忍殺TRPGリプレイ【ビー・ユア・トゥルー・マインド】02
前回のあらすじ:ネオサイタマ上空、現世とオヒガンの狭間に浮かぶキョート城。ロードを失い、崩壊したザイバツの残党は、なおも戦いを続けていた。取り残された女ニンジャ・フローライトは3人の仲間たちと合流し、行き詰まった事態の打開を図らんと動き出す……。カラダニキヲツケテネ!
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「私はパーガトリー=サンの弟子、かつ遠縁にあたる者です。貴方達は、ムーホンに与する者ですか」フローライトは警戒しながら尋問する。「俺は違う。上司のヴィジランス=サンもどこにいるのやら」ドゥームアイズは肩をすくめた。彼は見ての通りハッカーだが、電算室にはいなかったらしい。
「俺はケイビイン=サンの派閥だが、あの方は何者かに討ち取られてしまわれたらしい。ならばムーホンに与するわけにもいかぬ」イエローソードは胸を張った。「アタシはスローハンド=サンの部下さ。例の琥珀ニンジャの間にいたんだけど、急に気が遠くなって……気がついたら、変な場所にいて」
ポイズンアサシンは頭を抑え、眉をしかめる。彼女のニューロンには断片的な古代ニンジャ文明の光景が浮かんでは消える。オヒガンと現世の境にいるせいであろう。「そうですか」フローライトは頷く。少なくとも、敵ではないようだ。「では、ともに参りましょう。この城から脱出しなければ」
フローライトの申し出に、3人は頷く。各々が1人でさまようよりは遥かに安全だろう。かくて4人のザイバツニンジャは臨時にチームを組み、現状打破のために動き出すこととなったのである。
行動開始
0101010101……罪罰罪罰……01010101……3人はニンジャの感覚を駆使し、オヒガンの影響で歪んだ迷宮と化したキョート城の奥へ進んでいく。全てが暗くくすんで、影という影の中に何かが潜むようだ。鏡合わせのように重なり合う渡り廊下、逆さに重力の働く螺旋階段……安定した場所は少ない。
並大抵のニンジャやモータルならば、この狂った状況に飲み込まれ、自我を消失して01分解されてしまうだろう。だが、フローライトたち手練れのニンジャならば話は別だ。鍛え上げられたカラテとエゴが常に自らを定義し、奥ゆかしい礼儀と礼節が周囲の混沌に秩序を与える。ギルド自体のように。
4人はまだマスター位階ではなく、ギルドでは中の下にあたるアデプト位階だ。弟子をとったこともない。しかしフローライトはその血縁と実力によって、ギルド入りから僅かな期間でアプレンティスからアデプトに昇格している。他の3人もその実力を認め、一定の敬意を払って接している。
……やがて一行は洞窟めいた領域を潜り抜け、ぽっかりと開けた空間に出た。塀に囲まれた平安時代様式の庭園付きの屋敷だ。正面には立派な門があり、額には「文化財」という文字が見事なショドーで書かれている。キョート城内の何処かにある隠れ座敷、といったところか。「なかなか結構です」
フローライトはホッとした。彼女は幼い時から長年静かなオキ諸島で暮らしてきたこともあり、ケオスには慣れていない。「ここはまだ混沌に飲み込まれていないようです。礼儀の力というものでしょうか。ひとまずここに入り、休息を……」だが、その時!「「イイイヤァアアアーーーーッ!」」
ガオオオン!後方から突如、前触れもなく大型バイクが出現!こちらへ向かってくる!乗っているのはニンジャ2人!アンブッシュだ!
