忍殺TRPGリプレイ【アイ・ウォント・トゥ・イート・スシ】01
ドーモ、三宅つのです。これは古矢沢=サンのシナリオ「回転スシ・バーの騒乱」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。
回転スシ・バーに突然現れた邪悪なニンジャに立ち向かうシナリオです。成長の壁を超えた能力値を持たないPC4人での挑戦が想定されていますが、調整は可能でしょう。プレロールドキャラクターの使用も可能です。
物理書籍版ルールブックにも掲載された5人の公式プレロールドキャラがいますが、今のところ単独での立ち絵がないですね。でもまあせっかくですから、つの次元にも彼らがいることにしてやってみましょう。振る舞い次第ではニンジャスレイヤーがWasshoiします(時系列シャッフルとかで)。5人いると多すぎますし、キルフィスト=サンとマインドシーカー=サンは外します。ピンチになれば加勢するかも知れません。では、始めます。
◆◆◆
序
ネオサイタマ、オハヤシ・ストリート。「安くて旨い」「よく光る」「安全な」といったネオン・カンバンが掲げられた、粉末形成スシ専門の小さな回転スシ・バー。
ストリートで同時多発的に発生していたヤクザクラン同士の衝突は、ネオサイタマを牛耳る暗黒組織、ソウカイヤこと「ソウカイ・シンジケート」の介入で適切に対処された。ソウカイヤに派遣されたエージェントたちは衝突し合うヤクザクランを痛めつけて脅し、強引にテウチを行わせたのだ。
「手応えのないビズだったわね」カウンターに座る金髪の女が溜息をつき、ユノミからチャを啜る。彼女の名はサイコダガー。そのバストは豊満だ。
◆サイコダガー(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 3 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 3/N
ジツ 2 万札 -10
DKK 0 名声 2
攻撃/射撃/機先/電脳 3/ 4/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動 5/ 4/ 4/ 5
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶ヒキャクLV1:脚力と回避+1
◇ジツやスキル
☆カラテミサイルLV2
◉不屈の精神:精神力+1
◉ランスキック
○生い立ち:言いくるめ モータルハント時に万札+1(余暇中1回限り)
◉知識:セキュリティ、犯罪 記憶
◉交渉:欺き、誘惑
能力値合計:14
『報酬が貰えれば文句は言わん』少し奇妙な電子音声を発したのは、肉体をオムラ製サイバネで強化した剣呑な男だ。彼の名はデッドローニン。ともにソウカイヤのニンジャで、ふわふわローンに借金がある。
◆デッドローニン(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 4 脚力 2/H
ジツ 0 万札 -10
DKK 0 名声 2
攻撃/射撃/機先/電脳 5/ 6/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動 5/ 5/ 5/ -
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶テッコLV1:カラテと回避+1
▶サイバネアイLV1:ワザマエ+1、射撃時さらに+1
◆カタナ
◆ウイルス入りフロッピー
◇ジツやスキル
○生い立ち:サイバネ賞金稼ぎ 重サイバネの死体から万札+1(ボス級なら+5)
◉知識:重工系暗黒メガコーポ(オムラ)、サイバネティクス 記憶
能力値合計:11
「アンタらのスシも食っちまうスよ!」この2人よりやや若い、10代後半と思しきストリートファッションの青年が、回転レーンから次々とスシ皿を取る。彼の名はキツネビ。『スシを食べ過ぎるな』「アベ一休スね!ハイ!」キツネビは2人にスシ皿を渡す。「カタギにも配慮しろっつってンのよ」
◆キツネビ(種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 4
ニューロン 2 精神力 4
ワザマエ 3 脚力 3/E
ジツ 3 万札 0
DKK 0 名声 2
攻撃/射撃/機先/電脳 2/ 3/ 2/ 2
回避/精密/側転/発動 3/ 3/ 3/ 5
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆オーガニック・スシ
◇ジツやスキル
☆カトン・ジツLV3
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、側転難易度-1
○生い立ち:生粋のソウカイヤクザ
◉◉忠誠心:ソウカイヤ×2 体力と精神力+2
◉知識:ストリートの流儀、現代的アート(音楽) 記憶
能力値合計:13
キツネビは回転レーンの向かい側、両眼をサイバネ化したイタマエと向き合い、ついで向かって左、下流を見る。年配の女性が困ったような顔をしている。「ああ、こりゃシツレイ。はいよ!」キツネビは彼女にもスシ皿を取って渡す。「ど、ドーモ」「どういたしまして」キツネビは笑顔を向けた。
彼のような若者が好むのは、無軌道な騒々しさで溢れたドンブリ・ポン社のチェーン店だ。人との関わりに疲れた下層労働者やサラリマンは、静かな無人スシ・バーを好む。粉末形成でないオーガニック・スシを出す高級店もあるが、中流以下のネオサイタマ市民が気軽に立ち寄れる場所ではない。
回転スシ・バーはそれらとは違い、老人たちが好む古き善き空間だ。イタマエと客、そして客同士の温かい交流と笑顔がある。剣呑なソウカイヤのニンジャたちは場違いにも思えるが、イタマエや客は内心で怯えつつも、彼らをヨージンボとみなしてもてなしているのだ。「そう、カタギは大事にね」
サイコダガーは目を細め、スシをつまんだ。彼女とデッドローニンは借金があり、キツネビは文無しだが、ここはソウカイヤの庇護下にある店だ。経費で落ちるしツケもきく。反面、イタマエや客に無礼を働けば査定に響く。もっとカネが稼げるようになれば、専門のイタマエを雇えるだろうが……。
その時!
