忍殺TRPGリプレイ【ブラッディ・ストリーム】02

　前回のあらすじ：ネオサイタマ、ソナロサ・ストリートで連続猟奇殺人事件が発生した。ギャングファミリーの構成員が次々と何者かによって虐殺されているのだ。依頼を受けたソウカイ・シンジケートは調査のために三人のニンジャを派遣した。彼らが遭遇したのは……！カラダニキヲツケテネ！

◆

「「アバーッ！」」ジョブラットが連れていたギャングスタ二人が、突如首を刎ねられ即死！ナムアミダブツ！「アイエエエ！」サイレントシャドウが悲鳴をあげる！「出やがったな！ドーモ、ジョブラットです！」彼は先手を打ってアイサツを繰り出した。アイサツされれば、返さねばならない！

「デンパルスです！」「ウーリーマンモスです！」「さ、サイレントシャドウです！」三人もアイサツを繰り出す！サイレントシャドウはデンパルスとウーリーマンモスの間に隠れ、震えながら様子をうかがう。……ギャングたちの血液が虚空に吸い上げられ、巨大で異常な存在の姿を形作った。

『AAARGHHHHH……！』おお、気の弱い方は目をそらして頂きたい！それはおおよそ二足歩行の人型であるが、全身は無数の人間や爬虫類の死体を煮込んで捏ね上げたかのよう。体表は鱗めいた血塗れの管状組織が覆っており、顔の中央には牙の並んだ巨大な口が空き、蛇じみた舌を伸ばしている。

　それはデタラメに突き出した複数の腕を動かし、掌をあわせてアイサツを返した。『ドーモ、コアトリクエ……デス……！』

◆コアトリクエ（種別：ニンジャ？/超常存在）
カラテ　　　　　　１０　　　　体力　　　　　　　２５
ニューロン　　　　　７　　　　精神力　　　　　　１２
ワザマエ　　　　　　２　　　　脚力　　　　　　　　７
ジツ　　　　　　　　５　　　　万札　　　　　　　　－

攻撃/射撃/機先/電脳　１０/　２/　７/　７
回避/精密/側転/発動　　－/　２/　－/１２
即応ダイス：４　緊急回避ダイス：－

◇装備や所持品：特になし
◇ジツやスキル
☆ビッグニンジャ・クラン（？）、ジツLV５
　☆巨体化の秘儀LV５：体力＋１５、脚力＋２、側転UH
　☆◉歩く武器庫（素手でノダチ持ち状態）：基本ダメージ３、攻撃難易度UH、連続攻撃上限３
　　●戦闘スタイル：回転斬撃　隣接する敵全員に１ダメージ（ワザマエ判定H）
　　武器や銃器の所持ペナルティ、運搬によるペナルティを全て無視
　◉◉グレーター級ソウルの力：ニューロン＋ジツで精神力換算
　★★常時大型化：大型（１×１）、即死耐性、側転不可、素手リーチ＋１、轢殺１

●鉤爪：連続攻撃２、ダメージ２
●吸血：血液を持つ存在を殺害するか殺伐を与えた時、体力・精神力・即応のどれかを＋１
●アストラルボディ：パッシブ効果、常時発動、回避行動不可　即死耐性、部位破壊無効
　一度ダメージを受けると同じ種類のダメージに耐性を獲得し、ターン終了まで無効化する
●エテル・シフト：精神力１を消費しマップから消え去る
　望むなら即座にマップ上の任意の場所に再出現しアンブッシュ可能
　追加で精神力１を消費しジツ発動判定Hに成功すると、隣接する敵に殺伐（回避H）
●不滅：体力か精神力がマイナスになると撤退、通常の手段では滅ぼせない
●精神攻撃無効

能力値合計：１９

戦闘開始

1ターン目

イニシアチブ：コアトリクエ/CC（7）→デンパルス/DP＆サイレントシャドウ/SS＆ウーリーマンモス/WM（6）→ジョブラット/JR（2）

大気にカラテが満ちる！最初からハードモードだ！

CCはJRへ轢殺＆鉤爪連続攻撃、[34511][34562]2成功、3成功。JRは[6][542][32]1発命中！2ダメージを受け残り体力4！

『AAARGHHH！』アイサツ終了からコンマ02秒後、コアトリクエはジョブラットへ蛇めいた腕を伸ばす！ハヤイ！KRASH！「グワーッ！」躱しきれず、鉤爪が命中！「巨大仏像デカブツが！包囲かこんで殴打なぐるッスよ！」「おう！」「は、ハイ！」ソウカイヤの三人が動く！

