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忍殺TRPGリプレイ【フィア、ポリス・アンド・シヴィル・コラプション】01

邦題:警察と市民の腐敗を恐れよ(Fear, Police and Civil Corruption)

 ドーモ、三宅つのです。これはトラッシュ=サンのシナリオ案「デッカー・ストーリー、破」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。

 ネオサイタマの治安維持のため導入された特殊警察組織「ハイデッカー」の関連施設へ調査のために潜入し、情報を持ち帰るミッションです。当然ながらソウカイヤやアマクダリと対立するザイバツNSPD49課、あるいはフリーランスのニンジャが挑むことになります。また、成長の壁1を超えたニンジャ3-4人での挑戦を想定しています。

 しかしネオサイタマで活動できるザイバツニンジャチームのうち、チーム・ヘルダイバーはバラバラになっていますし、チーム・ゴールデンクイーンは強すぎます。となると49課の出番ですが、誰も壁を超えていない駆け出し揃いです。原作の49課と同じく、慎重かつ大胆に調査せねばなりません。

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◆レッドフィスト(種別:ニンジャ/デッカー)
カラテ       5>6  体力        8>9
ニューロン     3>4  精神力       3>4
ワザマエ      5>6  脚力        3/N
ジツ        1    万札       26>2
DKK       0    名声        3

攻撃/射撃/機先/電脳  6/ 6/ 4/ 4
回避/精密/側転/発動  6/ 6/ 6/ 5
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
◆デッカーガン:拳銃、ダメージ2、装備時側転難易度+1
◆タクティカルスーツ:体力+1

◇ジツやスキル
☆カトン・ジツLV1
○生い立ち:プロテインマニア、デッカー カラテ+1、ワザマエ-1
◉知識:スポーツ、公僕の流儀、犯罪
◉頑強なる肉体:体力+2、カラテによる毒抵抗ダイス+2
◇ザゼン鍛錬蓄積1

能力値合計:15>18
 前回の冒険で万札35(借金9を返済し残り26、名声1、余暇4日を獲得しました。カラテを鍛錬し[61]=7>5=成功、ニューロンを鍛錬し[24]=6>3=成功、ワザマエを鍛錬し[52]=7>5=成功。ニューロンをもう一日鍛錬し[13]=4=失敗。万札24を消費し残り2。

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◆ブラックマシーン(種別:ニンジャ/デッカー)
カラテ       3>5    体力        3>5
ニューロン     4>6    精神力       4>6
ワザマエ      6      脚力        3/H
ジツ        2      万札       28>4
DKK       0      名声        3

攻撃/射撃/機先/電脳  5/11/ 6/ 6
回避/精密/側転/発動  6/ 6/ 6/ 6
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
◆カスタム・チャカガン×2:連射2、射撃難易度H、側転難易度+1
▶サイバネアイLV1:ワザマエ判定ダイス+1、ワザマエでの射撃時さらに+1
 ▷高性能赤外線ターゲッター:射撃ダイス+3

◇ジツやスキル
☆ムテキ・アティチュードLV2
○生い立ち:ガンマニア、デッカー
◉知識:銃器、公僕の流儀、犯罪
◉トリガーハッピー:回避ダイス2を消費し、連射2以上の銃器による射撃時のみ
 連射+2(マルチ・時間差・弾薬不可) 射撃難易度+1

能力値合計:17>21
 前回の冒険で万札34(借金6を返済し残り28、名声1、余暇4日を獲得しました。カラテを鍛錬し[15]=6>3=成功、[16]=7>4=成功、ニューロンを鍛錬し[61]=7>4=成功、[44]=8>5=成功。万札24を消費し残り4。

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◆アイススリケン(種別:ニンジャ/デッカー)
カラテ       4>5    体力        5>6
ニューロン     5>6    精神力       5>6
ワザマエ      4      脚力        2>3/N
ジツ        1      万札       31>7
DKK       0      名声        3

攻撃/射撃/機先/電脳  5/ 4/ 7/ 8
回避/精密/側転/発動  6/ 4/ 4/ 7
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
◆デッカーガン:拳銃、ダメージ2、装備時側転難易度+1
◆タクティカルスーツ:体力+1

◇ジツやスキル
☆コリ・ジツLV1:手番攻撃フェイズに発動(N)
 隣接3×3マスの敵全員に1ダメージ(回避N)
○生い立ち:元ハッカーカルト、デッカー カラテ-1、ニューロン+1
◉知識:ハッカーの流儀、公僕の流儀、犯罪
◉kill-9

能力値合計:15>17
 前回の冒険で万札34(借金3を返済して残り31、名声1、余暇4日を獲得しました。「カタナ・オブ・ローニン」は売却します。カラテを鍛錬し[21]=3<4=失敗、[21]=3+1=4=失敗、[13]=4+2=6>4=成功、ニューロンを鍛錬し[61]=7>5=成功。カラテはどうにも苦手なようです。万札24を消費し残り7。