???
KRAAASH!回転スシ・バーのドアが蹴破られ、何者かが店内にエントリーした!「ア?」3人のソウカイニンジャはそちらを振り向く。侵入者は3人。2人は火炎放射器を構えたギャング。もう1人はフルフェイスヘルメットをかぶり、蛍光色に輝くチェーンソーを手にしている!そして……!「ドーモ」
フルフェイスヘルメットのギャングは、威圧的にアイサツを繰り出した。「ディバイドチェーンです!この店に強盗しに来ました!」ナムサン!
◆ディバイドチェーン(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 7
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 5 脚力 3/UH
ジツ 0 万札 12
DKK 12 名声 ?
攻撃/射撃/機先/電脳 5/ 6/ 2/ 2
回避/精密/側転/発動 5/ 6/ 4/ -
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆チェーンソー:2ダメージ、攻撃難易度H、装備時側転難易度+2
集中時に出目65で殺伐発生
◆タクティカルヘルム&タクティカルスーツ:体力+2
◇ジツやスキル
☆ヤイバ・ニンジャクラン
◉戦闘スタイル:刃の舞 回避ダイス2消費し発動
カラテとワザマエで1回ずつ攻撃判定を行い、各々別の対象を攻撃 殺伐なし
◉ニンジャソウルの闇(1):体力・攻撃・射撃・発動+1
◉突撃:脚力の倍マス直進し、直後の攻撃に痛打+1 次の手番まで回避不能
◉緊急ブリッジ回避:回避判定直前に精神力1消費し発動(シナリオ中1回限り)
この回避判定難易度を-2し、この回避にのみ使用可能な緊急回避ダイス+3
能力値合計:13
◆火炎放射器ギャング(種別:モータル)×2
カラテ 2 体力 2
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ 0 万札 6
攻撃/射撃/機先/電脳 2/ 2/ 3/ 4
◇装備や特記事項
▶生体LAN端子LV1
◆火炎放射器:範囲攻撃(3×3マス)、火炎ダメージ1
燃料タンクにより戦闘中は弾切れなし
能力値合計:6
「「「アイエエエ!?」」」客やイタマエは悲鳴をあげ、姿勢を低くする。「カネを出せェ!」「雑魚は大人しくしとけェ!」ギャングたちは威圧的に火炎放射!なんたる暴虐か!「待ちな」3人のニンジャたちは席から立ち上がり、アイサツを返す。「ドーモ、我々はソウカイ・シンジケートです!」
ディバイドチェーン。このストリート周辺で最近物騒な動きをしている、新興の小規模ギャングクランだ。ケツモチは確認されておらず、対処に当たったマッポが惨殺されたとの噂もあり、近隣住民に恐れられている。頭目はニンジャだともいう。つまり、そいつだ。「ここでの狼藉は許さないよ」
サイコダガーは堂々とギャングたちに立ち向かい、指差す。「スシが不味くなるから、とっとと出て行きな!あとで賠償を請求してやる!」「ほう」ディバイドチェーンは首を傾げた。「他のニンジャと出会うのは初めてだ。ソウカイ・シンジケート?このストリートの神である俺に逆らうのか?」
「プッ!」キツネビが噴き出した。「神気取りかよ!じゃあ俺はゴッド・オブ・ファイアとか名乗ってやらァ」「アンタは他人のこと笑えないでしょ」サイコダガーは肩をすくめた。『そこの2人はニンジャではないな。死にたくなければ尻尾を巻いて逃げろ』デッドローニンは冷たく宣告した。
「ダオラー!?」「ナンオラー!?ヤッチマウゼ!」火炎放射器ギャングたちは電脳麻薬をガンガンにキメており、NRSを起こさない!「どうします。ブッ殺しますか」「雑魚からね。ニンジャは囲んで殴って、スカウト部門に連れてくわ」『カタギには手出しさせるなよ』「アイアイ!」一触即発!
戦闘開始
【続く】
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