DPは連続攻撃、[26213][5132]2発成功。CCの残り体力23。SSはシャドウ・スネア発動（残り精神力10）11D6[44315564211]成功。CCは1ダメージ受けて残り体力22。術者の次の手番まで集中不可、能動行動難易度+1。

「イヤーッ！」デンパルスは巨体の顔面部分へトビゲリだ！KRASH！『AAARGGHHH……』命中！コアトリクエはよろめく！「カラテが有効きくなら打倒可能たおせるぜ！」「い、イヤーッ！」サイレントシャドウはウーリーマンモスの陰からシャドウ・スネア！影の触手を伸ばす！

WMは突撃&連続攻撃、[4263][123]1発成功。CCは「アストラル・ボディ」でカラテ攻撃を無効化！

『GRRRR……』コアトリクエの脚が触手に絡みつかれ、動きが鈍る！「行くぞ！ウオードッソイ！」ウーリーマンモスは突進！ビッグニンジャの代名詞である頭突き攻撃だ！巨体ニンジャといえどこれを食らえばただでは済まない！だが……グニォン！「なにッ！？」ナムサン、突進攻撃がすり抜けた！

JRはヒートカタナで斬りかかる！[666643]5成功&ナムアミダブツ[2]頭部痛打！だが部位破壊を無効化！火炎ダメージ1は通り残り体力21。

『SHHHHHH……！』コアトリクエは仮初めの肉体を瞬時にユーレイめいて希薄化させ、攻撃を躱したのだ！「クソカブラが！死ねーッ！」ジョブラットはヒートカタナで斬りかかる！狙うは顔面！『AARGHHHH……！』命中！肉が焦げるにおいがあたりに漂うが、ダメージ自体は小さいようだ！

2ターン目

CCはWMにエテル・シフト発動（残り精神力10）、ノダチ攻撃でアンブッシュしジツ発動、攻撃難易度-1。[15445][13511][135355432366]成功。殺伐[1]弾き飛ばし。大型ゆえ痛打のみ受ける。WMは3+3+2＝8ダメージを受け残り体力19！CCは吸血して残り体力22。

　01010101……コアトリクエは虚空に姿を消し、ウーリーマンモスの背後に再び出現！蛇めいた舌を突き刺して血を吸う！「グワーッ！？」ナムサン！ウーリーマンモスはかなりのダメージを受け、膝をつく！もし彼が異常タフネスを誇るビッグニンジャでなければ、即座に爆発四散していただろう！

DPは…距離をとってデン・ジツ（残り精神力7）、[4446121361]成功。1+1+2＝4ダメージを与える。CCは残り体力18！

『AARGHHHH……！』コアトリクエは満足げに邪悪な声を放つ。「カラテが無効ダメなら……ジツだ！」デンパルスは指先を銃めいて構え、エテルを凝集する！「電撃見世物エレクトリック・サーカス！」ZZZZZT！デン・スリケンがコアトリクエに突き刺さる！『AAARGHHHH……！』

SSは…スリケン投擲&レッサー・ブンシン・ジツ発動（残り精神力9）、[34623][35662214224]成功。CCは残り体力17。

　コアトリクエは苦悶している！かなりのダメージだ！「い、イヤーッ！」サイレントシャドウはデンパルスの陰からスリケン投擲！さらに自らの周囲に三つのブンシンを出現させる！『GRRRR……』コアトリクエは回避行動を取ろうとしない。この存在はニンジャなのか、そうではないのか……？

WMは…CCへ轢殺&ノダチ連続攻撃！[6251][236]2発成功！1+3+3＝7ダメージを与え残り体力10！JRはヒートカタナで斬りかかる！[163262]2成功&殺伐[5]両腕破壊！だが部位破壊無効！火炎ダメージ1が通り残り体力9！

「ウオーッ！」「イヤーッ！」ウーリーマンモスとジョブラットがコアトリクエへ飛びかかる！ハリテとヒートカタナが命中！『AAARGHHH！』コアトリクエは苦痛に身をよじる！「ケッ、ニンジャ四人に囲まれて無事で済むわきゃねーだろォ！」ジョブラットは勝ち誇る！彼は弱者には強いのだ！

3ターン目

CCは…JRにエテル・シフト発動（残り精神力8）、ノダチ攻撃でアンブッシュしジツ発動、攻撃難易度-1。[22466][62251][141464522623]2成功&殺伐[5]脚部破壊、2成功、成功[5]脚部破壊。JRは回避UH！アドレナリン・ブーストして（残り精神力1）[63][25][35]回避！ゴウランガ！

