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忍殺TRPGリプレイ【カウント・ユア・シンズ】02

 前回のあらすじ:ネオサイタマ、コケシ第七商業地区。野生化したバイオスモトリに占領されたこの地は、いまや富裕層による危険な殺戮遊技場と化していた。だが立入禁止区域に入った狩人を始末するため、ソウカイ・シンジケートは二人の末端ニンジャを送り込んだ!カラダニキヲツケテネ!

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 クイックランナーは巨大冷蔵庫の上から見下ろし、アイサツを繰り出す。「ドーモ、クイックランナーです」「レッドスリケンです」「「アイエッ!?」」サトウとナガムは驚愕したが、常用している薬物のためNRSは軽微だ。「ど、ドーモ。ウットコ建設のサトウです」「ナガムです」

「貴様らはルール違反を犯した。ケジメをつけてもらう。ウットコ建設グループなど、我々のバックについている財力に比べれば、ダニかノミにも等しい」クイックランナーは極力無感情に、ソニックブームから教わったセリフを告げた。「ケッヒヒヒヒヒ!このままほっといても死ぬよね!?」

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 レッドスリケンは無慈悲な笑い声をたてた。サトウとナガムは震え上がった。彼らは救助者などではない!自分たちを抹殺しに来たエージェント……ニンジャなのだ!「「う……ウオオーーーッ!」」2人は狂ったような雄叫びをあげ、背中合わせに武器を構えた!一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

1ターン目

イニシアチブ:クイックランナー/QR(5)→レッドスリケン/RS&サトウ/ST&ナガム/NM(4)→マザースモトリ/MS(3)→バイオスモトリ/BS×4(1)
BSたちは、攻撃されない限りはSTとNMを優先的に狙う(隣接されるとPCも殴る)。MSは攻撃されない限りひたすらBSを生産する。STとNMは身を守ることを優先し、PCたちが近づかなければ一番近い標的を撃つ。一応彼らは「カルマ:善」であるため、PCたちが直接攻撃して殺害するとDKKが発生する。これを回避するには死なない程度に彼らを痛めつけ、BSらに始末させればよい。それはそれでDKK獲得しそうだが。
QRは…1D6[5]奇数、STへ攻撃。いたぶるためにスリケンを投擲。5D6[24426]成功。STは難易度Hで回避、[2]命中!残り体力4!RSは…[5]STへスリケン。[635116]成功。STは[6]回避!残り回避ダイス1!

「へへへ、喜べバイオスモトリども!俺たちは味方だ!」「ウフフフフ!」クイックランナーとレッドスリケンは邪悪にせせら笑い、高い位置からスリケンを構える。「「イヤーッ!」」狙うのは……サトウ!「グワーッ!?」命中!否、レッドスリケンのはわずかに狙いが逸れ、ブルズアイならず!

「チェッ、惜しい」「へへへ、一点リード!」「アイエエエ!アイエエエ!」サトウはケンドー面の隙間から血を流し、悶え苦しむ!「サトウ=サン!?サトウ=サン!?」ナガムは動転!このままではなぶり殺されてしまう!そして周りにはバイオスモトリの群れが……!「「ウオオーッ!」」

STとNMは…バクチク・グレネードを投擲![15456][33156]成功。BS4体を巻き込む!火炎脆弱により合計4ダメージを受け即死!MSはBS1体を産む。

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 サトウとナガムは、バイオスモトリの群れに虎の子のバクチク・グレネードを投擲!KABOOOM!「「「「アバババーッ!」」」」ゴウランガ!4体のバイオスモトリがたちまち炎に包まれ、国産バイオ和牛100%ハンバーグめいて燃え上がる!「「ナイスクッキング!」」「チッ、やりやがった」

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「AARGGHHH……!」マザースモトリは自分の子供たちが燃え上がるさまに涙を流しながら、新たなバイオスモトリを出産した。彼らは軽度バイオ生物ゆえバイオインゴットを必要とせず、最低限の食糧さえあれば生存と成長が可能だ。繁殖能力はないはずだったが、ヨロシサン製薬最大の誤算である。

2ターン目

イニシアチブ:クイックランナー/QR(5)→レッドスリケン/RS&サトウ/ST&ナガム/NM(4)→マザースモトリ/MS(3)→バイオスモトリ/BS(1)
QRは…やむなくSTへトライアングルリープキック、手加減により攻撃難易度+1。[63415][62453]2成功。STは[22]命中!2ダメージを受け残り体力2!RSへSTへスリケン、[242533]成功。STは[6]回避!残り回避ダイス0!

