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忍殺TRPGリプレイ【ブラッディ・ストリーム】03

 前回のあらすじ:ネオサイタマ、ソナロサ・ストリートで連続猟奇殺人事件が発生した。ギャングファミリーの構成員が次々と何者かによって虐殺されているのだ。依頼を受けたソウカイ・シンジケートは調査のために三人のニンジャを派遣した。彼らが遭遇したのは……!カラダニキヲツケテネ!

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「……まさか」サイレントシャドウが、ふと気づいた。これまでの犠牲者は一日一人だったというが、今日は一気に四人だ。トラスタマラ以外のファミリーの構成員も死に、目撃者であるニンジャたちも襲われた。撃退したはいいが、なぜ急に?「まさか……!」彼女はデンパルスに耳打ちする。

フアナ=サンが、あいつを操っている可能性があります』「……成程なる」デンパルスは頷いた。この場所で殺戮が起きたのは、自分たちがフアナを訪問した直後だ。彼女が意識的にか無意識にか、コアトリクエを操って殺人事件を起こし、自分たちを誘き寄せて始末しようとしたというわけか。

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有可能性アリッスね」デンパルスはウーリーマンモスにも同じ内容を耳打ちする。「おい、何やってる」ジョブラットは訝しんだ。「一寸ちょっと気になることがあってな。戻るぜ」デンパルスはジョブラットにオジギし、名刺を差し出した。「何かあれば召還んでくれや」

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 他の二人も名刺を差し出し、ジョブラットもやむなく応じる。「わあったよ。じゃあな」「ハイ」三人は真剣な表情で彼と別れ、家紋タクシーに戻って雑居ビルへ急行する。「けど、どうやってその、証拠を」サイレントシャドウが震える。「ただのカンです」「ニンジャ第六感。それが証拠ッスよ」

 デンパルスは唇を引き結ぶ。「各方面へ連絡しときます。なんか情報が掴めるかも」「ああ」ウーリーマンモスは負傷を手当てし、備え付けのスシを食べて傷を癒やす。ことによれば、このままもう一度あの怪物と戦うことになるだろう。囲んで殴れば勝てるが、根を絶つとなると、まさか……!

???

 雑居ビルの一室、フアナの部屋に駆けつけた三人は異変に気づいた。ドアは内側からひしゃげ、フアナはいない。部屋の中にはニンジャアトモスフィアと血のにおいが漂っているが、死体はないようだ。「先を越されたか!」「フアナ=サンは、まさか……」「生きているはず、だと思うッスけど」

全員がジツ値で判定、難易度H。[5311][31341][33516]DPとWMが成功。

 サイレントシャドウの直感が正しければ、コアトリクエに依代とおぼしきフアナを殺す理由はない。やつに自我があったとしても生かしておくはず。「で、ヤツはどこへ行った?」三人はニンジャソウルの痕跡をたどる。フアナはニンジャではなかったが、コアトリクエはニンジャか、それに類する。

「……あっちだ」ウーリーマンモスが感づき、指差す。三人は色付きの風と化して追跡する。向かっているのは……「アイエエエ!」悲鳴!雑居ビルの外で通行人が襲われている!「アバーッ!」即死!コアトリクエは異様な姿を現し、夜の街を歩き出した!「アイエエエ!」「ニンジャ!?」

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 ストリートは大混乱だ!「ヤバレカバレで無差別に殺し回るつもりか!」「と、止めないと!……って、アレは!」三人のニンジャ視力は、コアトリクエの体内に取り込まれたフアナの姿をとらえた!「クソ、ウカツに手が出せねえぞ!」体内から彼女だけをえぐり出すか?それとも、諸共に……?

全員がジツ値で再び判定、難易度UH。[1552][63241][13246]成功!

 その時、サイレントシャドウがなにかに感づく!「……どこかに、アレを操っている真の本体があるはずです。フアナ=サンは、ただの依代……!」サイレントシャドウに憑依したニンジャソウルは推定アーチ級だ。ジツに関しては三人のうち最も鋭敏と言える。彼女の周囲の影がざわざわと揺れる。

「……一週間前、連続猟奇殺人事件が始まった日、何があったかわかった」ウーリーマンモスは脂汗を流しながらIRC端末に送信された情報を伝える。「大聖堂の改修工事が始まった日だ。フアナと、その恋人のフィリップはそれを見物に行った。その晩、フィリップが殺されてる」「何故です?」

「そいつ、あちこちに愛人がいたってよ。それを嫉妬したのかも知れねえ。つまり、フアナは大聖堂で怪物に魅入られて……」「大概理解だいたいわかったッス」無差別殺戮が開始された以上、ボヤボヤしている暇はない。三人は各方面へ連絡しつつ家紋タクシーに飛び乗り、大聖堂へと向かう!

