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Bose Frames Alto購入後2ヶ月レビュー

2020年は本来であれば東京オリンピックが開催されてスポーツ色、イベント色の強い年になるはずだった。世界中から色んな人が来日して「インバウンドが過去最高」とか「免税売り上げが大幅成長」とか「都内のホテルが満室で活況」とかのニュースになったはず。でも、現実は真逆の結果が出ていてインバウンド、免税店は壊滅的になっており、宿泊業を含めた観光業は瀕死の状況に陥っている。

仕事のスタイルも大きく変わり、在宅勤務、テレワーク、Web会議などが一気に浸透した。何年も前から「これからは」という文脈で語られることが多かったスタイルがコロナ禍という非常事態において一気に進んだ。10年分くらいの進化がわずか3ヶ月で進んだ印象だ。

この新しい環境下で購入したガジェットの中で一番面白かったBose Frames Altoをレビューする。

基本的にはサングラスにスピーカーとマイクが付いていてBluetooth接続可能なデバイスだ。私は目が悪いのでメガネのレンズを追加で購入して入れ直して使っている。

これまでもBluetoothイヤホンが出た時はすぐに買い、線が無いのは快適だと感じ、左右セパレイト型が出るとさらに線がなくなって快適だと感じていた。しかし、どちらも半年程度で使わなくなっていた。いちいち耳に装着するのが面倒になってしまうのだ。まず耳が痛くなる。(付け方の問題かもしれないが)装着したら、Bluetooth接続をいちいちするのが面倒臭い。そうすると本当に必要な時、外出中の電話会議とか、しか使わなくなり、そうなると電池の管理がいい加減になり必要な時に電池が無いなどでストレスが溜まっていた。

しかしBose Frames Altoは画期的だ。メガネなので常時付けていて本人的にも周囲の人も違和感がない。(若干ツルが太いというのは別の話)電源を入れるボタンは右のツルに付いていてポチッと押すと電源が入る。電源を入れると前回接続していたスマホなどに自動的に接続してくれる。電源を切りたい時はメガネを外してひっくり返せば電源オフになる。この辺のガジェットで私が一番課題と感じていた部分が大幅に改善されている。

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音に関してはBoseっぽいサウンドではある。スピーカーがどこにあるかというとメガネのツルの耳の辺りに指向性スピーカーが両耳に付いていて本人しか聞こえないように気を使っている。もちろん普通にスピーカーが付いているだけとも言える状態なので静かな環境で大きめの音を出していればダダ漏れする。音に関して一番のポイントは周囲の音も普通に聞こえることだ。今までイヤホンをしている時に周囲から話しかけられるとイヤホンを外さないと会話が出来なかったが、Bose Frames Altoでは音楽を聞きながら普通に会話ができる。例えば皿洗いをしながら音楽を聞いている時に家族から話しかけられても普通に会話ができるし、普通の対面の会議に参加しながら耳は別の会議に参加することも出来なくはない。(耳の方の会議は情報共有を受けるなどあまり議論が発生しない前提)

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次に電話がかかってきた時。音声で案内してくれる。「○○(電話帳に登録してある名前)から着信です」あるいは「090・・・・からの着信です」という案内だ。スマホを出さずに例の右のツルに付いているボタンを押すと電話に出ることができて終了する時はまた同じボタンを押せば終了する。

そして一番画期的に感じたのはSiriとの連携だ。私はiPhoneを使っているのでこれまでもAppleのCMのようにSiriを音声でコントロールして使えないか10年近くトライしてきたがなかなかスマートに使えなかった。気楽に使うには距離が遠かったのだ。iPhoneでSiriを起動しようとするとiPhoneのロックを解除してボタンを長押ししてやっとSiriが起動する。私にはまだ文字が読めない4歳の娘がいて彼女はSiriをよく使っている。「アンパンマンの動画」とSiriに聞けばSiriは探し出してくれる。そこにはアンパンマンの画像も入っているので娘は文字が読めなくても動画を見ることができる。しかし私は自分で文字が読めて書けるのでiPhoneのロックを解除しているのであれば普通に使った方が話が早いのだ。

