忍殺TRPGリプレイ【コール・ザ・ストーム】02
前回のあらすじ:キョート共和国。チーム・ヒップの二人はザイバツに追われ、南西部の廃ビル地帯に逃げ込んだ。他の仲間とは引き離され、ザイバツから奪還したヤモトは目を覚まさないままだ。そして今、ザイバツ・シテンノの二人が彼らを追い詰める!カラダニキヲツケテネ!
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ズガッ!ズガッ!その時、彼らのいる廃ビル島が漢字サーチライトでいきなり照らし出された!「罪罰」「束縛」「埴輪」といった恐るべき文言!ピガー!拡声器のハウリング音!『アー、ア!ドーモ!ザイバツ・シャドーギルドです!貴様らはネズミ袋の状態である!』自信に満ちた威圧的な声!
『大人しく投降しザイバツの裁判を受けよ!さもなくばここで処刑する!』「「「「ザッケンナコラー!」」」」周囲にクローンヤクザが展開する。マシンガン、ロケットランチャー、アンタイニンジャライフル装備者も!そしてサーチライトの逆光に大小二つのシルエットが浮かび上がった!
「ドーモ。ザイバツ・シテンノ、ブラックドラゴンです」
「レッドゴリラです」
「ドーモ、ハウスバーナーです」「ポイズンバタフライです」アイサツを返す。ヤモトは……まだ目を覚まさない。「シテンノは二人だけか?あと二人はどうしたよ。アンブッシュ重点か?」「答える必要はない」ブラックドラゴンはジュー・ジツを構えた。「もう一度言う。降伏しろ」「「断る」」
相手にとって不足なし。二人のソウカイニンジャは奥で眠るヤモトをかばい、カラテを構えた。大気にカラテが満ちる!一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
イニシアチブ:ポイズンバタフライ/PB(7)→ハウスバーナー/HB&ブラックドラゴン/BD(6)→レッドゴリラ/RG(4)→クローンヤクザ/CY×12(2)
最初からハードモードだ!
YK(ヤモト・コキ)は左上で寝ている。扉の前にボス級のキャラが立ちはだかった場合、側転で出目666が出なければすり抜けられない。扉や壁を破壊するには6ダメージ必要。右下の紫マスに到達すれば脱出。CYは手前6人がマシンガン、その後ろが2人1列ずつロケットランチャー、アンタイニンジャライフル、漢字サーチライトを装備。BDは側転で一気に扉前に来れる。PBとHBは側転すれば手前CY6体を連続攻撃3によりほぼ1ターンで殺せるが、1人に集中攻撃を受ければやや危険だ。
PBとHBは…多勢に無勢、YKのいる廃ビルの中に通常移動で戻り籠城。HBは扉を内側から封鎖。BDは側転、[4233332144]成功。扉の2マス横に到達し壁へ連続攻撃3、[6413][5643][25111]成功。壁を破壊。RGは7マス動き壁へノダチ連続攻撃(リーチ+1)、[246415][214641]成功。壁を破壊。CYたちは2マスずつ後退、距離を保つ。
「「イヤーッ!」」ポイズンバタフライとハウスバーナーは状況判断し、ヤモトが寝ている廃ビルの中へ飛び戻る。周囲は海。裏に小型ボートはあるが脱出のためではない。籠城だ!「行くぞ!」「おう!」ブラックドラゴンとレッドゴリラはクローンヤクザ部隊を後ろに残し、廃ビルめがけ駆け出す!
「「イヤーッ!」」KRAASH!KRAAASH!ハウスバーナーが封鎖した扉の横、廃ビルの壁へ強烈なカラテ!壁が破壊され、大きな穴が空いた!ゴウランガ!「これしきの壁など暴力の前には無力!ラッツ・イナ・バッグよ!」レッドゴリラは勝ち誇る!クローンヤクザ部隊は油断なく後退!
彼らを手練れニンジャに近づかせれば、たちまちカラテやスリケン、ジツで倒されてしまう。しかし距離を保って一斉射撃を行わせれば、手練れのニンジャといえども弾幕を躱しきれない。これぞ武田信玄が対ニンジャ用に編み出した禁断の戦術、サンダンウチ・タクティクスである!
