忍殺TRPGリプレイ【ワッツ・モスト・プレシャス】02

　前回のあらすじ：ペケロッパ・カルトに誘拐されたハッカーたちの行方を追って、ドサンコのコロニーへ出向したインパーミアブルとナウクラテー。だがコロニーでは自我科案件が急増し、メガデモ電子ドラッグによる暴動が勃発。さらには謎のニンジャたちが立ちはだかる！カラダニキヲツケテネ！

◇

ステータス表は省略。ナウクラテーはファイアウォールを失っている。

「軍隊崩れの野良ニンジャが、ペケロッパ・カルトに雇われたか」「崩れ？現役だ！湾岸警備隊を侮辱するな！」ダイアウルフは怒りを放ち、威圧的にカラテを構える。「そしてこのメガデモ騒ぎは、貴様らの仕業か？」「知らん。ペケロッパ・カルトの仕業としか思えんが」

『NO。我々は無関係』キルナインが否定し、ガトリング腕を向ける。「どのみち、貴様らは逮捕し連行する。抵抗は無駄だ！」

　これ以上の会話は期待できない。やむなく、三人もカラテや銃を構える。一触即発アトモスフィア！

戦闘開始

1ターン目

イニシアチブ：ナウクラテー/NC（15）→インパーミアブル/IP（14）→ベアハンター/BH＆ダイアウルフ/DW＆キルナイン/K9（6）

緊急事態！最初からハードモードだ！

NCはkill-9、18D6[632516361221354261]成功。K9は3D6[445]回避。IPはK9へ駆け寄り直結連続攻撃、[6626213][145262]2発成功、回避難易度HARD。k9は[15][65]回避。残り回避ダイス1。BHはK9へ連続攻撃2、[4226][1533]2発成功。K9は[4]命中！4ダメージを受け残り体力8！

「kill-9 YOU！」ナウクラテーがキルナインへ遠隔ハッキング！『イヤーッ！』キルナインは高速タイピングで防御！「TAKE THIS！」インパーミアブルが駆け寄り直結攻撃！『イヤーッ！』回避！ロボとはいえニンジャだ！「ウオーッ！」ベアハンターが山刀で斬りかかる！KRASH！KRASH！

『ピガガーッ！』命中！キルナインのサイバネボディが大きくダメージを受ける！「囲んで殴れば、こいつは倒せるな」だがダイアウルフは見るからにつわものだ！「その程度か！行くぞ！」

DWはBHへピストルカラテ、難易度HARDで連続攻撃3。[315][646][4532]3発成功、1発は痛打+1。BHは[66][11][45]痛打命中、1発迎撃。DWは[5153361644]回避。BHは2ダメージを受け残り体力9、回避ダイス2。K9はBHへ集中しガトリング腕（ノダチ）連続攻撃、[1416][4625]2発成功。BHは[2][3]2発命中！6ダメージを受け残り体力3！

　ダイアウルフはベアハンターの懐に飛び込み、二挺拳銃でピストルカラテを繰り出す！「イーヤヤヤヤーッ！」BLAMBLAMBLAM！ハンドガンの反動を利用して嵐のような連続攻撃！「グワーッ！？」ベアハンターは躱しきれず食らう！そこへキルナインがガトリング腕を振り下ろす！『Kill-9！』

　KRAAASH！「アバーッ！」ナムサン！ベアハンターがかなりのダメージを受けてよろめく！「弱敵！」「ち、チクショウ！」かなりまずい！

2ターン目

NCはK9へkill-9、[454646335235535226]成功。K9は[13]命中！2ダメージを受け残り体力6！IPはK9へ直結連続攻撃、[4512651][651626]成功。K9は[23]命中！ニューロン値でハッキング抵抗判定、難易度は双方NORMAL（出目6は成功数2）。K9は7D6[2653621]5成功。IPは15D6[511652421351426]9成功で4ダメージを与え残り体力2！BHはヘンゲヨーカイ・ジツ（残り精神力6）、9D6[421655362]成功。K9へ連続攻撃、[42262][411452]2発成功、1発は痛打+1。K9は[45][2]1発命中、1ダメージを受け残り体力1！

