忍殺TRPGリプレイ小説【ネオンシティ・バタフライズ】02

前回のあらすじ：キルキラーとヴェノムパピヨン、2人の若きニュービー・ニンジャが、ブラッドタヌキ・ヤクザクランの本部事務所へカチコミに派遣された。クランを乗っ取った邪悪ニンジャ・デンドロアスピスは、ザイバツと組んでソウカイヤに楯突く気だ。彼を討ち取れ！カラダニキヲツケテネ！

◆キルキラー（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　６　　　　体力　　　　　　　　６
ニューロン　　　　　５　　　　精神力　　　　　　　５
ワザマエ　　　　　　３　　　　脚力　　　　　　　　４
ジツ　　　　　　　　０　　　　万札　　　　　　　　０
ＤＫＫ　　　　　　　０　　　　名声　　　　　　　　１

◇装備や特記事項
◉常人の三倍の脚力：脚力＋１、連続側転難易度－１
▶生体LAN端子LV１：ニューロン判定ダイス＋２、イニシアチブ＋１
○生い立ち：キラーマシーン教育　ニューロン－１、ワザマエ＋１
◉知識：犯罪
◆オーガニック・スシ：体力３回復（使い捨て）
○立ち位置や性格：反抗心や嫌悪

能力値合計：１４　回避ダイス：６

◆ヴェノムパピヨン（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　４　　　　体力　　　　　　　　４
ニューロン　　　　　５　　　　精神力　　　　　　　５＞３
ワザマエ　　　　　　６　　　　脚力　　　　　　　　３
ジツ　　　　　　　　２　　　　万札　　　　　　　１１
ＤＫＫ　　　　　　　０　　　　名声　　　　　　　　１

◇装備や特記事項
☆カナシバリ・ジツLV２
　隣接する３×３マスの敵全員に精神力ダメージ１（回避NORMAL）
　回避できなかったモータル全員はターン終了まで一切行動不能となる
　効果範囲内の敵１体をカナシバリにする（ニューロン抵抗難易度NORMAL）
　　カナシバリ：術者の次の手番開始までその場から動けず、
　　　行動の判定難易度＋２、敵からの攻撃・射撃難易度－２される
　　　体力か精神力にダメージを受けると、そのフェイズの終わりに解除

◆ウィルス入りフロッピー：ハッキング判定ダイス＋３（使い捨て）
○言いくるめ：モータルハント時万札＋１
　◉交渉：欺き、誘惑
○立ち位置や性格：違和感や外部存在（別のバースから来た可能性がある）

能力値合計：１９　回避ダイス：６

共有万札：18

オイランの檻

ザイバツの奴隷オイラン・ツヅリを発見し、解放した2人であるが、今まさにカチコミ中で、無力な彼女を連れ歩くことはできない。ここにいさせた方が安全だ。「すぐに迎えに来るわ。待っててね」「ハイ……」ヴェノムパピヨンとツヅリは顔を赤らめ、指を絡ませた。「「ユウジョウ……！」」

なんらかのなんかにより、ヴェノムパピヨンの精神力が全快する。愛…。

キルキラーは彼女らを放置し、さっさと隣の部屋へ向かう。「鍵は……かかってねェな」ただのフスマだ。トラップもない。フスマを開き入室する。

仮眠室

ニンジャ視力で暗い室内を見ると、タタミ部屋にフートンが敷かれており、ハンバーグめいたポンパドール&リーゼント・ヘアーのヤクザが1人、フートンに包まって熟睡している。部屋の隅には桐製のタンスがあり、その上には小さなワータヌキ像。「仮眠室か」ヤクザは疲れ果て、うなされている。

「うう……アイエエエ……オヤブン……」キルキラーは彼が起きないよう、しめやかに部屋の中へ入る。殺してもいいが、後でインタビュー（拷問）して情報を聞き出してもいい。まずは桐製タンスを探るとしよう。

1D6の出目は[1]＝万札1をゲット。共有万札19。

「チッ、シケてやがる」ワータヌキ像の下や中には何もない。トロ粉末なりメン・タイなりもない。ムカついてヤクザを蹴り殺そうとした時、彼は寝言を発した。「オヤブン、スンマセン……俺があの時、ああしていれば……クランの宝を守るために……」宝。キルキラーは足を止め、寝言に耳を傾けた。

「ヤクザの勝利……表す……獣の数字……！　それを、ううう……オヤブン……！ゼロにしちまって……」ヤクザは悲壮な顔で涙を流し、掌を合わせている。「俺のせいで……マムシノの野郎に……！　ブッダもオーディンもいねェ！」