 少々不安ですが、49課にはデッドエンド=サンとかもいますし、なんとかなるでしょう。では、始めます。

◆◆◆

 ネオサイタマ市警(NSPD)の専門捜査課の一つ、特務組織49課。公には凶悪犯罪捜査を専門とする部署であり、「犯罪者に明日は無い」をモットーに、問答無用の過剰暴力で犯罪を取り締まる、正義と血に飢えた危険集団である。マッポスコアが入らなくとも、彼らは勤勉かつ熱心に犯人を追う。

 だが、一般市民に公開されていない真の任務は、ニンジャ絡みの事件……通称「N案件」を扱うことである。通常のデッカーやマッポの他、ニンジャデッカーを複数名抱え、その戦闘力と調査力で容赦なく悪を排除するのだ。とはいえ49課の保有するニンジャ数はまだ少なく、その質も高くはない。

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「どうした!そんなへっぴり腰で凶悪犯を捕まえられるか!」「い、イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」49課、トレーニングルーム。ジュー・ウェアに身を包んだ二人の女デッカーが、目にも留まらぬ速さでクミテを行っている。デッドエンドとアイススリケンだ。「フン!」「ンアーッ!」

 デッドエンドのカラテを食らい、アイススリケンが弾き倒された。「もっとキアイを入れろ!」「ハイ!」アイススリケンは元ハッカーカルトで、カラテはデッカーとしては甚だ心もとなかった。しかしハッキング能力と正義感を買われて49課に所属することとなり、ニンジャとなったのだ。

アイススリケン/ISはカラテ判定、難易度H。5D6[52635]成功!即応ダイス+1。レッドフィスト/RFとブラックマシーン/BMもカラテ判定、難易度UH。6D6[121364]成功、5D6[23445]失敗!RFは即応ダイス+1。

「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャは超人的な身体能力を有しており、適切なインストラクションを与えられれば、非ニンジャよりも急速に成長する。デッドエンドは彼女らニュービー・デッカーニンジャのメンターとして教育や鍛錬を行い、カラテ、ニューロン、ワザマエを鍛え上げていく。

 見よ。すでにブラックマシーンはデッドエンドに投げ飛ばされ、壁にめり込んで昏倒している。カラテが不足していたのだ。レッドフィストはその横で正座し、神妙に固唾を呑んで二人のクミテを見守る。「よーし。ギリギリで仕上がったなァ」デッドエンドはアイススリケンとのクミテを終えた。

「アリガトゴザイマシタ」互いに礼。「では、ブリーフィングを始める。そのアホを叩き起こせ」「ハイヨロコンデー!」レッドフィストが気絶したブラックマシーンを引っ張り、アテミ・チョップで起こした。「アイエッ?」「ブリーフィングだ、ブラックマシーン=サン」「アッハイ……」

ダンゴウ

「貴様ら、ハイデッカーを知っているな」デッドエンドは三人を睨む。「ハイ。警察庁(NPA)が新設した治安維持組織です」アイススリケンが答える。NSPDは、あくまで「ネオサイタマ市の警察組織」であり、本来はその上に、日本国の行政機関として警察庁が存在する。いわばFBIに当たる。

 しかしY2K以降にネオサイタマのメガロシティ化が進むと、立場は逆転した。NSPDは警察庁直属の警視庁(MPD:Metropolitan Police Department、首都警察部門)や周辺の県警組織を飲み込んで肥大化し、警察庁よりも多くの闇献金を暗黒メガコーポから受け取る「カチグミ」となっていった。

 現在、ネオサイタマ市議会は日本政府より遥かに大きな予算規模と影響力を持つ。NSPDと警察庁の関係はそれと同じだ。だが、キョート共和国との戦争もとい特別軍事作戦が開始されてしばらくすると、治安維持を目的として警察庁により新たな警察部隊が組織された。これがハイデッカーだ。

 NSPDは旧態依然とした腐敗組織であり、タテワリ構造によって身動きが取りにくい。ネオサイタマの治安悪化に歯止めがかからないのはそのせいである。これを好機として警察庁は国家公安委員会および内閣府に働きかけ、その承認を得て新組織を創出した。長官はムナミ・シマカタなる女性だ。

「……そして、現職の内閣総理大臣はラオモト・カン。こいつは、暗黒組織ソウカイ・シンジケートと密接な関係があるってのは公然の秘密だ。公職に就いたからとしてネコソギ・ファンドCEOの座からも退いたものの、それは名目に過ぎん。マスメディアも支配下にあるから誰も口出しできない」

 デッドエンドは鼻を鳴らした。「逆らうやつにはニンジャ・エージェントが派遣され、始末される。ヤツ自身が強大なニンジャでもある。残念だが、今の49課では手出しできん」「ハイデッカーは、ラオモトが創設したってわけですか」レッドフィストが挙手し、発言する。「おそらく、そうだ」

「以前、ラオモトがクローンヤクザを大量にマッポとして配備し、NSPDを牛耳ろうとしていたことはある。ノボセ=サンたち反対派を暗殺してな。それは未然に防がれたが、今度は立場の弱い警察庁を利用することで、合法的にそれをやろうとしてるってわけだ」「なるほど」「で、どうしろと」