戦闘開始
敵戦力
◆トップスピード(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 8
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 9 脚力 5/H
ジツ 0 万札 12
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 9/ 4/ 4
回避/精密/側転/発動 9/ 9/ 9/ -
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:4
◇装備や所持品
◆マシンガン:連射3
◆ストリートニンジャ装束
◆違法改造バイク:脚力14(+D3)、轢殺4、乗員2名、大型1×2
◇ジツやスキル
◉ビークル戦闘熟練:ビークル操縦時ペナルティ無視
2マス以上移動後に近接攻撃を行う場合、1発目に痛打+1
●移動スタイル:暴走弾き飛ばし 視線上の敵1体に直進移動(斜め不可)
隣接したら移動を止め、自動的にD3ダメージ(貫通1、回避H)と弾き飛ばしを与える
◉トリガーハッピー
◉頑強なる肉体
◉知識:ビークル
●連射2
能力値合計:19
◆ティーブレイカー(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 9
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 3/H
ジツ 0 万札 12
攻撃/射撃/機先/電脳 7/ 7/ 6/ 6
回避/精密/側転/発動 6/ 7/ 6/ -
即応ダイス:2 緊急回避ダイス:4
◇装備や所持品
◆超振動ダガー:小型近接テック武器、装備時側転難易度+1
ダメージ1+痛打1、連続攻撃上限2、エンハンス不可
手番攻撃開始時に「超高速振動」を宣言すると、本来のダメージに加え装甲貫通D3
(シナリオ中1回限り、リチャージ1)
●戦闘スタイル:精密攻撃 ワザマエで攻撃判定 666で殺伐、6666でナムアミダブツ
◆バクチク・グレネード:カトンLV1
◆ストリートニンジャ装束一式
◇ジツやスキル
◉レッサー級戦闘系ソウルの力:攻撃/射撃時に精神力1を支払うと、
近接攻撃ダイス+1か射撃ダイス+2 1ターン中に使用できるのは精神力2まで
◉武装破砕:装甲貫通可能な攻撃で殺伐かナムアミダブツを発生させた時、
回避ダイス2個か精神力1を支払うことで発動
ダメージ0、回避難易度+1(ナムアミダブツならさらに+1)
標的は回避ダイスダメージを貫通値ぶん受け、さらに装備中の近接武器を使う際、
近接攻撃ダイスが貫通値ぶん減少する(累積可) 素手には無効
ニューロンが6以下なので「装甲破砕」はできない
◉頑強なる肉体
◉緊急ブリッジ回避
◉ニンジャソウルの闇
能力値合計:18
マップ
0ターン目(敵のアンブッシュ)
バイクの後部座席からニンジャが跳躍、襲ってくる!狙うはイエローソード!「イヤーッ!」連続バック転回避!ワザマエ!だがそこへバイクを運転するニンジャが突進!SMASH!「アバーッ!?」ナムサン!イエローソードは弾き飛ばされ宙を舞う!門扉がひとりでに開き激突回避、屋敷の中へ!
「死ねーッ!」バイクのニンジャはマシンガンを構え、体勢を崩したイエローソードへ銃弾の雨を降らせる!BRTTTTT!「い、イヤーッ!」イエローソードは黄色く輝くカタナを抜き、銃弾の雨を切り払う!タツジン!だが文化財は蜂の巣だ!「やめなさい狼藉者ども!ドーモ、フローライトです!」
フローライトは進み出てアイサツし、相手を激しく叱責する。「イエローソードです」「ドゥームアイズです」「ポイズンアサシンです」各々アイサツ。ニンジャは、ニンジャにアイサツされれば返さねばならない。古事記にもそう書かれている大事な掟だ。2人は渋々無作法なアイサツを返した。
「そうかよ。ドーモ、ティーブレイカーです」「トップスピードです。俺たちの邪魔をすんじゃねェー!」「邪魔とは」「ロード・オブ・ザイバツは死んだ!ザイバツ・シャドーギルドは滅んだ!俺たちは自由だ!だから好きにやる!ケヒャヒャヒャヒャ!」ティーブレイカーは下品に嘲笑った。
「口うるせェ上司もいねェ!なら今は殺す!犯す!奪う!なんでも思いのままだろうが!」「女ニンジャどもはオイランにする。男は殺す!」トップスピードは好色そうな視線をフローライトとポイズンアサシンに投げかけた。ナムアミダブツ!なんたるマッポーか!「……ズガ!タッキェー!」
フローライトは激しく憤り、古代のパワーワードで叱責した!「どうしようもないクズどもということですね。理解しました。躾けてさしあげます」彼女は仲間たちとともにカラテを構えた。一触即発アトモスフィア!
1ターン目
「イヤーッ!」ドゥームアイズが先手をうって飛びかかる!狙うはトップスピード!「イヤーッ!」違法改造バイクを巧みに操り曲乗り回避!「イヤーッ!」フローライトは銀のアームレットをムチめいて伸ばしトップスピードへ攻撃!拘束せんとす!「イヤーッ!」バイクを旋回させ拘束回避!
「「イイイヤァアアアーーーーッ!」」ポイズンアサシンとイエローソードは瞬時にアイコンタクトし、ティーブレイカーへ飛びかかる!狙うは脚と腕だ!どくん……ティーブレイカーはアドレナリンを過剰分泌し、これを「イヤーッ!」連続バック転回避!だが黄色く輝く刃が追いすがる!「え」
SLASH!「グワーッ!?」命中!イエローソードの刃が斬撃を飛ばし、追撃を食らわせたのだ!無視できぬダメージ!「ブッダファック!仕方ねえ、このまま文化財を燃やすぞトップスピード=サン!」「了解!」ティーブレイカーはトップスピードのバイクの後部座席に飛び戻る!「サラバ!」
KABOOOOOM!トップスピードは全速力でバイクを発進させ、ティーブレイカーを載せたまま屋敷の奥へ逃走!「ケヒャヒャヒャヒャ!お宝を奪ってから、この屋敷を燃やしてやる!キョート城ファックオフ!伝統ファックオフ!」ナムアミダブツ!なんたる非文明的無軌道サンシタニンジャか!
「よくもまあ、あんな連中がキョート城に来れたものね」ポイズンアサシンは肩を竦める。「追いかけて、わからせますよ。伝統の重みというものを」フローライトは怒りに震え、目を据わらせている。3人は無言で頷いた。
戦闘継続
【続く】
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