ニューロン判定、難易度NORMAL。判定ダイスは「ヤクザの流儀」で+2、「犯罪」で+1。7+1＝8D6で[42111431]＝成功。

キルキラーは高い知能指数で推理する。「エイト、ナイン、スリーか」日本語でヤクザ（ギャング）を意味する恐るべき3つの数字。それを「ゼロにする」とは、つまり。「ありがとよ。手間が省けたぜ」キルキラーは足を振り上げ、常人の三倍の脚力で踵を振り下ろす。「アノヨでオヤブンに詫びな」

ヤクザを殺害し万札+1、共有万札20。

「アバッ」死神の処刑鎌めいた踵落としが、ヤクザの首を切断した。薄汚れたフートンが、血で染まっていく。薄汚いマネーに染まった、薄汚い血で。「ヴェノムパピヨン＝サン、もういいか。行くぞ」「え、ええ」「あのシャッターのパスワードがわかったぜ」「ヤクザを拷問したの？」「ああ」

応接室

廊下に出て合流し、もと来た応接室へ戻る。クリスタルテーブルや革張りソファの間に、ヤクザやクローンヤクザの死体がゴロゴロしているが、後で片付け役が来るだろう。キルキラーはドアノブの上のパスワードキーを2つ、押した。『パスワード認証ドスエ』ガゴンプシュー……！「よし」

「何を入力したの？」「獣の数字、エイト・ナイン・スリーを足した。下の桁はゼロ。ヤクザクランで時々使われる符牒だ」「……ああ、なるほどね」無謀なバクチを挑んで社会の敗残者になった者を、世間は「ヤクザ」と呼んだ。その語源とされる説のひとつだ。古事記にも書かれている。

シャッター扉の向こうは短い廊下。突き当りの左右にドアがあり、右側に「宝物庫」、左側に「電算室」とある。どちらも宝の山だ。「どっちからにする？」「まずは……そうだな、電算室だ。機密データ重点」「了解」

カラテかワザマエで解錠判定、難易度NORMAL。ヴェノムパピヨンが6D6で[315266]＝成功＆殺伐。何か良いことが起きそう。

電算室

トラップはない。ヴェノムパピヨンが器用に物理鍵を解除し、キルキラーが先に入室する。何者かの気配！「ハーッ！ハーッ！スゴイ！」「フーッ！フーッ！アーン！」甘く艶かしい電子エフェクト音声の喘ぎ声が聴こえる。キルキラーは闇の中に、激しく上下に動く青いネオン光を見た。「前後！」

◆ミコチ２（種別：モータル/重サイバネ）
カラテ　　　　　　　３　　　　体力　　　　　　　　８
ニューロン　　　　　３　　　　精神力　　　　　　　５
ワザマエ　　　　　　４　　　　脚力　　　　　　　　３
ジツ　　　　　　　　－　　　　万札　　　　　　　１０

◇装備や特記事項（反映済み）
▶︎テッコLV１：カラテ判定ダイスと回避ダイス＋１
　▷電磁クローアーム：ダメージ１＋電磁ショック１　攻撃難易度EASY、連続攻撃上限２
▶ヒキャクLV１：脚力と回避ダイス＋１
▶サイバネアイLV１：ワザマエ判定ダイス＋２
▶生体LAN端子LV１：ニューロン判定ダイス＋２、イニシアチブ＋１
▶︎▶クロームハートLV２：体力と精神力＋２
◉重サイバネ化：体力＋２、精神力－２、●脆弱性：電磁（１）

◆軍用サイバーサングラス：射撃ダイスとイニシアチブ＋１
◆LAN直結型ハンドガン"ヤマダ社カスタム"：
　遠隔武器、連射２、時間差、マルチターゲット、射撃ダイス＋１（８D６で射撃可能）
◆サイバーブーツ（レガース）：緊急回避ダイス＋１
◉ストリートの流儀、サイバネティクスの知識、犯罪
◉交渉：威圧、欺き、誘惑

能力値合計：１０　回避ダイス：６（回避難易度＋１）　近接：４　射撃：７

ナムサン！先日遭遇したばかりの重サイバネ・オイランアサシン、ミコチ2だ。UNIXの前で椅子に座ったハッカーと抱き合って上下している。ハッキングでカネでも盗もうとしていたか。「また遭ったな。お楽しみ中悪ィが、死んでもらうぜ」「え」モータル相手にアイサツする必要なし！先手必勝！