「kill-9 YOU！」ナウクラテーがキルナインへ遠隔ハッキング！『イヤーッ！』防御！「TAKE THIS！」インパーミアブルが駆け寄りLAN直結！ZZT！『ピガガーッ！』命中！「ヘンゲヨーカイ・ジツ！」ベアハンターが奥の手を見せる！巨体がさらに大きくなりグリズリーと化した！

「GROWL！」太い腕と鉤爪による連続攻撃！KRAAASH！『ピガガーッ！』命中！だがキルナインはギリギリで耐える！「チイッ！」

DWはBHへピストルカラテ、[464][526][5441]3発成功、痛打2発。BHは回避ダイス11。[141][625][266]痛打命中し体力1、1発迎撃。DWは[2355635446]回避。K9はBHへ集中ノダチ攻撃、[6335][4125]2発成功。BHは[1][6]1発命中！体力-2、精神力2を消費し食いしばり、戦闘不能。

　ダイアウルフはベアハンターの懐に飛び込み、二挺拳銃でピストルカラテを繰り出す！「イーヤヤヤヤーッ！」BLAMBLAMBLAM！ハンドガンの反動を利用して嵐のような連続攻撃！「グワーッ！？」ベアハンターは躱しきれず食らう！そこへキルナインがガトリング腕を振り下ろす！『Kill-9！』

　KRAAASH！「アバーッ！」ナムサン！ベアハンターが仰向けに倒れ戦闘不能！「フフ、まずは一匹」「や、ヤバイ！」ナウクラテーが怯える。三人の中では一番カラテが強いベアハンターが、二人がかりとはいえああもあっさりとやられるとは。「マッタ」インパーミアブルが掌を向け、銃をしまう。

「ハンズアップだ。俺たちを逮捕連行しろ」「え」（どのみち、ペケロッパのアジトへ潜入せねばならない。ならば、連れて行ってもらおう）ナウクラテーは秘密IRC通信を受け、うなずいた。このまま二人で戦っても勝てそうにない。「フン、素直で良い事だ……おい！」ダイアウルフが呼びかける。

　いつの間にか周囲にはヤクザ・トルーパーが展開していた。「オジャマシマス！」「え、ちょっと」「抵抗するな」トルーパー部隊は三人を武装解除すると、両手両足に手錠をかけた後、目隠しと猿轡を噛ませ、さらに寝袋めいた拘束スーツを着せて、輸送車に放り込んだ。「モガーッ！」

「研修して我々の手駒にしてやる。有り難く思え」プシューッ！拘束スーツの中から何らかの薬品が噴出される。そのまま三人は深い眠りへと落ちて行った……。

戦闘終了

◇

？？？

　ペケロッパ・カルトの秘密アジトと思しき場所で、三人のニンジャは完全に拘束され、無力に横たわっていた。生体LAN端子やサイバネにはロックが施され、周囲の状況は何もわからない。無力なサナギめいた状態だ。（ホーリー・ファック……！）ナウクラテーはもがくが、身動きもできない。

　あれからどれだけ時間が過ぎたのか。呼吸はできるし凍死する気温ではないが、このまま放置されればニンジャでも衰弱死するだろう。そして緊急事態だ。トイレに行きたくなってきた。ホットココアとザゼンドリンクのチャンポンが効いてきたのだ。このままでは最終的なことになり、セプクだ！

「ンンーッ！」目隠しも猿ぐつわも引き剥がせない。ナウクラテーは情けなさに涙を流した。（ダイダロス＝サン！マスター・ダイダロス＝サン！どうか道を示して下さい！助けて！）彼女は必死にメンターに祈った。その祈りが通じたのか……彼女は夢を見た。

000110101011011ドーモ、ダイダロスです』

「エ」周囲は蛍光緑色の01が飛び交い、同じ色のグリッドが地平線の彼方まで続いている。頭上には黄金の立方体。ここは。『IRCコトダマ空間です。アイサツをしなさい』「ど、ドーモ、ナウクラテーです」これは夢か幻か。『夢であり、現実です。ここのUNIXを介して、直接呼びかけています』

