忍殺TRPGリプレイ【ウェアウルフ・バイ・ナイト】02
前回のあらすじ:ニチョーム自警団の次なる仕事は、連続殺人事件の調査と解決だ。被害はネオカブキチョにも及び、ニチョーム内だけでも5人が殺され1人が重傷。犯行現場を手分けして探った結果、ホームレスのたまり場に行って情報を集めようということになったが……その時、何者かが襲撃!
◆
『GRRRRR!』北公園へ急ぐ3人の横、路地の暗がりから、獣めいた何かが飛びかかってきた!「「「イヤーッ!」」」3人はニンジャ感覚で察知して跳躍回避!襲撃者は……ナムサン、ホームレスだ!目は爛々と輝き、口からはヨダレを垂らし、明らかに尋常な状態ではない!「ビンゴってわけ!?」
ファイアランナーは二挺拳銃を構えた。相手はニンジャ……では、ない。ニンジャアトモスフィアは感じられない。ならば危険薬物でも使用したか、されたか。黒幕がいるか。「捕まえてインタビューする必要がありそうね」「ああ」ファイアキラーとドゥームキラーも武器を構えた。一触即発!
戦闘開始
◆発狂ホームレス(種別:モータル、ボス級の敵)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 1 精神力 -
ワザマエ 2 脚力 3/N
ジツ - 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 5/ 2/ 1/ -
回避/精密/側転/発動 5/ 2/12/ -
◇装備や特記事項
◉痛覚遮断:体力+3
◉連続側転
●即死耐性、精神攻撃無効、交渉不能
能力値合計:8
当然手加減はするが、相手は素手で何人も殺した危険な猛獣じみた状態。油断大敵!「「「イヤーッ!」」」3人は一斉に飛びかかる!BLALALAM!SMASH!SMASH!SLAASH!『アババババーッ!』ピストルカラテ、ランスキック、さらにイアイ!瞬時に発狂ホームレスはズタボロになる!
……だが!『GRRRRR……AARGHHHH!』ナムサン!発狂ホームレスの傷口がシュウシュウという音とともにふさがり、瞬時に再生していく!「マ?」「マジで『狼男』ってわけか?フィクションのよォ」「ニンジャ、じゃあないようだけど……」3人は警戒する。何か、ヤバい!『AAAARGHHHHH!』
発狂ホームレスは獣めいて吠えたけり、連続側転を繰り出して路地裏の闇へ消えた。3人はニンジャ脚力で後を追う!
北公園
夕方、ニチョーム北公園。近くには大きなゴミ捨て場があり、ネオサイタマ各地から流れてきたホームレスたちは、それに依存して生活している。特に公衆トイレの付近には無数のテントやダンボールハウス、ビニールシートや廃材で作られた小屋が立ち並ぶ。発狂ホームレスはそこへ駆け込んだ!
3人は周囲を警戒しつつ、ねぐらの中の様子をうかがう。ボロボロの寝袋や雑多なゴミ、雑誌や酒瓶が多く転がっている。『AAARGHHHH……』発狂ホームレスは寝床の傍らに手を伸ばし、『栄養剤』と書かれた薬瓶から錠剤を取り出すと、ボリボリとかじり始めた。おそらくあれが危険薬物だ。
「つまり、アレをばら撒いてる元凶がいるってわけね」ファイアキラーは推理した。「薬瓶を手に入れれば手がかりになるわ」「よし、踏み込んでもう一度ぶちのめし、ふんだくるぞ」だが、その時!『『『GRRRRRRR!』』』『『『GRRRRRR!』』』ナムサン!周囲のテント小屋から獣めいた咆哮!
『『『AAARGHHHHH!』』』ナムアミダブツ!発狂ホームレスの群れだ!いかに手練れニンジャが3人でも、この数は……!「おいおいおいおいおい、やべーんじゃあねーかァ」「薬瓶をゲットして逃げるわよ!」一触即発!