戦闘開始

イニシアチブ：キルキラー（6）→ヴェノムパピヨン＆ミコチ2（5）

1ターン目

キルキラーは常人の三倍の脚力でカラテキック！「イヤーッ！」

6D6で[412152]＝2成功。ミコチ2は6D6で[251324]＝1成功回避。

「ファック！」ミコチは間一髪でハッカーを突き放し、反動で殺人カラテを回避！タツジン！「敵ね！死になさい！イヤーッ！」ヴェノムパピヨンが入室してスリケン投擲！

6D6で[165313]＝2成功。ミコチ2は緊急回避ダイス1を使って[6]＝回避！

「コック！」ミコチ2はサイバーブーツのバネ装置を使って緊急ジャンプ回避！「今度は女連れ？とにかくクタバレ！」ミコチ2はノパンのまま腰からLAN直結型ハンドガン・ヤマダ社カスタムを抜き放ち射撃！BLAMBLAM！

4D6を2つで時間差2連射。[5246][5146]＝成功。キルキラーは3D6を2つで回避し[612][664]＝成功。

「ビッチ！」キルキラーは殺人カラテ技巧「マワシウケ」めいた動きで2発の銃弾を叩き落とす！ゴウランガ！「嘘ォ！？」「カラテカをナメんなよ」ハッカーは突き飛ばされた衝撃で壁に頭を打ち、下半身丸出しで気絶している。「こいつにデータを盗ませようとしてたってわけか？」「そうよ！」

ミコチ2は怒りに燃えて銃を構える。「ここの傭兵として働くついでに、ちょっとカネを頂こうとしてただけなのに！酷いじゃない！」「傭兵なら働けや！今まさにカチコミかけられてンぞ！」キルキラーが手招きする。「何、あんたら知り合い？」「前にちょっとな！激しく前後してやるぜ！」

2ターン目

「「イヤーッ！」」キルキラーのカラテ！ヴェノムパピヨンのスリケン！

6D6を2つで[511115][412516]＝成功。ミコチ2は3D6を2つで全力回避！[113][234]＝両方命中！残り体力6！

「ンアアーッ！」手練れの重サイバネ・オイランアサシンであっても、モータル1人では駆け出しニンジャ2人に敵わぬ！無慈悲な実力差！「ブッダファック！」ミコチ2は一矢報いんと再びハンドガンを連射！BLAMBLAM！

4D6を2つで[2156][3635]＝成功。キルキラーは3D6を2つで[161][122]＝1発回避失敗！残り体力5。

「イテッ！」「ザマミロ！」ミコチ2が嘲笑う。しかし2対1、かつ脱出できそうな窓もドアも相手に塞がれて通れぬ！ラット・イナ・バッグ！

3ターン目

「「イヤーッ！」」キルキラーのカラテ！ヴェノムパピヨンのスリケン！

[364436][111533]＝成功、カラテは殺伐。ミコチ2は4D6と2D6で全力回避！[4221][16]＝スリケンは避けたが殺伐の一撃を食らう！出目5で両腕破壊！通常のダメージに加え痛打+1、カラテダメージ2、ワザマエダメージ2！テッコは破壊されないで済むが、残り体力4、カラテ1、ワザマエ2に低下。正確には同時攻撃ではないので回避ダイスが減ってスリケンも命中した可能性があるが、まあいいとしよう。臨機応変！

「ンアアーッ！」KRASH！キルキラーの殺人キックがミコチ2のテクノカラテガードを打ち破り、痛打を与える！バチバチとテッコが音を立て、ミコチ2がふらつく！「うぐおああああ、腕がッ！ああーッ！」「まだやるかい」キルキラーとヴェノムパピヨンが手招きする。ミコチ2は……ハンズアップ。

戦闘終了

「マッタ、降参。殺さないで……生かしておけば、役に立つわよ」オイランらしくしなを作り、哀れげで甘く艶かしい電子エフェクト音声を響かせる。生き残れば次がある。死んだら終わりだ。彼女はそうして生きてきた。

交渉。ワザマエ判定、難易度HARD。「ストリートの流儀」「誘惑」で+2。ワザマエは2減ったが2+4＝6D6で[553424]＝2成功。キルキラーは4D6で抵抗判定、難易度NORMAL。[3213]＝失敗！ヴェノムパピヨンは美女の誘惑に弱いためワザマエの半分で判定、3D6で[462]＝成功。しかし。

「サイバーサングラスとマスクを取って、素顔を見せなさい。考えてあげるわ」「ええ」ミコチ2は言われるままにそうする。「ついでに、髪をほどいて。そっちのが好み」「ええ」言われるままにそうする。