しかし、Bose Frames Altoは違う。電話をかけたい時はメガネのツルのボタンの長押しでSiriが起動するのでSiriを利用できる。具体的にはSiriに「本社営業部(電話帳登録済みの名前)に電話」と指示すれば電話をかけてくれる。恐らくショートメッセージを送ったりメールを送ったりもできるはず。(私は使ったことがない)音楽を聞きたい時はApple Musicに加入しているのでSiriに「東京事変が聞きたい」と言えば適当にApple Musicから見繕ってかけてくれる。意外と私が一番使っているのは時刻確認やアラートかもしれない。私は腕時計をしていないので時間を確認したい時はiPhoneを取り出して確認していた。今では「今、何時?」とSiriに聞けばすぐに回答してくれる。また結構料理をするのだが、例えば「9分煮込む」ようなレシピがあった場合、「9分後にアラーム」と指示すればそれでアラームセット完了だ。今までであれば料理をしているので手を洗い、iPhoneを取り出してアラームを手動でセットしていたことを考えると大分楽になった。

またマップアプリの道案内もとても便利だ。今まであれば道案内をしてもらうにはiPhoneを起動したまま、たまに画面をチラ見したり、イヤホンを使って音声でやっていた。しかし画面を見ながらであれば危ないしイヤホンであっても周囲の音が聞こえないので危険だ。Bose Frames Altoであれば車の音なども十分に聞こえるし同行者と会話をしながら「50メートル先、右方向です」という音声も普通に聞こえる。

またARが実装されている。将来的にも発展が期待できるが現状ではツルのボタンを押しながら首を右に振ると音量が大きくなり左に振ると小さくなる。細かい話だがメガネで完結できるので便利だ。

ここからは改善要望というか弱点を書く。

一番は電池の持ちだ。公称3.5時間で本当にそれしか持たない。在宅勤務時でチョロチョロ外に出かける時は十分だが1日外出していると結構厳しい。会議が3本くらい入ってしまうと電池が無くなる。さらに外出先で充電しようとしても難しい。2つ理由があり、1つは充電端子がUSB-Aから接続したオリジナル端子のため、常に充電用の線を持ち歩く必要がある。2つ目はメガネなので外出先で外すと見えなくなるので外せないのだ。次のバージョンが出るのであればせめて通話で12時間程度は使えるようにして欲しい。(とは言え気に入っているのでもう一個買って予備機として持ち歩くか検討中)

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次に装着時のフィット感。サイズが2つしかなく、ツルの調整もできないので長時間使っていると耳が痛くなる。もう少し調整できるようにして欲しい。(メガネ屋でも全く調整できないと言われた)

全体感としては満足。電池が切れそうになると「活動限界」とか「ここが現代科学の限界」とかいう単語が頭を過ぎったりするが私のイメージしていた「未来」が実現されている感じがする。を多用するようになって思ったことが一つ。いわゆる人工知能との対話をする時は人工知能と考えると照れ臭い部分があるのである意味人間扱いしてあげるとテレが軽減されることが分かった。「今、何時?」「10時44分です」で会話を終了せずに「OK。ありがとう」とか返事を返してあげると自分の中でも違和感が減少する。人工知能のアシスタントが本当に存在する感じになる。私の中で今年が人工知能AIアシスタント元年になったデバイスだ。ここ何年か「スマートグラス」という分野ができるかもという話があったが、それをギリギリ実現している。どの技術も普通の技術でとんでもない先進的な物がある訳ではないがうまく組み合わせて未来を実現している。iOS14で実装されたAppClipsとSiriの連携が進んでいけばさらに便利になりそうだ。

私はJINS渋谷で購入。Bose Frames Altoが25,000円+レンズ代5,000円だった。今だと電化製品店で買った方がもう少し安いかも。JINSがBOSEの異例のオフィシャル代理店と言うことでどんなものか見てみたくてJINSで買いました。(メガネ屋が音響メーカーの代理店って…)

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