「ええい、めんどくせえ!イヤーッ!」クイックランナーは舌打ちし、壁を蹴ってサトウへとトビゲリ!KRASH!「グワーッ!」命中!だが堅牢な装甲に阻まれ昏倒せず!「もうちょい、もうちょい。イヤーッ!」レッドスリケンはサトウへスリケン投擲!「イヤーッ!」サトウは死物狂いで躱す!

STは…距離を取ってQRとBS、MSを巻き込み火炎放射![53214]成功。BSは2ダメージを受け残り体力2、MSは残り体力22。QRは[332]命中!1ダメージを受け残り体力4!NMはBSへショットガン、[45426]成功!BSを倒す!MSは新たなBSを産み出す。

「ウオーッ!俺はエコロジカル・ヒーローだ!」サトウは狂ったように吼えながら距離をとり、クイックランナーとバイオスモトリ、マザースモトリめがけ火炎放射!KABOOOOM!「「アイエエエ!」」「グワーッ!?」全員に命中!「ウオーッ!」ナガムはバイオスモトリへショットガンを射撃!

 BLAMN!「アバーッ!」ナムアミダブツ!生まれたばかりのバイオスモトリが即死!「クソが……さっさと殺されろや!」「めんどくさいな!もう直接カラテしようよ!」ニンジャたちは苛立つ!「AARGGHHH……!」マザースモトリは涙を流しながら、新たなバイオスモトリを出産した。

3ターン目

QRはSTへTLLK、[22265][16125]2成功。STは[15]回避!RSはSTへ駆け寄り手加減カラテ、[625446]3成功&殺伐[3]急所破壊。STは[1]命中!2ダメージを食らい体力0、戦闘不能!DKKを1D6[5]割って3獲得。RSのDKKが7になる。

「イヤーッ!」クイックランナーがサトウへトビゲリ!「ウオーッ!」サトウはアドレナリンで目をギラつかせて回避!スゴイ!「スキアリ!イヤーッ!」レッドスリケンがサトウに駆け寄りカラテ!KRASH!「アバーッ!」サツバツ!ニンジャの拳がケンドー装甲を破壊し、内臓をえぐった!

「ゴボッ……!」サトウは血反吐を吐いてくずおれ、昏倒した。このまま放置すればバイオスモトリが殺してくれるだろう。「アアーッ!」ナガムはついにフリークアウトした!「殺したな!サトウ=サンを殺したな!」「即死はしてないよ。そのうち死ぬだろうけど」「殺してやるーッ!」BLAMN!

NMはRSへショットガン、[41242]成功。RSは[536]回避。MSはBSを1体出産する。BSは…NMへ突撃、[514]成功。NMは[523]回避!

「イヤーッ!」レッドスリケンは難なく銃弾を躱した。「え?」「バカだなあ。ニンジャに銃弾は滅多に当たらないんだよ。まあ、火炎放射食らったやつもいるけど」「うるせえ」ニンジャたちは軽口を叩き合う。「AARGH!」新たなバイオスモトリが産み出され、これで2体!先に生まれた方が動く!

「AAARGHHH!」ナガムめがけて突撃!本能で敵を判断したのだ!「ウオーッ!」ガキィン!だが堅牢なケンドー装甲で突進を受け止め、逸し、ノーダメージ!「カチグミをナメるなーッ!」ナガムは狂乱状態だ!しかし相手はニンジャ2人、バイオスモトリはすでに2体。さらに増え、集まってくる!

 まさに絶体絶命……だが、その時だ!

???

Wasshoi判定、2D6[42]=6<7=Wasshoi!エントリーは[4]=天井か床から出現!RSの隣2マスに現れ、激しい恐怖や動揺により、次のターンの終了時までDKK1以上のニンジャ全員は側転難易度+1。彼らの前に現れたのは!

Wasshoi!」KRAAAASH!突如天井が破壊され、レッドスリケンの近くに恐るべきニンジャが降り立った!2人のニンジャは彼を知っている!「「アイエエエ!?」」ゴウランガ!青黒いニンジャ装束、鋼鉄のメンポに刻まれた禍々しい「極」「悪」の二文字!そう、彼こそはネオサイタマの死神!