『GRRRR……』コアトリクエはそれを察知し、01分解して姿を消した。異なる次元を移動して、通常より早く別の場所に転移するのだ。

???

 大聖堂、工事現場。三人は家紋タクシーを降り、ニンジャソウル痕跡を追って地下へ降りていく。……ナムサン。そこには巨大な神殿の遺跡があり、様々な神々の彫像とともに、あのコアトリクエの像も祀られていた。発掘中なのか強烈な工事用ライトで照らされているが、人の気配はない。

 そして、見よ。その像の手前には大きな壺があり、多数の人間の脳ミソ、心臓、ハラワタ、背骨が捧げられ、火もないのにグツグツと煮立っている。「うえッ」サイレントシャドウは目をそらし、吐き気をおぼえた。明らかに呪術的なレリックだ。おそらくこの神々は古代のリアルニンジャであろう。

 そしてあの怪物は、リアルニンジャ自身ではなく、いわばそのだ。本物が蘇っていればネオサイタマはタダでは済むまい。しかし、もし生贄の数が十分なほどに達すれば、本体が目覚めてしまうかも知れない!「急いでブッ破壊こわすぜ!」「おう!」三人はカラテを構えた。だが、その時!

CCのアンブッシュ、標的は1D6[4]SSだ![45161][41161]3成功、2成功。SSは回避UH![444][451]失敗!4ダメージを受け残り体力2!だが「マッタキ」発動(残り精神力8)![32653412233]成功。戦闘終了まで気絶状態となり、攻撃対象とならない。手番開始時に精神力1を支払うと復活し即時行動可能。

 0101010101……虚空からコアトリクエが出現し、鉤爪をサイレントシャドウに振り下ろした!SLAASH!「ンアアアーッ!」ウカツ!サイレントシャドウは悲鳴をあげて倒れ伏す!「クソッタレ!ドーモ、デンパルスです!」「ウーリーマンモスです!」『AAARGHHHH……コアトリクエ、デス……!』

 サイレントシャドウは気絶している。ウーリーマンモスは舌打ちし、彼女を米俵めいて担ぎ上げた。『……AARGHHHH……我ガ、計画ノ、邪魔ハ、サセヌ……!!』怪物が掌を石像にかざすと、その掌と死体が煮込まれた壺から邪悪なエナジーが注ぎ込まれ、石像は両眼を輝かせて動き出した!

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◆カラテゴーレム(種別:戦闘兵器/超常存在/大型2×2)
カラテ      12    体力       36
ニューロン     1    精神力       -
ワザマエ      1    脚力        6
ジツ        -    万札        -

攻撃/射撃/機先/電脳 12/ 1/ 1/ 1

◇装備や特記事項
●巨大な拳:連続攻撃2、ダメージ3、攻撃難易度UH、弾き飛ばし
●非テック存在
●大型2×2:即死耐性、轢殺2

能力値合計:14

仏陀不悪口ブッダファック!」デンパルスは青ざめ、毒づいた。ナムサン!前門のタイガー、後門のバッファローだ!一撃必殺アトモスフィア!

戦闘開始

1ターン目

イニシアチブ:コアトリクエ/CC(7)→デンパルス/DP&ウーリーマンモス/WM&サイレントシャドウ/SS(6)→カラテゴーレム/KG(1)
大気にカラテが満ちる!最初からハードモードだ!
CCは…1D6[5]WMへ轢殺&ノダチ連続攻撃。[26426][14136]2成功&殺伐[3]急所破壊、1成功。WMは体力3回復しており現有22。回避2、緊急回避6。緊急回避4を消費して回避![3][515][13]2発命中!4ダメージを受け残り体力18!
DPは側転&壺めがけデン・ジツ発動(残り精神力5)、[223256][3464155551]成功。CCはニューロン判定H、7D6[2234261]成功。エテルシフトを発動し(残り精神力11)壺をかばう!4ダメージを受け残り体力21!