　01010101……コアトリクエは虚空に姿を消し、ジョブラットの背後から吸血攻撃！「！」ジョブラットは瞬時にアドレナリンを過剰分泌させ、「イヤーッ！」ブリッジ回避！「ハァーッ、一度見てるンだよ！」「上出来グッジョブ！」デンパルスはサムアップし、再びデン・ジツを放つ！

[4452324164]成功（残り精神力6）。CCは4ダメージを受け残り体力5！SSはスリケン、8D6[35435146]成功。CCは残り体力4！WMは轢殺&突撃&連続攻撃、[2343][263]2発成功。CCは5ダメージを受け残り体力-1、撤退！

　ZZZT！『AARGHHH！』命中！「イヤーッ！」サイレントシャドウのスリケン！『AARGHHH！』そして！「ドッソイオラーッ！」ウーリーマンモスがお返しとばかり再び突進！KRAASH！『ARGGGGHHHHH！YARARETA！』コアトリクエは身悶えし、01に分解して消えていく……！

戦闘終了

「すげえ！やったか！」ジョブラットが喜ぶ！「いや……まだっぽいです」サイレントシャドウが首を振る。彼女はアーチ級ニンジャソウル憑依者ゆえか、この中では特にニンジャ第六感が鋭い。「かなりなダメージは与えましたが、形勢不利とみて撤退したんでしょう」「チッ、めんどくせえな」

「これで、しばらく出なくなればいいんですけど……」サイレントシャドウはため息をついた。いつぞやのパテカトル事件といい、なんというサツバツで超常的な世界に足を踏み入れてしまったのだろう。もし自分がモータルのままなら、あの怪物を見ただけで発狂するか、死んでいたかも知れない。

「善くはねェ。このままだと、またアレが出現あらわれて殺戮コロシを始めるぜ。鼬鼠遊戯いたちごっこの土竜敲戯もぐらたたきってワケだ」デンパルスは汗を拭う。ニンジャが複数で囲んで殴れば撃退できるが、モータルがアレに襲われればひとたまりもない。根を絶たねば！

「じゃあ、どうすンだ」「もうちょい調査しらべる必要があるな。殺害バラされた奴らの共通点とか、殺された位置とか……」「ここだけで四人が殺されてるぜ。トラスタマラも、アブスブルゴもだ」「いっぺん事務所に戻るか？」ニンジャたちは周囲を警戒しながら話し合う。

？？？

PC全員がニューロン判定、難易度UH。[622213][646362][352466]全員成功。6が一番多いSSが気づく。全員に即応ダイス+1。

「……まさか」サイレントシャドウが、ふと気づいた。これまでの犠牲者は一日一人だったというが、今日は一気に四人だ。トラスタマラ以外のファミリーの構成員も死に、目撃者であるニンジャたちも襲われた。撃退したはいいが、なぜ急に？「まさか……！」彼女はデンパルスに耳打ちする。

『フアナ＝サンが、あいつを操っている可能性があります』「……成程なる」デンパルスは頷いた。この場所で殺戮が起きたのは、自分たちがフアナを訪問した直後だ。彼女が意識的にか無意識にか、コアトリクエを操って殺人事件を起こし、自分たちを誘き寄せて始末しようとしたというわけか。

「有可能性アリッスね」デンパルスはウーリーマンモスにも同じ内容を耳打ちする。「おい、何やってる」ジョブラットは訝しんだ。「一寸ちょっと気になることがあってな。戻るぜ」デンパルスはジョブラットにオジギし、名刺を差し出した。「何かあれば召還よんでくれや」

　他の二人も名刺を差し出し、ジョブラットもやむなく応じる。「わあったよ。じゃあな」「ハイ」三人は真剣な表情で彼と別れ、家紋タクシーに戻って雑居ビルへ急行する。「けど、どうやってその、証拠を」サイレントシャドウが震える。「ただのカンです」「ニンジャ第六感。それが証拠ッスよ」

　デンパルスは唇を引き結ぶ。「各方面へ連絡しときます。なんか情報が掴めるかも」「ああ」ウーリーマンモスは負傷を手当てし、備え付けのスシを食べて傷を癒やす。ことによれば、このままもう一度あの怪物と戦うことになるだろう。囲んで殴れば勝てるが、根を絶つとなると、まさか……！

【続く】

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