忍殺TRPGリプレイ【ペイント・イット、ブラック】03
前回のあらすじ:ネオサイタマ南西部、磁気嵐の荒野。この地をさまよっていた三人のソウカイニンジャたちは、奇妙な美術館に足を踏み入れ、脱出できなくなってしまう。内部で出会った女ニンジャ・グラニテによれば、これは謎の女ニンジャのしわざだという。そしてついに、イクサが始まった!
◆
「イヤーッ!」「イアーッ!」ディマカエルスは分身へ、スキッソールは負傷したタイガーへ飛びかかる!SLASHSHSHSHSHSH!『『アバーッ!』』サツバツ!分身一体とタイガーが斬り裂かれて即死!絵の具となって滴り落ちる!『ンアアアーッ!』アウターヴィジョンは輪郭を歪めて苦悶する!
『キエーッ!』分身がディマカエルスに飛びかかる!だがシロウトの動きだ!「イヤーッ!」回避し迎撃!SLASH!『ンアーッ!』命中!血液じみた絵の具が滴り落ちる!「お嬢ちゃん、ニンジャ同士のイクサは初めてか?俺たちが記念すべき初体験ってわけだなァ!」ディマカエルスは下品に嗤う!
『よくも!よくも!私に逆らうなんて!ここは私のお家なのよ!お客様はおとなしく、私の思い通りに振る舞いなさい!』アウターヴィジョンはオニめいた表情で激昂し、絵筆を振りかざす!『『GRRRRR……!』』ドラゴンと分身も獣めいて牙をむく!「殺るしかねェ……キアイ入れろ!」
戦闘継続
3ターン目
「TAKE THIS!」ファイアシーフは素早くスシを取り出して咀嚼しつつ、分身を銃撃!BLAMBLAM!『ンアーッ!』命中、消滅!『よくもよくも!キエーッ!』アウターヴィジョンは絵筆を振り回し、床に散った絵の具を再び引き寄せる!ドラゴンのペイント怪物も回転する絵筆に引き寄せられ……!
『イヤーッ!』バシャン!バシャン!絵の具が散らばり、再びタイガーとドラゴンのペイント怪物が召喚された!「「げえっ!?」」『キャハハハハ!これで元通り!弱らせてから絵の中に封じ込めてやる!』『『GRRRRRRR……AAAARGHHHHH!』』元気いっぱいのタイガーとドラゴンが動く!
タイガーはスキッソールへ、ドラゴンはディマカエルスへ殺到!だが手練れの二人にとっては……!「イヤーッ!」「イアーッ!」回避し迎撃!SLASHSH!『『AARGHH!』』命中!そのままアウターヴィジョンへ駆け寄り凄まじい猛攻を繰り出す!「「死ねーッ!」」SLASHSHSHSHSH!
どくん……!アウターヴィジョンはニンジャアドレナリンを過剰分泌し、これを……『ンアーッ!』一撃は食らったものの、残りは紙一重で回避!『シューッ!ナメないでほしいわねェ!』アウターヴィジョンは目を血走らせる!『痛い目に合わなきゃわからないかしら!?キャホハハハハ!』
ズオオオオ……!彼女から放射されるカラテが図書室にみなぎり、大気が絵の具めいてうねり、ねばつく!最終決戦アトモスフィア!
4ターン目
「イヤーッ!」ファイアシーフは側転し、ドラゴンへとカラテを繰り出す!SMASH!『ARGH!』命中!だが意に介さず!『『『キャハハハ!』』』アウターヴィジョンは再び分身を召喚!『『GROWL!』』タイガーはファイアシーフへ、ドラゴンはスキッソールへ飛びかかる!「「グワーッ!」」
命中!しかし倒れず!「イヤーッ!」「イアーッ!」SLASHSHSHSH!ディマカエルスとスキッソールは側転でアウターヴィジョンに追いすがり、凄まじい猛攻を繰り出す!『キエーッ!』アウターヴィジョンは致命的な一撃を緊急ブリッジ回避!しかし!『ンアアアーッ!』躱しきれず大きく負傷!
『『AAARGHHH!』』分身たちはディマカエルスへ一斉攻撃!「ザッケンナコラーッ!」SLASHSHSH!『『ンアアーッ!』』ディマカエルスは捌き突きを放ち、分身たちを大きく負傷させた!タツジン!
5ターン目
「TAKE THIS!」BLAMBLAM!『『AARGHH!』』負傷した分身たちがファイアシーフに射殺され消滅!『キイィィ……キエーッ!』アウターヴィジョンは奇声をあげながらディマカエルスに飛びかかる!『閉じ込めてやる!』SLASHSHSHSH!狂える女ニンジャは巨大な絵筆で四角い枠組みを描く!
ZZZZMMMM……!ディマカエルスは瞬時に、暗い空間に閉じ込められた。『『『AAARGHHHHH……!』』』眼の前には怒りにうねり歪む複数のアウターヴィジョンが、怪物たちを率いて待ち構える!これはコロス・ニンジャクランの「キリングフィールド・ジツ」に実際似ているが、系譜は異なる。
彼女に憑依したアーチ級ニンジャソウル「ヨナヨナ・ニンジャ」は、タナカ・ニンジャクランの系譜に属する。彼女はビヨンボからタイガーを召喚したイッキュウ・ニンジャの如く、絵画を介してコトダマ空間と現世を繋げ、エテルを引き出して様々なジツを行使することに長けていたのだ……。
「ここが絵の中か……脱出してやる!」『『『AARGHH!』』』彼は渾身の力を振るい、眼の前の敵と衝突!SLASHSHSHSHSH!『ンアアーッ!』「グワーッ!」ゴウランガ!ディマカエルスは敵と空間を切り裂いて脱出成功!両者はニューロンにジツのフィードバックを受け、目や鼻から出血する!