『AARGHH!』コアトリクエはウーリーマンモスへ蛇の舌を伸ばして襲いかかる!KRASH!「グワーッ!」命中!だがビッグニンジャ耐久力で耐える!「イヤーッ!」ZZZT!デンパルスは側転しながらデン・スリケンを壺めがけ射出!010101『GRRRR!』コアトリクエは瞬間移動して壺をかばう!

WMはSSを背負ったまま壺めがけ轢殺&連続攻撃、[3315][534]2発成功。CCは[3632331]成功、壺をかばう!3ダメージを受け残り体力18!

「ドッソイ!」ウーリーマンモスも壺めがけて駆け寄る!しかしコアトリクエが必死のインタラプト!KRASH!『ARGHHH!』無視できぬダメージだ!「二人でなんとかするしかねェか……!」その時!「イヤーッ!」サイレントシャドウが目を覚まし、ウーリーマンモスの背から飛び降りた!

SSは精神力1を支払い復活(残り7)、壺・CC・KGを巻き込んでシャドウ・スネア発動(残り精神力6)![64435115211]成功!CCは[4351636]壺をかばう!2ダメージを受け残り体力16!KGは残り体力35!SSは手番終了時にレッサー・ブンシン・ジツ発動(残り精神力5)[43642442346]成功。精神力1を支払い(残り4)ブンシン5体出現!

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「シャドウ・スネア!」サイレントシャドウは石畳に掌をつき、瞳に漆黒の闇を宿らせてジツを発動!工事用ライトに照らされた彼女の影が長く伸び、黒い触手が湧き出す!『『AARGHHH!』』コアトリクエは必死で壺をかばう!サイレントシャドウはさらに影からブンシンを五体生み出す!

KGは[3]SSを攻撃、攻撃難易度+1されUH2![462263][265312]2発成功!しかしデコイだ!

『AARGHHH!』カラテゴーレムは闇雲に腕を振り回し、石畳ごとサイレントシャドウの一体を叩き潰す!KRASH!だがブンシンだ!「オニサン、コチラ!」サイレントシャドウは挑発的にキツネ・サイン!ゴウランガ!『壺ハ破壊サセヌ……!』どのみちコアトリクエを倒さねばならない!決戦だ!

2ターン目

CCは…[5]WMへ攻撃、轢殺&連続攻撃。攻撃難易度H![16324][16543]1成功、2成功。WMは轢殺を体力で受け[3][5]1発命中!3ダメージを受けて残り体力15!DPはCCへデン・ジツ(残り精神力4)[2642224114]成功。CCは4ダメージを受け残り体力12!WMはCCへ轢殺&突撃&ノダチ連続攻撃、即応ダイス7をつぎ込む![2652311][3542165]2発成功!CCは1+3+3=7ダメージを受け残り体力5!

『AARGHHH!』コアトリクエはウーリーマンモスへ恐るべき連続攻撃!KRASH!「グワーッ!」命中!ウーリーマンモスはビッグニンジャ耐久力で耐える!「イヤーッ!」ZZZZT!デンパルスがデン・スリケンを射出!『AAARGGHHH!』命中!無視できぬダメージだ!「ドッソイオラー!」

 ウーリーマンモスはオスモウ・シャウトとともに、コアトリクエめがけて捨て身のブチカマシ!KRAASH!『AAAAARGHHH!』命中!コアトリクエの巨体がグラグラと揺らぐ!幸い体内のフアナは無事だが、あまり無茶もできぬ。「SHHHH……!」サイレントシャドウはイクサによるトランス状態だ!

SSはシャドウ・スネア&レッサー・ブンシン(残り精神力2)、[634451656263241][4142431114]ブンシン失敗!CCは7D6[5213323]壺をかばい2ダメージ、残り体力3!KGは残り体力34、[2][3][1]DPとSSへ轢殺、DPへ連続攻撃2!攻撃難易度UH![255536][164541]攻撃失敗!DPは[554452352]SSは[436136]轢殺回避。

「イヤーッ!」四体のブンシンが消え去りながらシャドウ・スネアを放つ!『『AAARGHHH!』』コアトリクエとカラテゴーレムは触手に絡みつかれて動きが鈍る!もう一息だ!『AARGHHH!』カラテゴーレムは闇雲に腕を振り回すが、デンパルスとサイレントシャドウは巧みにスウェー回避!