「ドーモ、ニンジャスレイヤーイビルです」

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◆ニンジャスレイヤーイビル(種別:ニンジャ)
カラテ      13    体力       13
ニューロン     7    精神力       8
ワザマエ     10    脚力        7/N
ジツ        0    万札      -12

攻撃/射撃/機先/電脳 13/10/ 7/ 7
回避/精密/側転/発動 14/10/10/ -
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:1

◇装備や所持品
◆パーソナルメンポ:精神力と緊急回避ダイス+1
◆伝統的ニンジャ装束:回避ダイス+1
◆**ダラク・チェーンソー**:2ターン目以後の手番攻撃時、ニューロン判定UHで使用可に
 大型近接武器、装備時側転難易度+1、ダメージ2、基本攻撃難易度H
 ●戦闘スタイル:切断攻撃 出目65+で殺伐発生 ナムアミダブツは666
 ★◉青黒の炎:ニンジャへの近接攻撃に火炎ダメージ+1
  攻撃フェイズ開始時に精神力1消費すると手番中の火炎ダメージを+2にする
  精神力2消費すると火炎ダメージを+3にする
 ☆◉肉体破壊:装備時のみ連続攻撃+1、出目55で殺伐発生

◇ジツやスキル
☆ダラク・ニンジャソウル
 ☆◉即死耐性:即死効果を無視し、痛打2D6とみなす 超過ダメージを受けても気絶のみ
 ☆◉ダラク・ウィズイン:体力0以下でも爆発四散せず、カイシャクできない
  行動不能状態からD3ターンが経過するとダラク・ニンジャとして復活、逃走する

◉◉タツジン:ツルギ 大型近接武器装備時の攻撃出目6成功時に痛打+1か装甲貫通1
 ●ワザ:トータルマサカー 出目665+で発生 命中すれば続く連続攻撃は回避不能
  ダメージ2、回避H、装甲貫通・痛打・殺伐なし(解体攻撃あり)
 ●戦闘スタイル:精密刺突 連続攻撃上限2、ワザマエHで攻撃判定
  ダメージ1、装甲貫通D3 出目666で殺伐、6666でナムアミダブツ
 ●戦闘スタイル:解体攻撃 連続攻撃上限3、出目65+で特殊殺伐
  出目1-2で頭部、3-4で脚部、5-6で両腕破壊
◉ヒサツ・ワザ:ペインキラー
 大型近接武器装備時に、精神力1か回避ダイス2を消費し発動
 ナムアミダブツ発生時に置き換えてもよい 回避H、痛打+3D3
●連続攻撃3、連射2、時間差、マルチターゲット
◉ランスキック

能力値合計:30
 イメジはcraiyonで生成しました。召喚呪文は「cyberpunk darkblue ninja with chainsaw」です。メンポの文字までは生成できませんでしたが、恐るべきアトモスフィアを感じます。

「ど、ドーモ、レッドスリケンです」「クイックランナーです」アイサツを返す。「アイエエエ!?ど、ドーモ、ナガムです」ナガムは凄まじいニンジャアトモスフィアを浴びて恐れおののいた!「久しぶりだな、レッドスリケン=サン。カネ寄越せ」「アッハイ……いえ、その、いま手持ちが……」

「ザッケンナコラー!」ニンジャスレイヤーイビルは凶悪なヤクザスラングを吐いた!「スッゾコラー!いま緊急に必要なんだよ!具体的にいうと12万円!」具体的だ!2人のニンジャは顔を見合わせる。さっき上で倒したバイオスモトリの耳でも渡すか?「カネなら出す!」ナガムがとっさに叫ぶ!

「わ、私はウットコ建設グループの副係長!カチグミだ!12万円ぐらいポンと出せる!雇われてくれ!そして私を……私とそこのサトウ=サンを守り、こいつらを撃退してくれ!」ナムサン!これがカネの力だ!「……ほーう。運がなかったなァ、テメエら」ニンジャスレイヤーイビルは目を細めた。

「俺はナガム=サンに雇われたぜ。死にたくなけりゃあ尻尾巻いて帰れや」彼は背負っていたゴルフバッグから異様なチェーンソーを取り出した。「やるっつうんなら、殺ってやるぜ。こっちの方がカネ持ってそうだしな」ナムアミダブツ!「……どうする?」2人のニンジャは脂汗を垂らし、考える。

???