だがロードの勅命のひとつは、アーチ級ソウル憑依者であるヤモト・コキを生きたまま捕獲することだ。人質には取れない。傷つけてもいけない。ヤモトを巻き込むような攻撃もできない。小柄で軽いとはいえ、彼女を担げば動きが多少は鈍る。それはニンジャのイクサにおいては致命的なのだ。
2ターン目
PBは…側転&BDへ強化精密連続攻撃3、[2433631621354344][54213][52616][12662]1成功、3成功&痛打&ナムアミダブツ[3]急所破壊、2成功&痛打&殺伐[6]即死!ナムアミダブツを「ムーンシャドウ」に置き換え、痛打2D6[43]割って2+2=4。BDはジュー・ジツで回避N・UH・N、回避ダイス13。アドレナリン・ブーストし(残り精神力6)回避E・H・E。[633][352][4326]回避&迎撃2発!PBは[15][22]1発命中!残り体力11、回避ダイス14!BDの残り回避ダイス3!
「イイイ……イイイヤァアアアーーッ!」ポイズンバタフライは裂帛のキアイとともに色付きの風と化しブラックドラゴンへ斬りかかる!イアイドー奥義「ムーンシャドウ」だ!SLASH!……ドクン。ブラックドラゴンはアドレナリンを過剰分泌させ、ジュー・ジツの構えで致命的な斬撃を……捌く!
「イイイヤァアアアーーッ!」迎撃!「グワーッ!」命中!タツジン!「チッ、さすがにやるわね」「そちらもな」今の斬撃をレッドゴリラが食らっていれば、即死はしないまでも相当な深手を負っていたであろう。ハウスバーナーと同時に攻撃されればなおさらだ。だが、この位置ならば!
ハウスバーナーが壁の穴や扉から飛び出して攻撃してくれば、ブラックドラゴンとレッドゴリラで囲んで叩いた上、クローンヤクザ部隊の一斉射撃で大きなダメージを与えられる。サンダンウチ・タクティクスだ。ロケットランチャーは味方も爆発に巻き込むゆえ慎重に使わせねばなるまいが。
「……クソッ!」ハウスバーナーもニンジャ第六感で敵の戦術を瞬時に察した。ブラックドラゴンがこのままポイズンバタフライに反撃し、レッドゴリラが追撃すれば、いかに彼でも躱しきれまい。自分がポイズンバタフライのカバーに入り、かばわねばならない!「イヤーッ!」
HBは…壁があるためBDに内側から近接攻撃できない。PBの北隣接マスに側転し、頭越しにBDへスリケン連射。[6143265341][53235][56641]2発成功。時間差がないためBDはまとめて回避、[55]回避!
BDは…集中してPBへ連続攻撃3、[2115][5112][46625]1成功2発、4成功&殺伐[4]両腕破壊!PBは回避H、[531][513][11115666]回避!残り回避ダイス0!RGは西へ1マス動き、リーチ+1で壁へノダチ攻撃![222431][256534]1成功。3ダメージを与え、壁の残り体力3!手前のCYたちは2マス後退、後方のCYたちは南北に2マス動く。
ハウスバーナーはポイズンバタフライの背後に側転し、ブラックドラゴンへスリケン投擲!「イヤーッ!」ブラックドラゴンは難なく回避し、ポイズンバタフライへカラテを繰り出す!狙うは腕!「イヤーッ!」ポイズンバタフライは全力で躱す!「ウオーッ!」レッドゴリラが動く!
「ワシの暴力を食らえ!」KRASH!巨大な腕が廃ビルの壁に叩きつけられ、ビル全体がグラグラと揺れる!壁は幸い一撃で崩れはしなかったが、あと一撃でも食らえば!「フシューッ!この廃ビルごとぶち砕いてくれるわ!」「ヤモト=サンがいるわよ!巻き添えにしたら叱られるんでしょ!」
シテンノ二人も、ウカツに廃ビルに踏み込めば手練れ二人に挟んで斬り刻まれる。手練れゆえ即死はしないとはいえ極めて危険。ならばこうして突破口を開き、出てきたら二人のカラテとサンダンウチ・タクティクスで潰す!これが組織の力だ!ヤクザ部隊はさらに後退し、堅牢な方陣を形成!
