、社会勉強になるんだよ」俺は不機嫌に言い返す。
この、リョウは高校で空手の全国大会で決勝まで行った武闘派なのだが大学には行かず稼業である車屋で修理工として働いている。
「で、どうだった？？詐欺だったか？？」
「あぁ、ほぼ間違いないな。援助交際を装った知能犯だ」
「どうする？？テツに回すのか？？それとも報告で終わりか？？」
このテツは皆さんの想像通り、パソコンと共に起き、パソコンと共に寝るような奴で、パソコンとかネットについて異常に詳しい。
「クライアント次第だな。テツに回すなら、テツは必ず報酬を要求するからな」

今、取り掛かってる仕事というのは、マッチングアプリで援助交際を誘って来てから、実際には会わずに逃げるという中国系の詐欺グループのやり口の調査で、マッチングアプリで売春を誘って来て、LINEを交換した後、会う約束をし、その後コンビニでプリペイドカードを購入させ、その番号だけを写真で送らせて、実際は会わずにそのまま逃げるやり方だ。
なかなか、頭の良いやり方で携帯１つ有ればできるし、写真なんていくらでも加工でき、しかも会わないからリスクもない。
そして、男とは悲しいものでこの手の詐欺は後を立たない。