戦闘再開:1ターン目
「「「イイイイヤァアアアーーーッ!」」」狙うは最初に遭遇した発狂ホームレス!3人のニンジャは一斉に飛びかかる!BLALALAM!SMASH!SMASH!SLASH!『GRRRR……AARGHHHH!』だが発狂ホームレスは目を爛々と輝かせ、3人の猛攻をブリッジ回避!跳躍回避!側転回避!スゴイ!
『GRRRR……!』流石に無傷とはいかぬ。しかし!『AARGHHHH!』発狂ホームレスの負傷がまたも瞬時に再生!薬瓶を携えて連続側転!小屋の外へ逃げ出す!外には発狂ホームレスの群れ!「ブッダシット!」
2ターン目
「イヤーッ!」BLALALAM!ファイアランナーは小屋を飛び出し、周囲の壁やドラム缶、廃材を蹴ってトライアングルリープ!嵐のようなピストルカラテを食らわせる!発狂ホームレスはピストルカラテをかろうじて回避!だがファイアキラーが追撃のトビゲリ!「イイイイヤァアアアーーーッ!」
SMAASH!『アバーッ!』ナムアミダブツ!発狂ホームレスは蹴り飛ばされ壁に激突!だが……なおも動く!なんたる恐るべき薬物の効果!「イイイイヤァアアアーーーッ!」ドゥームキラーが追撃のイアイ!だが別の発狂ホームレスが駆け寄り、鋭い爪でインターラプト!ガキィィン!「何ッ!?」
『『『ゴアオオオン!』』』6人の発狂ホームレスが一斉攻撃!ニンジャたちはキアイを入れる!「「「イイイイヤァアアアーーーッ!」」」SMASH!SLASHSH!SMASH!全て見切って躱し反撃!『『『グワーッ!』』』発狂ホームレスたちはのけぞる!だがその負傷は瞬時に再生!なんたるチート!
「くそったれ、キリがねェぞ!逃げちまうか!?」「ここで逃げたら、こいつらが別の場所で殺人事件を起こすわ!」「何か、策は……」絶体絶命!
……その時だ!
???
3人のニューロンに直感が走った。ニンジャ第六感だ。ただの薬物で、これほどの超自然的な効果が発揮されるだろうか?これは……ニンジャのしわざに違いない!ニンジャ感覚が鋭敏に研ぎ澄まされ、発狂ホームレスたちの頭上から伸びる細い糸が……鎖めいて繋がる紫色の01が視えた。これは!
ファイアランナーは瞬時に理解した。これはモータルのニューロンにジツをかけて、ジョルリ人形めいて操る邪悪なジツ!「ジョルリ・ジツ」だと!おそらくあの薬物がジツの触媒となり、サンシタニンジャ並みの戦闘力と異常な再生能力を引き出しているのだ。ならば、敵は……糸の先にいるッ!
これほどの強力なジツは、術者がどこか「近く」にいなければ、制御が難しいはずだ。しかしニンジャの気配は感じられない。よほどニンジャ野伏力に長けているのか、それとも……そして、糸の先にあるのは!
「「「kill-9 U!」」」ZZTZZTZZTZZT!3人は電子の速度で遠隔ハッキング攻撃を放つ!狙うはジツの糸の先、「監視カメラ」だ!ZZTTTT……KABOOM!『0101010アバーッ!?01001010』爆発した監視カメラから叫び声!同時に発狂ホームレスたちは糸が切れたジョルリめいてバタバタと倒れ伏した。
「ビンゴ。そこにいたってわけね……」ファイアキラーは監視カメラを指さした。これで事件解決、とはいかぬ。裏で糸を引く黒幕を放置すれば、同じ事件が繰り返される。居場所を突き止め、邪悪の根を絶たねばならない!「さっきのハッキングでIPは抜いたわ。追うわよ!」「「了解!」」
調査継続
【続く】
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