3ターン目

CCは[2]DPへ攻撃、エテルシフト・アンブッシュ(残り精神力9)。[52131][12452][553322362513]成功[1]弾き飛ばし。DPは回避UH、アドレナリン・ブーストし(残り精神力3)[321][266][413]2発命中!3ダメージを受けて弾き飛ばされ激突、合計4ダメージ!残り体力5!CCは吸血し残り体力4!

 010101……コアトリクエは01分解し、デンパルスの背後から吸血アンブッシュ!「グワーッ!」KRASH!デンパルスは鉤爪で切り裂かれ、壁に激突!溢れ出る血液をコアトリクエが舌で吸い上げる!『GRRRR……!』なんたる恐るべきジツか!「ウオオオーッ!」デンパルスは……デン・ジツを放つ!

側転&デン・ジツ(残り精神力2)[611554][4631231565]成功。CCは残り体力0!だが動く!WMは手加減し通常攻撃、[5462164]5成功&殺伐[1]弾き飛ばし。CCは残り体力マイナスになり一時消滅。だが壺がある限り復活可能!

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 ZZZZZT!『アバババーッ!』コアトリクエが狂い悶える!『ンアーッ!』体内のフアナも苦悶!『助けて……!』「おう!イヤーッ!」ウーリーマンモスは両手を突き出し、コアトリクエの体内に突き入れ、フアナを引きずり出す!『AAARGHHHH!YARARETA……!』コアトリクエは01分解し消滅!

SSは壺へカラテ、[614141]成功!

「イイイ……イイイヤァアアアーーーッ!」サイレントシャドウはすかさず壺へトビゲリ!KRAAASH!『AAAARGHHHHHH!』おぞましい叫び声が地下空間に響き渡り、カラテゴーレムは動きを止めた!あたりを満たしていた強烈なニンジャ存在感が消えていく……!「や……ヤッタ……!」

 サイレントシャドウは気力と体力を使い果たし、再び気絶した。

エピローグ

 ……こうして、ソナロサ・ストリートで起きた連続猟奇殺人事件は幕を下ろした。三人は「野良ニンジャ・コアトリクエを探し出して倒した」とだけ報告し、フアナについては黙っておくことにした。しかし、彼女や周辺住民が地下に眠るリアルニンジャに再び魅入られる危険性は依然残っている。

 さらなる調査の結果、大聖堂に祀られていた聖遺物「聖ゴダの爪の垢」が改修工事により動かされた時が、フアナが魅入られた時と一致した。おそらく聖ゴダとは神代のリアルニンジャで、コアトリクエらの復活を封じていたのではないか……とは、リー先生の言葉だ。『実際興味深いねェー!』

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 リー先生は調査報告を聞いて興奮した。『コアトリクエと言えばメキシコの大地母神!それがニンジャだというのは当然として、なぜ遠く離れたネオサイタマにその遺跡が存在したのか!もっと詳しく調査する必要がある!君たちにも調査隊に参加してもらうよ!これは決定事項!』「アッハイ」

 先行して秘密調査隊が何者かにより派遣されていたようだが、コアトリクエらに皆殺しにされ、壺の中身になったのだろう。ともあれ三人は各方面と交渉し、聖遺物を大聖堂に戻させた。すると大聖堂の地下を覆っていたニンジャ存在感はますます弱まった。さらなる調査が可能となったのだ。

「オレは実際多忙いそがしいンで……」デンパルスは頭をかく。「私もまだ研修とかありますし」サイレントシャドウもため息をつく。「俺はまあ暇だがよォ」ウーリーマンモスは肩をすくめた。「サイレントシャドウ=サンだけでも、たまには現場を見に来てくれや」「アッハイ、わかりました」

 リー先生が派遣した調査部隊は、ウーリーマンモスらとともに地下へ降りていく。いずれまた何かが発見されることだろう。だが、今はそれについて語るべき時ではない。……重金属酸性雨が降る夜。フアナはひとり、窓辺から外を見ていた。夢見るような目で。そして呟く。「…………またね」

【ブラッディ・ストリーム】終わり

リザルトな

評価:A 野良ニンジャ・コアトリクエを倒し、ソナロサ・ストリートの連続猟奇殺人事件を解決した。またコアトリクエに囚われていた女性フアナを無事に取り戻し、ソウカイヤに大聖堂地下の古代ニンジャ文明の遺跡について報告した。万札60を山分けとし、名声1、余暇4日を獲得。1人頭万札20。SSとWMは各々借金9と8を返済する。

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