『『GROWL!』』タイガーはファイアシーフ、ドラゴンはスキッソールへ飛びかかる!「イヤーッ!」『AARGHH!』ファイアシーフはタイガーの動きを見切って躱し迎撃!タツジン!「グワーッ!」スキッソールは一撃を食らうが、彼の強靭な肉体にはかすり傷だ!「イヤーッ!」「イアーッ!」
SLASHSHSHSH!ディマカエルスとスキッソールは足を止め、アウターヴィジョンへ凄まじい猛攻を叩き込む!『ンアアアアーッ!』切り刻まれるアウターヴィジョン!だがなおも動く!『お父様!お父様!私に力を!』
6ターン目
「イヤーッ!」SMAAASH!『AAARGHHH!』ファイアシーフはドラゴンの脳天へカラテを叩き込み、壁に激突させた!『キエーッ!』アウターヴィジョンは狂ったように叫びながら絵の具をばら撒き、またも分身たちを召喚!『キャホハホハハハ!私を守って!一人にしないでーッ!』「うるせえ!」
『『GROWL!』』タイガーとドラゴンがディマカエルスとスキッソールを襲う!どくん……ディマカエルスはアドレナリンを過剰分泌し「イヤーッ!」頭部への攻撃をブリッジ回避!「グワーッ!」スキッソールはドラゴンの攻撃を受ける!だが強靭な肉体にはかすり傷だ!「「うおおーッ!」」
ディマカエルスとスキッソールは必死にアウターヴィジョンへ飛びかかり猛攻!猛攻!猛攻!SLASHSHSHSHSHSH!『ンアーッ……アバババーッ!』ゴウランガ!ゴウランガ!凄まじい威力の斬撃が叩き込まれ、アウターヴィジョンは額縁ごとジグソーパズルめいて寸断される!『サヨ……ナラ!』
KABOOOOOOM!アウターヴィジョンは爆発四散!ナムアミダブツ!同時にタイガーとドラゴンのペイント怪物、分身たちもみな絵の具に戻った!
戦闘終了
エピローグ
「「「シューッ……!」」」三人はザンシンした。恐るべき強敵であった。だが殺した。……FLASH!「「「アイエエエ!」」」「「「ワッザ!?」」」アウターヴィジョンのジツが消え、額縁に封印されていた人間たちも解放された。建物の壁に描かれた絵も全てドロドロに溶け、消えていく……!
「一件落着、かな?」グラニテはジツを解いて元の姿に戻り、本棚の陰から姿を現した。「戦闘では役に立たなかったね。ゴメン」「アンタの実力じゃ巻き込まれて死んでただろうぜ。……フーッ、疲れた」ディマカエルスは息をつき、顔の血を拭う。「あの……助けていただきアリガトゴザイマシタ」
額縁から出てきた人々は、おずおずとオジギしてお礼をのべた。図書室にはまだニンジャアトモスフィアやキリングオーラが漂っており、人々は震えおののいている。「どういたしまして!で、ここはどこかしら?」グラニテが進み出て笑いかけ、場を和ませる。これは彼女の得意分野だ。「ハイ」
……彼らによれば、ここは美術館などではなく、電子戦争の時に滅んだ、とあるメガコーポの社員寮であった。Y2KによるUNIXの爆発、続く磁気嵐の発生によって外界から隔離された社員たちは次々と倒れたが、その一人の娘がたまたまニンジャソウル憑依者となり、生き残っていたというわけだ。
「カワイソウな身の上だったのね」グラニテは手を合わせ、彼女の冥福を祈った。「私たちはメガコーポの調査隊や、民間のトレジャーハンターです。まさかニンジャがいるとは……」「俺たちはソウカイ・シンジケートのエージェントで、偶然迷い込んだんだ。ブッダの慈悲ってことにしとけや」
解放された人々は口々に四人を讃え、無事を喜び合う。「しかし、ここからネオサイタマへはどう戻ればいいやら」「調査用の強力なIRC端末がありますから、なんとか救助を呼んでみます」「携帯食糧や飲み物、医薬品もいくらか残っていますので、どうぞ」「そりゃありがたい」「いただくぜ」
グラニテや調査隊、トレジャーハンターたちは、安全になった施設内を探索し、旧時代の書籍や情報を漁り始めた。ファイアシーフも彼らに加わる。ディマカエルスとスキッソールは加わらず、疲労を癒やすため休むことにした。手持ちのバイオインゴットも残り少ないのだ。「やれやれだ……」
やがて外の磁気嵐が収まると、各メガコーポやソウカイヤの救援部隊が到着した。「やっとネオサイタマへ帰れるぜ!」「グラニテ=サン、実際助かった。アンタもソウカイヤに入らねェか?」ファイアシーフは彼なりに奥ゆかしく誘ったが、グラニテは笑って首を振った。「私は自由でいたいから」
「そうか。縁があれば、また会おう」「またね」ファイアシーフはそれ以上無理強いはせず、踵を返した。名刺交換はしてある。連絡先はゲットした。今はそれで十分だろう。「……ニヤつくなや、気色悪い」「もとからこういう目つきだ、俺は!」「急ぎましょう。磁気嵐が近づいています」
スキッソールやクローンヤクザに促され、二人は耐磁気嵐加工された軍用車輌に乗り込んだ。グラニテは別の車輌に乗り、別方向へ向かう。「ソウカイ・シンジケート、ねえ。……ま、裏社会にコネがあっても悪くないか!」彼女は明るく笑い、彼らから受け取った名刺を懐に入れた。
【ペイント・イット、ブラック】終わり
リザルトな
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