「本物なんですね！」『ハイ。インパーミアブル＝サンが事前に情報を送ってくれたおかげで。ここは第78コロニーの北東、空白地帯にある施設です』ダイダロスは目の前に地図情報を展開した。『時間は、あなたたちが捕らえられてから半日後。外は磁気嵐混じりのブリザードのようですね』

「あの、物理肉体を動かしたいのですが……」『そうですか。拘束を解除しました。では、起きてください』「え」ナウクラテーは目を覚まし、緑の瞳と目が合う。「ドーモ、改めまして。ダイダロスです」

少年メーカー

「ドーモ、ナウクラテーです」アイサツを交わす。この姿は、スザリンド女医のところにいた少年型オイランドロイドの片割れだ。「え、あ、じゃあ」「スザリンド＝サンは無事です。このドロイドはデータ回収と廃棄のためにここへ持ち込まれていたようで、借りました」「そうですか……ええと」

　周囲を見回すと、タタミ数枚程度の真っ白い部屋だ。インパーミアブルとベアハンターはすでに解放され、スシをつまんでいる。「おう、起きたか」「いやはや面目ない……」ベアハンターは大きな背を丸めてしょげている。「え、あの、と、トイレは」「あっちだ」「シツレイします！」

◇

ダンゴウ

　……ややあって、三人はダイダロスのアバター・ドロイドから状況説明を受ける。「ここは、ペケロッパ・カルトが接収した旧世紀の遺跡です。かつて全世界を支配したという暗黒メガコーポ、旧メガトリイ社の通信基地のひとつですね」「メガトリイ……」「フジサン頂上など各地にあります」

　ダイダロスは携帯IRC端末の画面を見せる。「第78コロニーの様子です。数十分前の映像ですが」大型交差点で大規模な玉突き事故が発生し、渋滞が起きている。昨日の暴動の火はまだ燻り続けているようだ。「メガデモ・ハッキング事件も続いています。止めねばなりませんが、これも見て下さい」

　別の映像。ビル備え付けのモニタに移るのは、緑色に輝く凄まじい砂嵐ノイズ。それを見つめていた市民たちが一斉に痙攣し、夢遊病者めいてフラフラと歩き出す。両手は脇腹のあたりで垂直に曲がって前方に突き出され、指先を痙攣させている。まるでブードゥー・ゾンビか、夢遊病ハッカーだ。

　彼らはぞろぞろと繁華街へ集まり、UNIXカフェやゲームセンターに集結すると、物理タイピングやLAN直結論理タイピングを開始した。「見ての通り操られています。彼らの攻撃先は、ここ。この施設に封印された何者かが、メガデモによって彼らを催眠状態とし、ハッキングを行わせているのです」

　彼らは口々に、謎めいた単語を唱えている。「グリーンゴースト」と。「グリーンゴースト？確か」「ええ、私があなた方をオヒガンで襲った時、そう名乗っていたようですね。とすると、私の分身……片割れなのかも知れません」ダイダロスは苦笑した。「回収したほうがいいでしょう」

「そのう、よくわかりませんが」ベアハンターが挙手する。「ああ失礼。要するに、こうです。ペケロッパ・カルトは、このところドサンコに秘匿されていた埋蔵IPなどのUNIX資源を探し求め、人海戦術で掘り当てていました。ネオサイタマのハッカーたちを誘拐したのはそれですね。これが一つ」

　ダイダロスは二本目の指を立てる。「しかし、ここの基幹UNIXに眠っていた『グリーンゴースト』を呼び覚ましたのは、ペケロッパ・カルトにとっても誤算だった。現在、この施設ではグリーンゴースト側とペケロッパ・カルトによる激しい電子的イクサの最中です。その隙に私も潜り込めました」

「なるほど」「つまりはサイオー・ホース。このまま漁師がカチグミと行きましょう。まずはこの施設の動力室をハックし、グリーンゴーストを解放させます」ダイダロスは謎めいたフロッピーを差し出す。「電子ウイルスが入っています。これを動力室のUNIXにセットし、バックドアを作って下さい」