 ニンジャスレイヤーイビルの圧倒的な強さは、身にしみてわかっている。2人がかりでも敵う相手ではない。しかもショットガンを装備したナガムがいる。戦えば確実に死ぬ。逃げても……エレベーターは壊れている。クイックランナーだけなら逃げられても、レッドスリケンは死ぬだろう。

「……俺らも手ぶらじゃあ帰れねえ。せめて、サトウ=サンの首ぐれェは持ち帰らねえとよ」クイックランナーが交渉する。「ダメだ!」ナガムはショットガンを構えて半狂乱だ。この騒ぎで出世街道からふたりとも外れ、カチグミからは転落するだろうが、サトウを見捨てるのは……人としてダメだ。

「……じゃあ、耳だけでも」「ダメだ!」「ケジメつけさせろ!指一本でも貰っていくぞ!」「そうだ!」交渉!「……どうするね、ナガム=サンよ。アンタが何やったか知らねえが、俺はカネが貰えりゃ文句は言わんぜ」ニンジャスレイヤーイビルは鼻を鳴らし、チェーンソーを降ろした。

 彼は「全ニンジャを殺す」などという意志はない。正義の味方でも狂った復讐者でもない。彼に憑依したダラク・ニンジャも、そのような面倒なことは言わない。……ナガムは脂汗と鼻血を垂らし、必死で考える。この青黒のニンジャに皆殺しを命じるか?この場は乗り切れても、相手は組織だ。

 ウットコ建設グループを凌駕する財力をバックに持ち、ニンジャ・エージェントを派遣できるような巨大組織。そのエージェントを殺して組織の顔に泥を塗れば、どうなるか。ニンジャスレイヤーイビルとやらがどれほど強くても、どこまで自分を守れるか。カネで買収されることも当然有り得る。

NMは交渉判定、難易度UH。5D6[41265]成功!

 そうこうする間にもマザースモトリはバイオスモトリを次々と産み出している。ニンジャアトモスフィアに怯えてか近づいては来ないが、このままではサトウ=サンが危険だ。ならば仕方あるまい。彼は覚悟を決めた。「……わかった。私……とサトウ=サンが、ケジメする。それでテウチとしよう」

 クイックランナーとレッドスリケンは顔を近づけて話し合う。ここは地下13階。電波の状態は悪く、ソニックブームと直接IRC連絡はできない……ということにできる。もし埋め込まれたサイバネでこの会話が筒抜けだったとしても、相手はシックスゲイツより強そうなニンジャだ。言い逃れは可能!

「……よかろう」交渉成立だ。ケジメとはミスや不始末に対して自らの肉体を傷つけ責任を取る、日本伝統の行為である。指を関節部分で切り落とすのが一般的だが、軽度なら頭髪を剃り落とし、重度なら手足一本をケジメすることもある。今回の不始末には、どれほどのケジメが必要であろうか。

「アリガトゴザイマス!」ナガムは深々とオジギすると、サトウに駆け寄った。「アイエエエ……」「サトウ=サン!」内臓を損傷し吐血しているが、致命傷ではない。今すぐ地上に戻って治療せねば。「ケジメだ!それで命が助かる!」「……わ、わかった……やって、くれ」「ユウジョウ!」

 ナガムはバイオスモトリの耳を切り落としてきたセラミック製のナイフを取り出すと、サトウの口に布を噛ませ、小指を第一関節から切り落とした。あまり深手を負わせれば出血と痛みでショック死しかねない。次は自分だ!「イヤーッ!」ナガムはキアイを入れ、自分の小指第一関節を切断!

「……フーッ、ドーゾ」ナガムは激痛をキアイで耐え、ふたつの指を布に乗せて差し出した。その鬼気迫る姿にニンジャたちは驚嘆する。モータルといえど、死物狂いになれば……これほどの覚悟を見せれば、場合によってはニンジャと交渉し、生き延びることができるのだ。「……預かっとくぜ」

 クイックランナーはそれを受け取る。「俺らも多少お叱りを受けるだろうが、仕方ねえ。……当然、ここで見聞きしたことは他言無用だ。いいな」「ハイ!スミマセンデシタ!」ナガムはアドレナリンでギラギラ光る目を見開き、ドゲザした。彼らが殺戮したバイオスモトリは、すぐ補充されよう。

 ニンジャスレイヤーイビルは肩を揺すった。「柄にもなくヒーローになっちまったか。……おいレッドスリケン=サン、テメエとの契約はまだ有効だからな。俺のことをチクったらブッ殺すぜ」「は、ハイ」ニンジャはミームで繁殖することもあってか、コトダマや契約、ルールに縛られやすい。

 レッドスリケンにもっとカラテがあれば、相手をブチのめして契約書を反故にすることもできようが、今はまだ不可能だ。もっと強くならねば。あるいは組織の力で囲んで棒で殴ることができれば、理不尽な契約を突っぱねて自由になれる。ナガムがとっさの状況判断で状況をひっくり返したように。