 ブラックマシーンはため息をつく。「ハイデッカーたちをブッ殺すんですか?」「バカか」デッドエンドは睨んだ。「内情調査だ。このところ、ネオサイタマ各地で無差別に貧困市民がスカウトされ、『ハイデッカー養成キャンプ』へ送り込まれてるって情報をキャッチした。潜入し、偵察してこい」

「貧困市民?」アイスマシーンが首を傾げる。「ハイデッカーはクローンヤクザ、というわけではないのですか?」「オーガニックなやつらも必要なんだろうよ。だが、明らかに向いてなさそうなモヤシや老人、浮浪者や犯罪者までスカウトされてる。怪しいだろ」「スキャンダル重点ってわけスか」

「実際、治安維持目的では?」デッドエンドは舌打ちする。「それを調べてこいってんだよ。別に犯罪者を捕まえて始末してるだけなら構わんが、あいつらはこっちの商売敵だろ。なんか難癖をつけられそうなネタがあったら、何でもいいから持って来い。機密データも奪え」「だいたいわかりました」

「貴様らがNSPDだと判明したら、政治的にヤバいから気をつけろ。逆にこっちのスキャンダルになる。捕まってもかばわんからな」「バラクラバでも被って行きますか」「テロリスト扱いだな」「フリーランスの傭兵ニンジャでも雇えばいいじゃないスか」「そんなカネはない」ナムアミダブツ!

事前調査

代表1名がハッキングで調査判定、難易度N。ISが挑む。電脳8、「知識:公僕の流儀」で+2。10D6[1114166211]3成功。全員即応ダイスと緊急ダイス+2。

 ……ともあれ、危険かつ重要なミッションだ。下調べをしっかりしていくにこしたことはあるまい。アイススリケンは得意のハッキングでハイデッカー養成キャンプについて調査し、情報をさらに収集して場所を突き止めた。「カニド・ストリートにひとつあるようです」「よし。そこへ行くぞ」

「待ってください」アイススリケンの得た情報によれば、そこに入っていく者は多いが、出ていく者は一人も確認されていない。地下などに秘密のルートがあるのだろう。監視カメラの映像には、ナヨナヨしたサイバーゴス青年がスカウトされ、ゲートをくぐり施設内へ入っていく様が記録されている。

「正面にはゲートがあります。……オナタカミ製ですね」「裏口かどこかを探して潜入する」「了解」「……それと、電子的にですが……この案件を、すでに誰かが調査している痕跡があります。警備は厳しくなっているかも知れません」アイススリケンは眉根を寄せ、別のルートを捜索していく。

養成キャンプ

 ……施設の裏口を発見した一行は、そこからハイデッカー養成キャンプに潜入することとした。顔は覆面で隠している。捕まれば犯罪者として処分されるだろうが、これも正義のためだ。おお、そこに広がる光景は……!「アイエエエ!」「タスケテーッ!」「「「ザッケンナコラー市民!」」」

『射撃訓練場な』の看板が立つ広大なグラウンドでは、スガモ囚人めいてオレンジ色のツナギ服姿の人々が必死で逃げ回っている。パンクス、ペケロッパ、浮浪者、ヤクザ、それにさきほどのサイバーゴス青年……いずれも貧困市民や低級な犯罪者たちだ。それを追い回しているのはハイデッカー!

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◆ハイデッカー(種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)×4
カラテ       3    体力        2
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      4    脚力        2
ジツ        -    万札        1

攻撃/射撃/機先/電脳  3/ 4/ 1/ 1

◇装備や特記事項
◆マッポガン:ダメージ1
◆電磁ショック警棒:テック近接武器、ダメージ1+電磁1
◆オナタカミ・ライオット・ショットガン:ダメージ2

能力値合計:8

 ハイデッカーは全員がいかめしい制服やタクティカルスーツを装備し、フルフェイスヘルメットやサイバーサングラスで顔を覆っている。その装備は全てオナタカミ社製である。彼らは一糸乱れぬ動きで市民たちを壁に並ばせると、一斉にオナタカミ・ライオット・ショットガンを構えた!「撃て!」

 BLAMBLAMBLAMBLAM!「「「「アバババーッ!」」」」ナムアミダブツ!なんたる非道!「「「「アイエエエ!」」」」生き残った市民たちは腰を抜かして失禁し、ハンズアップ!「タスケテー!」「何も犯罪していません!」「あなたたちは犯罪者予備軍です」ハイデッカーは無慈悲に告げる。

「実際、キョート共和国のスパイであるとの周辺住民の通報がありました」「冤罪です!」「誤解だ!」「疑わしいので処分します」ハイデッカーは無慈悲に問答を終え、また一斉にショットガンを構える!「ひでえことしてやがるな」「どうする。見殺しにするか?」「止めましょう」三人は動く!

戦闘開始

【続く】

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