「了解」「混乱に乗じて、ソウカイヤの援軍を突入させます。後は私が処理しますので」「わかりました」作戦は決まった。サイバネは元通りだ。奪われた装備や施設の見取り図も、ダイダロスから受け取った。「ベアハンター＝サン、ケガはダイジョブですか」「アッハイ、スシ食べて治しました」

「ダイアウルフ＝サンが出たら、どうします」「足止めするだけでいい。目的はUNIXだ。フロッピーはナウクラテー＝サンが預かっておけ」「ハイ」

通路

　三人は準備を整えると、ダイダロスと別れて動力室を目指す。監視カメラなどに気づかれないよう、しめやかに通路を駆け抜ける。ジェネレーターの遠い唸りとタービン回転音が、回廊に不気味に響いている。

ハッキング判定、難易度HARD×3（時間差）。NCが挑む。[453116][333663][412465]成功。全員ワザマエ判定、難易度NORMAL。IPは[3561135353443]成功、NCは6D6[534555]成功、BHは6D6[441166]成功。

　道々のカメラやトラップ、ドアをハッキングで切り抜け、三人は色付きの風と化して進む。だが動力室の扉の前には、キルナインに似たロボニンジャが控えている。先程食らわせた負傷は見当たらない。別の個体か。「脇道はないのか」「ありません。強行突破しましょう」「了解！」

アンブッシュ判定、ワザマエで難易度HARD。13D6[3634165434541]成功、6D6[126626]成功、6D6[544213]成功。K9は7D6[2361433]察知！

『ドーモ、キルナイン、デス』見つかった！もはやイクサあるのみ！「ドーモ、ソウカイ・シンジケートです」ベアハンターが代表アイサツ。「さっきのお返しだ！行くぞ！」一触即発アトモスフィア！

戦闘開始

イニシアチブ：ナウクラテー/NC（15）→インパーミアブル/IP（14）→ベアハンター/BH＆キルナイン/K9（6）

緊急事態！最初からハードモードだ！

NCは駆け寄ってLAN直結攻撃、6D6[253222]成功。K9は3D6[123]命中！K9は7D6[5661234]6成功、NCは18D6[641256163622326141]13成功！K9は7ダメージを受け残り体力5！IPはLAN直結連続攻撃、[1466363][634555]成功、K9は[121]命中！7D6[6413351]4成功、15D6[342254226313612]7成功！K9は3ダメージを受け残り体力2！BHは山刀で連続攻撃、[3155][6116]2成功、2成功＆殺伐！出目[6]即死！K9は[6][1]殺伐を食らい爆発四散！

「「TAKE THIS！」」ナウクラテーとインパーミアブルが飛びかかりLAN直結攻撃！ZZZT！ZZZZT！『ピガガガガーッ！』大きなダメージ！キルナインはガクガクと痙攣し煙を吐く！「クタバレーッ！」ベアハンターが山刀を振り下ろす！KRAAASH！『ピガーッ！SAYONARA！』

　KABOOOM！キルナインはなすすべなく爆発四散！「扉を開けます！」

ハッキング判定、難易度UH。18D6[162563351336534314]成功。

　ロボニンジャが門番だからか、罠や大した電子ロックはない。ナウクラテーにかかれば一瞬だ。『パスワード確認。開きます』ガゴンガゴンガゴン、プシュシュシューッ……複雑な多重構造の扉が次々と開いていく。

動力室

　広々とした動力室には所狭しとパイプラインが張り巡らされ、ゴウンゴウンと音を立てながら発電を行っている。機器の隙間からは時折勢いよく高熱の水蒸気が噴出され、ドサンコらしからぬ温度と湿度を部屋に与えていた。制御UNIXの前では、またもキルナインらしきロボニンジャが直結している。

　そして！「キューソーが電力パイプを齧りに来たか！」ナムサン！背後からハスキーボイス！「ドーモ、ダイアウルフです！」

「ドーモ、ソウカイ・シンジケートです！」ベアハンターが代表アイサツ。「どうやって脱走したか知らんが、協力者が潜んでいたか。今度は容赦せんぞ！男どもはズタズタに引き裂いて殺し、女はじっくりいたぶって研修してやる！」ダイアウルフの顔が嗜虐心に歪む。一撃必殺アトモスフィア！

【続く】

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