「じゃあ、これでテウチだ。アバヨ」「ドーモ」クイックランナーとレッドスリケンはオジギすると踵を返し、闇の中へ消えた。「……フーッ……」ナガムは極限状態から解放されて腰を抜かし、失禁して気絶した。「おいおい。クソ、こいつらを担いで帰れってのかよ」青黒いニンジャは舌打ちした。

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「AAARGHHH……」マザースモトリが叫び声をあげると、バイオスモトリが手を上げて近づき、何かを担ぎ上げるようなジェスチャーをした。「テメエが担いでくれるってのか?ほらよ」ニンジャスレイヤーイビルがナガムとサトウの首根っこを掴んで投げつけると、バイオスモトリは彼らを担いだ。

 彼らの知性はおしなべて低く、会話は成り立たないが、人間の現場監督によって与えられる作業内容を理解し、それを反復し続ける程度の理解力は有している。しかし適切な教育プログラムを施された場合に限り、野生化した場合は食欲と防衛本能しか持ち合わせない……はずだ。では、なぜか?

 マザースモトリは涙を流し、腕らしき部分をもたげ、立ち去れというようなジェスチャーをした。彼女はなぜ生まれたのか?「安い……安い……実際、安い……」ナガムは夢を見ているようだ。貧困層出身の彼は、母親の内臓を売ってカネを作り、死物狂いでカチグミにのしあがった。「母さん……!」

 青黒のニンジャは多少感傷的な気分になり、2人を背負ったバイオスモトリとともに、無言でその場を立ち去った。

エピローグ

 99マイルズ・ベイ、ソウカイヤ仮本部。

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「…………なるほど」長い沈黙ののち、ソニックブームは低い声で呟いた。彼はオキナワ帰りで日焼けしている。「もう少しというところで『ニンジャスレイヤー』が乱入し、首は持ち帰れなかったが、奴らがドゲザして差し出したケジメ指はなんとか持ち帰った、と。本当か?」「「……ハイ」」

 クイックランナーとレッドスリケンは震えている。無理がある話だとしても、こう答えるしかない。「俺様はな、いろんな奴らを観察して来たから、すぐわかる。嘘ついてるかどうかはよォ。……微妙になんか隠してるな。特に、レッドスリケン=サン」「ヒッ」「脅されてるだろ、誰かさんによ」

 ソニックブームの大きな手が、レッドスリケンの肩にのしかかる。「洗いざらい吐いちまえ。楽になるぜ」「アイエエエ……!」その時!「独り言を言います!」クイックランナーが叫び、これまでの彼らの状況を唐突に語り出した!彼はニンジャスレイヤーイビルと直接契約を交わしてはいない!

 そして他言無用という言葉には「お互い」がついていない!クイックランナーは、他言することができる!「……なるほどな」ソニックブームは目を細め、凶悪に笑った。「そいつは、赤黒いのの偽物ってわけだ。前にもそんなやつがいたらしい。赤黒いのが出くわしたら、始末してくれるだろうさ」

「は、ハイ」「つまり、無闇に手を出さねえほうがいい。情報は上にあげておくぜ」ソニックブームはふたりの肩を軽く叩くと、札束の入った封筒を手渡した。「これが報酬だ。満額とはいかねえがな」「「アリガトゴザイマス!」」ふたりは深々とオジギし、ブリーフィングルームを退出した。

「やれやれ、まためんどくせえのが出てきたな……」ソニックブームはタバコを吸い、紫煙を天井に吐き出した。カネや話し合いで交渉できるなら、赤黒いのよりわかりやすい。それはそれとして、ソウカイヤに楯突く行為が如何なる罪を招くか、知らしめねばなるまい。罪には、罰を。

【カウント・ユア・シンズ】終わり

リザルトな

評価:B サトウとナガムを始末できなかったが、サトウを昏倒させ、二人に恐怖を叩き込みケジメさせた。またニンジャスレイヤーイビルと遭遇したが生還し、情報を持ち帰った。万札40を山分けとし、名声1、余暇4日を獲得。BS4体から万札12を獲得しており、52を2人で割って26。RSは借金を返済して25となり、QRは万札5を返済され31を獲得。RSはDKK7を消費しカルマロンダリング。1D6[4]+1=5。名声+1

つのにサポートすると、あなたには非常な幸福が舞い込みます。数種類のリアクションコメントも表示されます。