サバゲー女子メーカー

ミコチ2の素顔があらわになった。黙っていれば美女だ。「それなりね。どうする、キルキラー＝サン」「……まあいい、殺す気も失せたぜ。有り金を置いて、消えな」「アリガト！」ミコチ2は笑顔で万札5を差し出し（有り金全部ではない）、キルキラーとヴェノムパピヨンにハグ＆キスした。

共有万札：25

「今度逢ったら前後しましょ！サヨナラ！サノバビッチ！」ミコチ2はキツネ・サインを向けると、窓から身を躍らせた。またフックロープでも使ったのだろう。『♪5万円、もっと私をカワイイにしてみせる～』夜空に浮かぶマグロ・ツェッペリンから、ネコネコカワイイの曲が大音量で流れている。

「なにあいつ」「オイランアサシンのミコチ2だ。この前いざこざがあってな」「いろんなオイランがいるものね」ヴェノムパピヨンは肩をすくめた。「アタシは微妙にタイプじゃあないけど、あんたはアイツに？」「ねェよ。ただの打算だ。恩を売って生かしておきゃ、情報とか手に入るだろーが」

IRCにナビゲーターの声。『なるほどね。私もグッド判断と思うよ。そこのUNIX、調べちゃってね』「ああ」キルキラーは気絶したハッカーを蹴飛ばし、カスタムUNIXの前に立つ。

ハッキング判定、難易度HARD。7D6で[3624654]＝3成功＆殺伐。顧客名簿（万札5）に加え、ザイバツとの通信痕跡を入手する。共有万札30。

スコココココ……キャバァーン！生体LAN端子によりスムーズにハッキングは成功し、ブラッドタヌキ・ヤクザクランが販売していた違法薬物メン・タイの顧客名簿データを抜き出した。さらに……『これは、ザイバツ・シャドーギルドとの通信痕跡があるね。結構お手柄よ！』「よーしよし」

「ハッカーはどうする？殺しちゃう？」「生かしておいて、こき使おうぜ」「了解」いずれこのアジトは彼らのものになる。奴隷は必要だ。「さて、次は宝物庫だな」「オヤブンは来ないわね。奥で前後でもしてるのかしら」

宝物庫

カラテかワザマエで解錠判定、難易度NORMAL。ヴェノムパピヨンが6D6で[441316]＝成功。

再びヴェノムパピヨンが解錠し、宝物庫にしめやかに侵入する。壁には歴代オヤブンの写真が額入りで飾られ、奥ゆかしいトロフィーやショドーの数々も収められている。中でもとりわけ目を引くのは、部屋の中央のガラスケース内に置かれた、真っ赤な漆で塗られた年代物のワータヌキ像であろう。

「あれが宝？」「いや、見ろ」よく観察すれば、ワータヌキ像の胸には何かが装着されている。漆めいて真っ赤なジュエル（宝石）だ。売却すればそれなりにはなろう。だが……その手前には、防犯用の殺人的レーザー光線が張られている。「いわゆる『キンタロアメ殺人レーザー』ってやつだな」

左右の壁から発射され続けるレーザー光線にそのまま飛び込めば、人体が輪切りスライスされ、ダルマ落とし状に崩れ落ちて死ぬ。ニンジャでもたぶん死ぬ。解除するにはハッキングだ。「さっきのハッカー、起こす？」「俺がやってみよう。ダメなら起こしてくれ」そう言い、付近の壁に手を触れる。

ハッキング判定、難易度HARD。7D6で[555314]＝成功。

生体LAN端子から無線PINGを飛ばし、トラップの主電源にアクセスする。そのままスイッチを切ると……バヒュン、と音がしてレーザーは消えた。「原理はわかるけど、魔法じみてるわね」「インターネットの原理なんて、誰も解明できてないって言うぜ。魔法みたいなもんさ」とにかく、お宝だ。

Photo by Joshua Fuller on Unsplash

*ブラッドジュエル*：パーソナルメンポ扱い。精神力と緊急回避ダイス+1。売却すると万札3D6。これを装着した者はブラッドタヌキ・ヤクザクランの構成員から可能な限り集中攻撃される。

ワータヌキ像からジュエルを外す。宝石としての価値は不明だが、並ならぬパワーを感じる。「……気に入ったわ。洒落たもの持ってるじゃない。これ頂戴」「その分、万札の分け前は減らせよ。オイランの分もな」「ケチ！」近くにはジュエルのためと思しきペンダント用の鎖もあった。装着する。

「……よし、準備はOK。後はデンドロアスピス＝サンをブッ殺すだけよ」「うっし、行くか」『油断は禁物ね』いよいよだ！

【続く】

◆