3ターン目
PBは…側転[1354265644342454]成功。14マス動き、北側の路地(建物の隙間の濃い灰色部分)の奥に逃げ込む!HBは同じく側転[1311523121]成功。14マス動き、南東の路地裏(PBの対面)の奥に逃げ込む!CYたちの射線は届かない!RGはリーチ+1でも追いつけないが、BDは追いついて攻撃可能!
「「イヤーッ!」」ポイズンバタフライとハウスバーナーはたまらず廃ビルを壁の穴から飛び出し、路地裏にネズミめいて逃げ込む!「ヌウーッ!?」レッドゴリラはややためらう。このままヤモトを確保するか、後を追うか?「ヤモトを確保しろ!」「おう!」ブラックドラゴンは状況判断!
レッドゴリラの巨体ならば、ヤモトを背負っても行動に支障はない。自分はどうする?路地裏に逃げ込んだネズミどものどちらかには追いついてカラテできるが、レッドゴリラやクローンヤクザ部隊の援護はない。挟み撃ちに遭えばこちらも無傷ではおれまい。ここはヤクザ部隊をステゴマにすべし。
奴らを殺すのは……現状、現有戦力では困難。ニンジャ部隊ならともかくヤクザ部隊では瞬殺だ。だが足止めはできる。その間にヤモトを確保し、全速力で脱出すべし。潜んでいるアイボリーイーグルもいる。誰かが死んでもヤモトをキョート城まで運ばせれば、我がザイバツの勝利なのだ!
BDとRGは廃ビル内部へ通常移動し、RGがヤモトを確保・運搬(「歩く武器庫」により運搬ペナルティなし)。BDとともに外へ出てかばわれながら移動する。突撃すれば脚力×2=20マス直進して動けるため、外へ出たあと2ターン持ちこたえれば脱出できる。途中で死ねばBDがYKを運搬する。アイボリーイーグルを呼べば飛行移動で16マス運べるが運搬ペナルティあり。CYたちは動かず方陣を維持する。
「「イヤーッ!」」二人は廃ビルに突入し、昏睡状態のヤモト・コキを確保した。念のため厳重に捕縛したのち、レッドゴリラが自らの背中に縛り付ける。「フン、なんたる軽さ!」「気をつけろ。こいつは神話級ニンジャソウル憑依者だ」「ワシの暴力の前には無力だ!あのネズミどもも殺すぞ!」
「ヤモトを奪還することが最優先だ。このまま全速力で脱出する」「チッ、わかったわい!」ブラックドラゴンに制され、レッドゴリラは渋々と頷く。「パープルタコ=サンがおればなァ」「言うな。奴はザイバツを裏切った」彼女はオモイ・ニンジャのしもべとなった後、行方知れずのままだ。
パープルタコの肉体は爆発四散し、ソウルはキンカクに昇りました。オモイ・ニンジャと紐づいているため、また干渉してくるかも知れません。チーム・シャープウォーカーにべらべら事情をしゃべくったので、ソウカイヤの上層部にはある程度状況が伝わっています(死亡確認はされていません)。爆発四散させた張本人のバンブーエルフらドラゴン・ドージョーはザイバツに仮所属していますが、パープルタコの件については何も告げていません。あの場にいたケイトー・ニンジャは察しているかもですが。
「とにかく、アイボリーイーグル=サンも呼んだ。奴らの攻撃を振り切って脱出すれば、ギルドの勝利だ」「うむ」とはいえ、相手はソウカイ・シックスゲイツの六人にも数えられる手練れ。グランドマスターやニンジャスレイヤーとも何度か戦っており、その強さはオリガミつきだ。逃げ切れるか?
「……行くぞ」「おう!」二人は覚悟を決めた。大気にカラテがみなぎる!一撃必殺アトモスフィア!
戦闘継続
【続く】
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